七人の鬼ごっこ 三津田 信三
表紙を見てもわかるように、三津田 信三さんの
刀城シリーズにも代表されるホラー色の強いミステリ小説。
導入部からなかなかオカルト的な様相だが、
ストーリーの進み方はなかなか現実的。
思ったよりもホラー色はいつもより薄めだが、
やっぱりたくさん人が死ぬ。
それぞれ登場する人物像がしっかり描かれていて、
みんな色々と悩み苦しみながら生きている様子。
思わずこの人は死なないでくれ!と思う人が多数。
(結局死んでしまう人が多いんですけど…)
最後は怒濤の推理で畳み掛けられかなり圧倒されました。
僅かではあるが最後は幾つかの疑問が解消されなかったのが心残り。
7人目が誰なのかは気になります。
「生命の電話」に掛かってくる一本の電話が全ての始まりとなっていますが、
この「生命の電話」についてよく知らなかったので、
なかなか勉強になった。
自分が如何にこういった方向に目を向けずにのうのうと幸せに暮らしているのかを実感。
そして悩み苦しんでいる人を善意だけで支えている人々がいるという事実が身に染みました。