ロマンス 読書感想 | 家具 通販 赤や 竹田のブログ

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柳 広司さんの「ロマンス」を読みました。


ロマンス 柳 広司

昭和8年の華族社会を舞台にしたミステリ。
華やかな浪漫溢れる雰囲気がありながら、
華族社会の閉塞感と当時の階級社会の不条理さが、
壊れそうな危うい世界を予感させる。
史実では数年後に起こるはずの二二六を連想させる不穏な空気が漂う。

主人公清彬はこの社会で不自由なく暮らす華族ではあるが、
外国人の血が混ざった異端児。
幼少を外国で過ごし、何ヶ国語も話すことができ、射撃の腕前も超一流。
だが、この血に重きをおく華族社会においては不純物以外なにものでもない。

この悲壮感漂う主人公の叶うことのないロマンスがテーマかと思いきや、
タイトルの「ロマンス」はもっと別のものでした。

この退廃した行き詰った世界の全てを根底から覆そうとする、
清彬のトンデモ計画は読んでいて興味深い。
それぞれが夢見たロマンスの終着点が切なく胸を打ちます。

期待したミステリ色の濃いような物語りではなかったので若干消化不良。
やっぱり著者の「ジョーカーシリーズ」のようなのが自分は好みです。



今年もそろそろ
このミステリーがすごい!
が刊行される時期ですね~!

今年は色々と忙しくてあまり本を読めなかったのですが、
読んだ中では去年末に読んだ

米澤穂信さんの「折れた竜骨」が断然面白かったですね!

ランクインするかな~?