【第406場 新宿のカフェ】
(10月4日 13:00頃)
エレア:「悪い、遅くなった。」
かお:「大丈夫だよ。
朝が遅いの苦手だからお昼からにしたんだけど、早かった?」
エレア:「帰るのが深夜だから、どうしても起きるのは辛くてさ。ずっと寝てたいくらいだ。」
かお:「エレアらしいね。」
エレア:「話があるって?」
かお:「うん。
あのね、太一君に告白されたの。」
エレア:「そうなの?!」
かお:「うん、それで付き合おうと思う。」
エレア:「太一は真っ直ぐで良い奴だから、いいと思うぜ。」
かお:「うん。その真っ直ぐさに救われてる。」
エレア:「俺は幸せにしてやれなかったけど、太一に幸せにしてもらえよ?」
かお:「そんなこと言わないで。
エレアとの時間も幸せだった時もあるから。
でも太一君と前に進みたいと思う。」
エレア:「俺が言うのもなんだけど、応援してる。」
かお:「それでね、エレアとお揃いだったピアスと指輪とネックレス、太一君に預けたの。」
エレア:「太一に?」
かお:「前に進むためには持ってると進めない気がして。でも僕には捨てることはできないから、太一君に預かって貰うことにした。」
エレア:「そっか。それも一つの方法じゃね?」
かお:「だからエレアもお揃いだった物、処分して欲しい。
エレアも新しい恋人いるんでしょ?」
エレア:「ああ、いるよ。
そうだな。俺も前に進まないとだな。
わかったよ。どう処分するかは考えるけど、俺も前に進むように努力する。」
かお:「エレアも幸せになってね。」
エレア:「おう!お互い幸せになろうな!」
(15:00頃 エレアの家)
カパッ
エレア:「箱にしまいこんでたけど、処分するって約束したしな。
俺も怜に預けるってのも手だけど、怜に負担負わせたくないしな。
なんかいい方法…。」
(思い出の品を眺める)
エレア:「捨てるのも、な…。
そうだ。ネックレスはブランド品だし、オークションに出すか!
誰かに使って貰えれば、少しは救われるだろ。
ピアスと指輪は安物だけど、1円でもいいから出品すればいいか。」
エレア:「インスタ映えならぬ、オークション映え!」
カシャッ
カシャッ
カシャッ
エレア:「こんなもんかな?
あとはオークションサイト。
メルカリが流行ってるけど、メルカリと同時にヤフオクにも出すか。」
(エレア、オークションサイトに登録する)
エレア:「よし!完了!
どうか買い手が付きますように!」
ピコーン
エレア:「早っ!
あ、やっぱりネックレスね。
即決価格にしてるから、これでOKだよな?」
ピコーン
エレア:「おっ!指輪とピアスも買い手が付いたか?!
ピアスはダイヤが売れたのか。
ガラスの指輪と天然石のピアスは難しいか?」
ピコーン
エレア:「おお!買い手が付いた!
短時間で全部買い手が付いたのは、俺も前に進めってことだよな?
1円からで出品して、かおには悪いけど、使ってくれる人がいれば救われるよな!
やべっ!
出勤準備しねーと!」
(かおが過去から前に進もうとしている時、エレアもまた過去に区切りを付けた。)