第2話

読む人『(たま子に)どうした?』
たま子『なにがなんだかわからないまんまに、真っ暗闇の中をずーっとこうしてはいずりって来たの。もういいかげんくたびれてしまって。なにか杖になるようなものをお持ちじゃない?』
読む人『杖なんていらないでしょ?』
たま子『足が悪いんですよ。』
読む人『試しに立ち上がってみたら?』
たま子『試しにってあなた…。(すくっと立ち上がり)あら。(威勢よく屈伸して)あら?(自分の手をためつすがめつ眺め)あらあら。(確かめるように両手で顔を触りながら、なにか言いたげに読む人の顔をじっと見て)…。』
読む人『ないんだよね。悪いけど。』
たま子『なにが?』
読む人『鏡でしょ?ここにはない。』
たま子『そう…(おもむろに両まぶたを指でつまみ、思い切り引っ張ったかと思うとぱっと放してからもう一度そのまぶたを指でそっと撫で)…あらやだ!すっかり若返っちゃってるわ。あらまー。(面白そうに体を動かしまくる)』
読む人『(背後の桑島に)ね?本当に来たでしょ?』
桑島『はい…。』
たま子『いいわねぇ、夢の中って!なんでもありで!(鼻歌を歌いながら辺りを跳ねまわる)』
読む人『(再び背後に)ほら、桑島さん!』
桑島『はい!…しかし、あんなに楽しんでおいでのところへ、お邪魔をしては申し訳ないかと…。』
読む人『(ついには大声で歌いながらスキップしているたま子を見て)邪魔するくらいで丁度いいんじゃない?あ!たま子ちゃーん!あんまりそっちまで行っちゃダメー!(と下手へ行こうとしているたま子を呼び戻す)』
たま子『ごめんなさい。ちょっとはしたなかったわね。でも体がどっこも痛くないなんて本当に久しぶりなんですもの。』
桑島『(思わず顔を出し)どこかお怪我か、ご病気でも…?』
たま子『(手をふって否定)人間90も超えるとね、どうしたってあちこちガタがきちゃって…あら?あなた…。』
桑島『はい…。』
たま子『どこかでお会いしましたよね?』
桑島『…はい!』
たま子『…もの凄く昔じゃない?』
桑島『そうです!』
たま子『(思い出そうと)んー…。』
桑島『自分は以前…』
たま子『言わないで!当てさせて!』
桑島『…はい…。』
つづく

テアアカのレポート

第2話

ガソリン

病院に行く
