第406場 新宿のカフェ | 小説「果実な僕ら」

小説「果実な僕ら」

駆け出し脚本家の、初めての携帯小説です。
BLで始まりますが、内容は様々なヒューマンストーリー。
脚本形式なので、ご了承ください。

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あかざえもん @akazaemon_hoshi

【第406 新宿のカフェ】


(104 13:00頃)


エレア:「悪い、遅くなった。」


かお:「大丈夫だよ。

朝が遅いの苦手だからお昼からにしたんだけど、早かった?」


エレア:「帰るのが深夜だから、どうしても起きるのは辛くてさ。ずっと寝てたいくらいだ。」


かお:「エレアらしいね。」


エレア:「話があるって?」


かお:「うん。

あのね、太一君に告白されたの。」


エレア:「そうなの?!」


かお:「うん、それで付き合おうと思う。」


エレア:「太一は真っ直ぐで良い奴だから、いいと思うぜ。」


かお:「うん。その真っ直ぐさに救われてる。」


エレア:「俺は幸せにしてやれなかったけど、太一に幸せにしてもらえよ?」


かお:「そんなこと言わないで。

エレアとの時間も幸せだった時もあるから。

でも太一君と前に進みたいと思う。」


エレア:「俺が言うのもなんだけど、応援してる。」


かお:「それでね、エレアとお揃いだったピアスと指輪とネックレス、太一君に預けたの。」


エレア:「太一に?」


かお:「前に進むためには持ってると進めない気がして。でも僕には捨てることはできないから、太一君に預かって貰うことにした。」


エレア:「そっか。それも一つの方法じゃね?」


かお:「だからエレアもお揃いだった物、処分して欲しい。

エレアも新しい恋人いるんでしょ?」


エレア:「ああ、いるよ。

そうだな。俺も前に進まないとだな。

わかったよ。どう処分するかは考えるけど、俺も前に進むように努力する。」


かお:「エレアも幸せになってね。」


エレア:「おう!お互い幸せになろうな!」



(15:00 エレアの家)


カパッ


エレア:「箱にしまいこんでたけど、処分するって約束したしな。

俺も怜に預けるってのも手だけど、怜に負担負わせたくないしな。

なんかいい方法。」


(思い出の品を眺める)


エレア:「捨てるのも、な

そうだ。ネックレスはブランド品だし、オークションに出すか!

誰かに使って貰えれば、少しは救われるだろ。

ピアスと指輪は安物だけど、1円でもいいから出品すればいいか。」


エレア:「インスタ映えならぬ、オークション映え!」


カシャッ


カシャッ


カシャッ


エレア:「こんなもんかな?

あとはオークションサイト。

メルカリが流行ってるけど、メルカリと同時にヤフオクにも出すか。」


(エレア、オークションサイトに登録する)


エレア:「よし!完了!

どうか買い手が付きますように!」


ピコーン


エレア:「早っ!

あ、やっぱりネックレスね。

即決価格にしてるから、これでOKだよな?」


ピコーン


エレア:「おっ!指輪とピアスも買い手が付いたか?!

ピアスはダイヤが売れたのか。

ガラスの指輪と天然石のピアスは難しいか?」


ピコーン


エレア:「おお!買い手が付いた!

短時間で全部買い手が付いたのは、俺も前に進めってことだよな?

1円からで出品して、かおには悪いけど、使ってくれる人がいれば救われるよな!

やべっ!

出勤準備しねーと!」



(かおが過去から前に進もうとしている時、エレアもまた過去に区切りを付けた。)