ソチ冬季五輪ノルディック複合ノーマルヒル個人(12日、ルスキエ・ゴルキ・ジャンピング・センター)王国復活ののろしだ。前半飛躍(HS106メートル、K点95メートル)で2位につけた渡部暁斗(25)=北野建設=は、後半距離(10キロ)でエリック・フレンツェル(25)=ドイツ=と首位争いを展開し、銀メダルを獲得。今大会の日本勢で3人目のメダリストとなった。かつて荻原健司らを擁して団体で2個の金メダルを取った日本だが、個人のメダルは1994年リレハンメル五輪銀メダルの河野孝典以来5大会ぶり。渡部暁はエースとして18日の個人ラージヒル、20日の団体でもメダルを狙う。


 全力で疾走した壮絶な一騎打ち。残り300メートルを切ってから引き離されたが、渡部暁は死力を尽くした。4秒2差の2位。右腕を高く突き上げてゴールすると、そのまま倒れ込み、ソチの青空を見上げた。熱い体を純白の雪が冷やした。

 「プレッシャーがあったけど、自分のパフォーマンスができた。金を狙って勝負をかけたけど実力不足。でも、すごくうれしい」

 前半飛躍は100・5メートルで2位の好位置。2・5キロのコースを4周する後半距離はトップのフレンツェルからわずか6秒差でスタートした。すぐに追いつき、マッチレースへ。走力はこの4年間強化してきた。残り1キロからの仕掛けは決まらなかったが「悔いはない」とすがすがしかった。

 長野・白馬村に生まれ育ち、スキーに触れるのは自然だった。運命を変えたのは小学3年時に地元で行われた長野五輪。ジャンプ団体の金メダルに心が震えた。「最高の盛り上がりを感じたことで、世界一になりたいと思うようになった」。3歳下の弟・善斗とともにジャンプに夢中に。距離にも適性を見いだされ、中学から本格的に複合に取り組んできた。

 学生時代は実力トップと認められながらも優勝できなかった。「暁斗はシルバーコレクターだな」。コーチや周囲からはそう言われた。五輪での初メダルも銀色。「定位置に収まりました」と笑うが、今回の銀メダルは意味合いが違う。世界一に近づいた証しだ。

 2009年世界選手権で日本の14年ぶりの団体金メダルに貢献したが、個人ではノーマルヒルにしか起用されず33位。栄光の陰で悔しさを味わい、飛躍と距離のフォームを見直し、トップ選手に仲間入りした。

 暁斗という名前に込められた意味がある。「暁(あかつき)、日が出てくる、花開くというような意味合いを込めて」。父の修さん(58)はそう願った。自宅には大切に飾られた写真がある。昨季のW杯オスロ大会で暁斗が2位、善斗が3位に入り、兄弟で表彰台に上がった一枚だ。五輪でその再現を夢みている。

 「ラージヒルで今度こそ金メダル、1つ上の高い表彰台にのりたい。団体戦でもチャンスはあると思う」

 世界選手権優勝2回、W杯総合優勝3回を誇る“キング・オブ・スキー”荻原健司もなし得なかった五輪個人戦でのメダル獲得。「ジャンプも走りもトップクラス」を目指す誇り高き日本のエースは、自信を胸に18日の個人ラージヒル、20日の団体戦でも金だけを狙う。

(サンケイスポーツより)


かつてオリンピックで二度金メダルを取ったノルディック複合で渡部暁斗選手が20年ぶりにメダルを獲得しました。おめでとうございます\(^o^)/


ノルディック複合はかつては前半のジャンプで先頭に立ち後半のクロスカントリーで逃げ切るのが日本の必勝パターンでしたがルール改正でクロスカントリーの比重が高まって日本勢は苦戦を強いられました。しかし、日本勢はクロスカントリーを強化し日本のエースの渡部暁斗選手が銀メダルを獲得しました。日本のお家芸が復活したといってもいい快挙かと思います。


アルベールビル・リレハンメルのノルディック複合団体で金メダルを獲得した荻原健司氏が解説で絶叫し双子の弟で健司氏と同じノルディック複合の選手でソチオリンピックテレビ東京のキャスターである荻原次晴氏がスタジオで大号泣していたのが印象的でした。


ノルディック複合日本勢はまだラージヒルや団体が控えるので頑張ってほしいと思います。