全国で強風が吹き荒れた21日、徳島市内で黄砂が観測された。市中心部は黄色い砂ぼこりでうっすらとかすんだ。



 徳島地方気象台によると、午前4時ごろから視界が低下し、同10~11時には3・5キロになった。午後、徐々に回復した。23日に再び観測される可能性があるという。



 21日は全国各地で黄砂が観測された。気象庁によると、特に西日本で浮遊量が多く、静岡県御前崎、津、奈良、鹿児島、那覇各市で視界が一時的に2キロ未満になった。



 選抜高校野球が始まった兵庫県西宮市の甲子園球場は薄いもやがかかったような状態となった。



 ◎“春の嵐”連休直撃 県内空の便2便欠航、全国で交通に乱れ



 3連休中の21日、「春の嵐」が列島を直撃した。徳島県内も終日、風が強く、徳島市で午前3時14分、最大瞬間風速26・4メートルを記録した。徳島-東京線の空路など全国で交通機関が乱れたほか、共同通信のまとめでは40人が重軽傷を負った。



 気象庁によると、日本海で発達した低気圧の影響で全国的に風が非常に強くなった。午前5時前に千葉市で38・1メートル、東京都江戸川区で35・2メートルの最大瞬間風速を観測した。10分間の平均風速の最大値を示す最大風速は北海道旭川市で24・6メートルに達し、1918年に観測した従来の記録を92年ぶりに更新。同市を含む全国7道県の26地点で、最大風速が観測史上最大を記録した。



 徳島県内では、日本航空の徳島-東京線上下2便が欠航したほか、上下4便の出発が最大で約1時間40分遅れ、約1300人の足が乱れた。全国的に黄砂も観測され、強風と相まって羽田と各地を結ぶ路線を中心に日航と全日空で計110便以上が欠航、約1万7千人に影響した。



 JR瀬戸大橋線は午前5時ごろから瀬戸大橋で規制値(風速25メートル)を超えたため、特急や快速マリンライナーなど計32本が運休、部分運休し、計38本が最大で約2時間45分遅れた。首都圏ではJR京浜東北線などが一時、運転見合わせ。北海道では新千歳空港を発着する快速など約200本が運休、8万人以上に影響が出た。



 神奈川県では午前4時ごろ、民家の屋根を補修していた相模原市の男性(59)が転落して胸の骨を折るなど2人が重傷を負ったほか、20人が軽いけが。旭川市の「よつ葉乳業」では牛乳パックの収納ケースが崩れて下敷きになった男性(53)が重傷を負い、札幌市や福島県相馬市でも転倒などでけが人が相次いだ。



 奈良市の世界遺産・春日大社の境内では21日朝に表参道沿いのスギが倒れ、そばの石灯籠(どうろう)が壊れているのが見つかった。東京都江東区の東京ヘリポートや京都市南区の阪神高速では工事用の足場が崩れた。香川県内では電線が切れ、約1600戸が一時停電した。