前回のあらすじ!

 

 予定より遅く、予想よりも早く産まれそうなひつじベビー。

 一足早く病院に向かっていた母からの連絡を受け、

 急いで病院に向かうひつじ。

 果たして、出産に間に合うことができるのか。。。

 

 

 

3/28 13時過ぎ 病院

 

ひつじ到着。

スーツ姿のまま分娩室に行くと、妻がフリースタイルのベッドに腰掛け、隣に助産師と母が寄り添っていました。

 

促進剤を打ってから、すぐ陣痛が来たらしく、今も短い間隔で来ているとのこと。

 

すでに妻は、あまり言葉を話さず、ただ

 

「う゛ぅ゛っ」

 

と時折呻いていました。

 

母は、促進剤を打つ前から見舞ってくれていたらしく、陣痛が来てからは腰をさすってくれたり声をかけてくれていたらしい。

 

素直に感謝。

 

 

 

3/28 13時半頃

 

到着後、妻はじきに仰向けになり、いよいよ本格的にお産に入る。

私は、隣で手を握ったり、お茶を上げたり、汗を拭いたりしてあげるだけで、獣医なんて、男なんて、なんの役にも立たないなぁと実感させられます。

 

何度か、横向きになったり仰向けになったりを繰り返しながら、いきみ、休みを続けました。

 

 

そして、

 

 

助産師 「ほら、頭が見えてきた!」

 

この言葉に私の中では、見てみたいという好奇心と、謎の恐怖心が入り乱れます

 

ただ、ひょいっと覗きにいけるような雰囲気では到底なかったので、引き続き手を握って待機。

 

 

そして、

 

 

助産師 「さぁ、そこまで頭来てるよ!」

 

 

それ、さっきも言ってませんでしたっけ??

 

 

しかも、同じ言葉がその後3分おきくらいに繰り返されました。

顔と口には出しませんが、腹の中で笑ってしまった。

 

 

 

 

ところで、驚いたのが、

 

助産師 「大丈夫?頑張れる?」

 

と聞かれた妻が

 

妻 「大丈夫・・・だけど、いきむのを堪えるが辛いです。」

 

と答えたこと。

 

てっきり、いきむときに力が入って辛いのかと思っていたが、どうやら助産師の合図に合わせていきまなければならないので、それまで堪えているのが本当に、大変とのこと。(後で聞いた話です)

 

その頃の私は、おへその辺りを見ながらいきむ(腹筋トレの姿勢。)ように、妻の頭をもちあげてたりしてます。

 

やってること小っさ!

 

 

 

そうこうして、出たり入ったり、いきんだり休んだりを繰り返すうちに医師が到着。

いよいよ、ひつじベビーの誕生に備えます。

 

 

 

同日 14時半

 

1時間の激闘の末、ついにひつじベビーが産まれます。

 

 「ぃぃあ、ぃあ、ぃあーー!」

 

おぎゃーというより、武藤敬司のプロレスLOVEポーズのような産声をあげながら、元気に出てきてくれました。

室内に、ほっとした空気が流れます。

 

 

んで、

 

助産師 「じゃぁ、へその緒切るから、パパさん、はさみ持って。」

 

 

・・・ ・・・

 

私 「 ふぁッ!?  °°( □ ;)」

 

 

 

まったく聞いてなかったので、さすがにビビりました。

 

 

「へその緒は切らなくても自然に切れるのに任せて、断面の消毒だけしっかりしておけば問題ないというのが、現在の一般的な認識であるからして・・・」

という牛のお産的な言い訳を考えているうちに、有無を言わさぬ勢いではさみを渡され、赤ちゃんのそばへ。

 

 

 

なんて、小さくて、可愛くて、力強く泣いているのだろう、この子は。

 

 

などと感動する間もなく、

 

助産師さんの厳しい指導が入ります。

 

 

 

助産師 「はい、ここ切って。」

 

私 「こ、ここ?」

 

助産師 「違う違う、もっと左。そこ。

     はさみを動かす以外のことは何もしないでね。

     はい切って。」

 

 チョキン。

 

 

 

 

獣医師とはなんと使い物にならない職業なのだろう(´・ω・`)

 

 

 

無事、へその緒を切った後は、胎盤が排出されます。

 

出てきた胎盤は、そそくさと片付けられたので、マジマジとみることはできませんでしたが、牛の胎盤とも豚の胎盤とも違っていて(←当たり前だ。)、あわや

 

「ちょ、ちょっと写真撮らせてもらってもいいですかね」

 

とか言い出してしまいそうになりました。

たぶん、ホントに言ってたら一生嫌味を言われたんだろうな…

 

しかし、うーん。やはり今でも気になります。

もう少しじっくり見たかった。

 

 

 

 

 

 

そして、ひととおり検診と片付けが終わったのちは身体測定したりカンガルー抱っこしたりして、緩やかに時が過ぎていきます。

 

結局、分娩室から病室に帰ったのは19時過ぎてからのことでした。

 

 

 

~続く~(次で最後です。)