徳島県内で今年に入り、交通死亡事故が多発している。死者数は5日現在で17人を数え、昨年より5人多い。1日時点の人口10万人当たりの死者数は2・02人で、全国ワースト1。県警は6日から始まる春の全国交通安全運動で、死者の6割以上を占める高齢者や相変わらず多い夜間の事故防止に重点を置き、死亡事故の発生に歯止めを掛ける。



 県警交通企画課によると、事故死者のうち、6割以上の11人が65歳以上の高齢者だった。夜間事故の死者も6人と多い。



 乗用車など四輪車に乗っていて死亡した7人のうち、4人がシートベルトを着用していなかった。このうち、3人はシートベルトを着用していれば、命を落とさなかったとみられている。



 他県との比較が可能な1日時点では、県内の死者数は16人で、車両1万台当たりで0・26人、運転免許人口1万人当たりは0・30人。いずれも全国ワースト1だった。



 県内の年間事故死者数は近年減り、2009年は過去2番目に少ない48人。しかし、このままのペースでは死者数が大幅に昨年を上回りかねない状況だ。



 県警は死亡事故が急増していることを重視。安全運動を前に徳島市などではキャンペーンを始めている。15日までの期間中、県内各地で反射材のほか、夜間運転の危険性や全席シートベルトの着用を訴えるチラシなどを配ることにしている。