ウィンター・ホリデー 坂木司
先日読んだばかりの「ワーキング・ホリデー」の続編。
今回は前作から更に登場人物も増え、更に賑やかな様相。
新キャラのバイト、大東君は登場時はいかにもな今時の若者で印象が悪かったが、
ここは坂木さんの作品。なんだかんだでやっぱり根はイイヤツ！
同じく初登場の進くんの友達コウタ。
進くんとは対照的なお馬鹿キャラだが、小学生らしい楽しいヤツ。
子供の成長は早いというが、前作よりも進くんの「お母さん」度がアップ。
そしてこの物語が読んでいて楽しいと思えるのは、
子供の周りの大人達の人間的な成長もそこはかとなく読み取れる点。
宅配便ドライバーとしても、息子の父親としても、
著しくレベルアップしているヤマトの描写にワクワクするし、
別れた由希子に対して前向きになる部分は純粋に応援したくなる。
その由希子にしても、今回の話しを境に大きく変わりそう。
そして今回は最も成長したと思えるナナちゃんの姿が印象深い。
前作も今作もタイトル通りのホリデー状態だった彼女が、
長い休みから解放されて、自ら踏み出した一歩が素晴らしい。
しかしどの登場人物もみんな魅力のある愛すべきキャラではあるが、
やっぱりジャスミンが群を抜いてカッコイイ。
彼女の名言は心に残る。
このシリーズ是非是非続けていただきたい。