第430場(2) カーディーラー | 小説「果実な僕ら」

小説「果実な僕ら」

駆け出し脚本家の、初めての携帯小説です。
BLで始まりますが、内容は様々なヒューマンストーリー。
脚本形式なので、ご了承ください。

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あかざえもん @akazaemon_hoshi

(カーディーラー)


店員1:「いらっしゃいませ。」


つくも:「先程お電話した坂田ですけど。」


店員1:「お…ま…お待ちしておりました!

奥のお部屋にご案内致します!

少々お待ち下さい!」


ハル:「奥の部屋?

普通はこのロビーのテーブルで商談だよな。

やっぱり九十九って気づかれたのか。」


つくも:「んー、こんくらいの変装じゃダメか。」


ハル:「それはこれだけ大きいポスター貼ってあって、毎日見てたらな。」


店員2:「坂田様、九十九様、お待たせ致しました。私、店長の田中と申します。

奥のお部屋へどうぞ。」

つくも:「じゃ、最後に色は黒で決まり?」


ハル:「そうだな。」


つくも:「じゃあ、このオプションで黒の見積もり出して貰えますか?

必要書類揃えてあるんで、できれば今日契約したいんですけど。」


店員2:「九十九様のお知り合いから、お金を頂戴していいのか…。

本社に確認を取りますので、しばらくお待ち下さい。」


(5分後)


店員2:「お待たせ致しました。

九十九様からのお金は受け取れない、との回答でした。」


つくも:「いや、買わないとちょっと意味がなくて。」


店員2:「そう言われましても…私では…。」


つくも:「じゃ、社員割引価格にして貰えたら嬉しいです。」


店員2:「か、確認して参ります!」


ハル:「困らせてるなぁ。」


つくも:「ちょっとだけワガママ聞いてもらおうよ。オプションほぼフルで付けたし。」


店員2:「大変お待たせ致しました。

本社から、5割引ということで承諾を得ました。決してそれ以上は頂くなとの事ですので、ご理解頂けないでしょうか?」


つくも:「ありがとうございます!

じゃ、それでお願いします。

一括で払うので、最終見積もり金額を教えて下さい。」



(つくもの車の中)


ハル:「うーん、よかったのかなぁ。」


つくも:「せいぜいたくさん乗って、街に宣伝して(笑)

納車も年内予定だから、次回の出張には間に合いそうだし。」


ハル:「だな。」


くしゃ


ハル:「ありがとな。」


つくも:「運転中に危ないよ。」


ハル:「まだエンジンかけてないから、いいだろ。」


つくも:「その…嬉しい…?」


ハル:「もちろんだ!

俺も4月8日までに金貯めるよ!」


つくも:「お金はいらないから、アイデアに期待してる。」


ハル:「わかったよ(笑)」


つくも:「おめでとう。」


ハル:「ありがとう。」



(仁と大輔が局面を迎えている時、つくもとハルは幸せを分かちあっていた。)