木村コーチ死去 原監督「何とか奇跡を…残念」
巨人球団は7日午前10時から遠征先の宿舎とする兵庫県芦屋市内のホテル内で、清武英利・球団代表、原辰徳監督、阿部慎之助主将の3人が記者会見し、悲しみを語った。
清武代表は、23日からの東京ドームでの広島3連戦のうち、1試合を追悼試合とし、その日かその前後の日でお別れの会を開き、関係者と冥福を祈りたいとした。7日の試合では喪章をつけることになるという。
木村コーチはユニホーム姿で広島市内の自宅に戻った。清武代表は「倒れた時には(容体は)最悪の状態だった。強い生命力で5日間持ちこたえた」と言葉を詰まらせながら話し、「伝説のキャッチャー姿など記憶を残してくれた」と悼んだ。
原監督は大粒の涙を流しながら「何とか奇跡をと思っていたが、かなわずに残念」と絞り出すように話した。「野球が好きで立派な指導者になると思った。『タク(木村コーチの愛称)、ノックが世界一うまくなろう』とスタートした。悲しみをバネにしてチームをさらに強く前に進めていきたい」と語った。
選手を代表して阿部主将が「本当なのかと受け入れられない」と心情を話した。「タクさんも分からないうちに倒れて、病棟でも『試合にいかなきゃ』と思っていたのでは。タクさんの分までやるしかない」と話し、「お子さん3人、できれば僕ら選手で少しでもサポートしていきたい」と残された家族を思いやった。
午後には、選手、スタッフが遺影を飾ったホテルの一室で黙とうした後、夜に行われる阪神甲子園球場での阪神戦へ出発した。