22日開業した東京スカイツリー(東京都墨田区、高さ634メートル)で、同日夕、強風に対する安全上の措置として二つの展望台を結ぶエレベーターの運行を停止し、地上約450メートルの第2展望台「天望回廊」の営業を打ち切るアクシデントが起きた。世界で最も高い電波塔として注目を集めるスカイツリーが強風に弱いことが、開業初日から明らかになった形だ。
 スカイツリーの運営会社によると、「強風に対する安全上の配慮」として、同日午後5時45分ごろ、第1展望台「天望デッキ」(約350メートル)と、第2展望台を結ぶエレベーター2基の運行を停止。その後、第2展望台にいた来場者約200人を第1展望台に降ろすため、下り方向に限って運行を再開した。また第1展望台の混雑を緩和するため、地上と第1展望台を結ぶエレベーターの上り方向の運行も一時見合わせた。
 運営会社のマニュアルでは、風速が毎秒30メートルを超えた場合、揺れが大きくなって乗客に危険が及ぶ可能性があるため、エレベーターの運行を停止する方向で検討すると定めていた。22日の風速はこの基準を超えてはいなかったが、運営会社は一定以上の強風が長時間続く可能性があるため、両展望台間のエレベーターを停止。午後7時半ごろ、第2展望台の営業を打ち切った。