【ソウル4日時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会は4日、「試験通信衛星『光明星2号』を「運搬ロケット『銀河2号』で打ち上げるための準備が完了した」として、「衛星は間もなく打ち上げられる」と主張した。朝鮮通信(東京)が伝えた。韓国の聯合ニュースは4日午前11時から正午の間に発射されるとの見通しを伝えた。北朝鮮は4日から8日までの午前11時から午後4時の間に「人工衛星」を打ち上げると国際機関に通報しており、衛星打ち上げ名目で長距離弾道ミサイルが間もなく発射されるもようだ。同ニュースによると、北朝鮮は咸鏡北道舞水端里のミサイル発射場周辺の3カ所に観測カメラを設置。発射したミサイルを追跡するための装置とみられ、韓国政府筋は「状況から数時間以内に発射する可能性が非常に高い」と語った。

 北朝鮮のミサイルが日本上空を越えれば、1998年8月以来。今回、発射されるのは2006年7月の打ち上げで失敗したテポドン2号の改良型とみられる。テポドン2号の最大射程は6700キロ以上で、米国のアラスカやハワイに届くとも言われる。

 今年に入り、北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」の名目で長距離弾道ミサイルの発射準備を進め、2月24日付で「人工衛星」の打ち上げ準備を本格的に進めているとの談話を発表。3月11日には国際海事機関(IMO)などに「人工衛星」を4月4日から8日の午前11時から午後4時の間に打ち上げると通報していた。北朝鮮が国際機関に通報した上で、ミサイルを発射するのは今回が初めて。人工衛星と称して「宇宙の平和的利用」を国際社会に主張し、発射を正当化する構えだ。

 しかし、衛星の打ち上げとミサイル発射の技術は基本的に同じで、日米韓などは北朝鮮の行為は06年10月の国連安保理決議に違反するとの認識で一致している。日本政府は米国などと連携し、国連安保理で北朝鮮への批判を強めていく方針だ。