ちっとも更新していませんが読んでくださる方がいるようで嬉しく思います。
気がつけば8月も終わりに近づいていて時間が瞬く間に過ぎ去ってゆく。
ふと己が手をみやると皺くちゃで、鏡の前に立つとそこには禿頭の老人があり。
「大した人生じゃなかったな」などと独り言ちていそうです。
その時私はどのようなアイドルを推しているのでしょうか?
今年のある夏の日に、推して居たアイドルが卒業をしました。
毎週のように会いに行って居たので、卒業公演を経た現在でもまるで実感が湧きません。もう会えないんだと信じられないのです。
瞬く間にときは流れ五月も半ば近く。
気がつけばゴールデンウィークも終わっていました。
相変わらず私は、親戚の娘が所属するアイドルグループの
ライブにに足繁く通っています。
ライブにに足繁く通っています。
素性を隠して。
ヲタさんは少しずつ増えてはいるものの、
現場に行ってチェキの一枚でも撮れば認知余裕な状況。
すっかり、おまいつさんとも顔見知りになり
己の正体を明かせにくくなる一方。
具体的なイベント内容などを書けないのが辛いところであります。
最近、推しの田所さんに嫌われているのではないか?
と思うこともありますが、気のせいだと思いたいです。
尚、「あいの奴隷」は去年末を舞台としております。
更新遅くってごめんなさい。
第2章 「接触編」-あいの奴隷 ③ 石鹸の匂い
(嫌なもの見ちゃったなあ・・・・)
Chu-ing-gumステージが終了し、階段下の喫煙所でタバコを吸いながら
私は独り言ちた。
(アイドルかぁ・・・・・。業の深いものだな。)
若い身空でステージの魅力に取り憑かれ
潮時を誤り婚期を逃し、現在に至ったものだろうか?
私は弥生の叔母で私の従姉妹に当たる寛子さんの事を思い出した。
寛子さんは美人で、私より10歳程歳が上。
私が少年の頃は「親戚の美人のお姉さん」であり
親戚の集まりで顔を合わせると照れくさかったし
石鹸のいい匂いがしたのを未だに覚えている。
寛子さんは某美大に通っていたと記憶している。
彼女の学生時代は小劇場ブームだったこともあり
学生劇団に所属していた。
その頃か、若い舞台俳優と駆落ち同然で家出をして
実家に連れ戻されるという事件が起きた。
その当時、私は中学生だったが、
酔っ払った父が母相手に酒の肴に話していたのを良く覚えている。
紆余曲折あって現在。
寛子さんは50を過ぎて未だ独身で実家住まいである。
Chu-ing-gumと寛子さん、そして弥生の身の上が
三重に私の心を暗く覆う。
厳しそうな叔母(弥生にとっての祖母、寛子さんにとっての母)だが
弥生がアイドルになることについて反対はしなかったのだろうか?
ただでさえ、芸能に関しては寛子さんのことがあったのに・・・・
娘の仇を孫で晴らす・・・・そういった気構えがあるのだろうか・・・?
「あの・・・さっきはありがとうございました」
「へっ?」
私は突然話かけられて拍子抜けな声を上げた。
振り返るとそこには、小太りと、痩身の眼鏡。
Chu-ing-gumヲタ二人組が居た。
※「ぽろり アイドル」で検索して当ブログにたどり着く方が一定数いらっしゃいますが
なんかごめんなさい。「ぽろりの介」がひっかかるんだねきっと。
-------------------------------------------------------------
親戚の娘さんがアイドルになったらしいよ!
第2章「接触編」
~都内某ライブハウスから、近況などを
定期ライブの平均ヲタ数20程度の地下現場
そんなミニマムな場所に身を置き
おまいつのツイッターを毎晩掘っている暇などなかったはずだった。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
気がつけば3月。
地下は気が病むとは誰が言ったか身に染みている。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
接触は蜜の味。
キャパ500~1000人規模のアイドル現場で一人きりで楽しんでいた頃が
一番良かったのかもしれない。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
アイドルとヲタクが繋がる。(演者とそのファンが交際する意)
供給過多のアイドル業界において、日々散見される案件だ。
Twitterなどで見かけるたび(ここのヲタさんは気の毒なことだな)
と思ったりするものだが。
もっと厄介な繋がりがある、それは血の繋がり
私の親戚の娘である山村弥生は地下アイドルをやっている。
お恥かしい話だが私には10代の終わりに漫才師になりたいと
本気で思っていた時期があった。
ある師匠に弟子入りを志願し、
2年ほど師匠の事務所の電話番と鞄持ちをしていたことがある。
日常的に兄弟子から厳しい可愛がりを受けたことを昨日のように思い出す。
弥生がアイドルを志したこと、その立ち振る舞い、ブログ記事などを見ていると
昔の自分に重なる部分が多々ある。
「あぁ、俺に似てるとこあるなぁ」と思うし
同属嫌悪というか、見ていて本当に嫌になることがある。
厄介だなぁ血。
因果は廻るのか?
でも弥生と同じグループの田所知代ちゃんが大好きになっちゃったので
通うの止められないだよなあ!
―あいの奴隷 ② 深淵
ステージが始まった。
Chu-ing-gumのメンバーは4名
それぞれ赤、緑、橙、青の「ふまれたらくっつく」とプリントされたTシャツを着ている
スポットに照らされた彼女達の顔は矢張り老けていて
橙色のメンバーなどは(ひょっとして30歳過ぎてるんじゃないの?)と思わせる。
なんというか・・・・化粧のノリが悪い。
その日のイベントはスタンディングで最大100名程のキャパシティーの会場だったが
フロア最前列には背が低く小太りな若いヲタクと、
痩身で眼鏡をかけた30絡みとみられるヲタクの二人のみで、
フロア後方には私を含めて4名。
最終組にして寂しい客入りであったが、地下のイベントは大抵このようなものらしい。
はじめて聴くが聴いたことがあるような曲に合わせて
最前のChu-ing-gumヲタクはリズムを刻み
フロア後方の客を巻きこもうと気炎を吐く。
(といっても全部で6人しかいないんだけど)
ふたりのヲタクの熱に引き寄せられて最前に近づいた私は
一曲目の2コーラス目Bメロで、PPPHに合わせて飛んだ。
Chu-ing-gumはこの日のステージで4曲を披露した。
(どんな曲だったかはあまり覚えがないが)
最後の曲のサビの部分で、ステージ上のChu-ing-gumのメンバーが
人差し指を客席に向かって出して、ヲタクと指先を重ねるといった振付があった。
BiSのnerveであったなら最前付近は圧縮になるのだが
この時のChu-ing-gumの最前にはコアなヲタク2名と、私しかいなかったので
Chu-ing-gumのメンバーよりヲタクのほうが少なかった。
小太りのヲタクは赤いメンバーと、痩身眼鏡ヲタクは青のメンバーと
それぞれ指先を合わせる。
(どうすんだ・・・どうすんだ)と見よう見まねで人差し指を出した私に
緑のメンバーと橙のメンバーが同時に指を付けてきた。
間近に観る緑のメンバーの表情はどこか疲れ果てていて場末のホステスを連想させたし
橙のメンバーは前述の通り一番老けて見えたが、瞳孔は開いていてその瞳は深淵を思わせた
そこには夢だとか希望だとかは一切なかった、なにかが在るとすれば業だけだと思った。
この時私は(アイドルが怖い)と初めて感じ、背筋がぞっとした。
なんかごめんなさい。「ぽろりの介」がひっかかるんだねきっと。
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親戚の娘さんがアイドルになったらしいよ!
第2章「接触編」
~都内某ライブハウスから、近況などを
定期ライブの平均ヲタ数20程度の地下現場
そんなミニマムな場所に身を置き
おまいつのツイッターを毎晩掘っている暇などなかったはずだった。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
気がつけば3月。
地下は気が病むとは誰が言ったか身に染みている。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
接触は蜜の味。
キャパ500~1000人規模のアイドル現場で一人きりで楽しんでいた頃が
一番良かったのかもしれない。
(田所ちゃんに嫌われたくない田所ちゃんに嫌われたくない)
アイドルとヲタクが繋がる。(演者とそのファンが交際する意)
供給過多のアイドル業界において、日々散見される案件だ。
Twitterなどで見かけるたび(ここのヲタさんは気の毒なことだな)
と思ったりするものだが。
もっと厄介な繋がりがある、それは血の繋がり
私の親戚の娘である山村弥生は地下アイドルをやっている。
お恥かしい話だが私には10代の終わりに漫才師になりたいと
本気で思っていた時期があった。
ある師匠に弟子入りを志願し、
2年ほど師匠の事務所の電話番と鞄持ちをしていたことがある。
日常的に兄弟子から厳しい可愛がりを受けたことを昨日のように思い出す。
弥生がアイドルを志したこと、その立ち振る舞い、ブログ記事などを見ていると
昔の自分に重なる部分が多々ある。
「あぁ、俺に似てるとこあるなぁ」と思うし
同属嫌悪というか、見ていて本当に嫌になることがある。
厄介だなぁ血。
因果は廻るのか?
でも弥生と同じグループの田所知代ちゃんが大好きになっちゃったので
通うの止められないだよなあ!
―あいの奴隷 ② 深淵
ステージが始まった。
Chu-ing-gumのメンバーは4名
それぞれ赤、緑、橙、青の「ふまれたらくっつく」とプリントされたTシャツを着ている
スポットに照らされた彼女達の顔は矢張り老けていて
橙色のメンバーなどは(ひょっとして30歳過ぎてるんじゃないの?)と思わせる。
なんというか・・・・化粧のノリが悪い。
その日のイベントはスタンディングで最大100名程のキャパシティーの会場だったが
フロア最前列には背が低く小太りな若いヲタクと、
痩身で眼鏡をかけた30絡みとみられるヲタクの二人のみで、
フロア後方には私を含めて4名。
最終組にして寂しい客入りであったが、地下のイベントは大抵このようなものらしい。
はじめて聴くが聴いたことがあるような曲に合わせて
最前のChu-ing-gumヲタクはリズムを刻み
フロア後方の客を巻きこもうと気炎を吐く。
(といっても全部で6人しかいないんだけど)
ふたりのヲタクの熱に引き寄せられて最前に近づいた私は
一曲目の2コーラス目Bメロで、PPPHに合わせて飛んだ。
Chu-ing-gumはこの日のステージで4曲を披露した。
(どんな曲だったかはあまり覚えがないが)
最後の曲のサビの部分で、ステージ上のChu-ing-gumのメンバーが
人差し指を客席に向かって出して、ヲタクと指先を重ねるといった振付があった。
BiSのnerveであったなら最前付近は圧縮になるのだが
この時のChu-ing-gumの最前にはコアなヲタク2名と、私しかいなかったので
Chu-ing-gumのメンバーよりヲタクのほうが少なかった。
小太りのヲタクは赤いメンバーと、痩身眼鏡ヲタクは青のメンバーと
それぞれ指先を合わせる。
(どうすんだ・・・どうすんだ)と見よう見まねで人差し指を出した私に
緑のメンバーと橙のメンバーが同時に指を付けてきた。
間近に観る緑のメンバーの表情はどこか疲れ果てていて場末のホステスを連想させたし
橙のメンバーは前述の通り一番老けて見えたが、瞳孔は開いていてその瞳は深淵を思わせた
そこには夢だとか希望だとかは一切なかった、なにかが在るとすれば業だけだと思った。
この時私は(アイドルが怖い)と初めて感じ、背筋がぞっとした。
気がつけば年が明け2月になっていました。
そして40歳になりました。四十路突入です。
私の職は建築業で、消費税導入前の駆け込み需要があり
その影響で年末から仕事が忙しく、
あまりアイドルの現場にも行けず
年が明けてから行った現場といえば・・・
1月1日 アプガ元日決戦
1月3日 アイドル甲子園
1月4日 川越クリアーズフリーライブ → 初期衝動Vol.12
1月5日 ウタ娘定期ライブ2部
1月13日 川越クリアーズフリーライブ
いや、結構行ってんじゃねぇか。
休みのない日々で身体もまいっている状況です。
もっと言うと、息子がインフルエンザにかかりました。
しんどいぜ。
忙しいながらも仕事の合間に親戚の娘が所属するグループ(HANA☆∞)の
定期ライブなどにも足を運んでいます(妻にばれたら殺されるやつ)
HANA☆∞にも動きがありました、
黄色の子(原田柚葉)の辞める辞める詐欺
弥生(私の従兄弟の娘)の生誕イベント
新曲発表など。
30人未満の現場では、数回行けば演者もさすがに顔を覚えるようで
「ぽろりの介さん今日もありがとうございます!」
なんて田所ちゃんに言われたりします。
ワーイ!
もうすこし忙しい日々が続きそうです。
皆様もお風邪などお召しにならぬようお気をつけください。ご自愛を。
そして40歳になりました。四十路突入です。
私の職は建築業で、消費税導入前の駆け込み需要があり
その影響で年末から仕事が忙しく、
あまりアイドルの現場にも行けず
年が明けてから行った現場といえば・・・
1月1日 アプガ元日決戦
1月3日 アイドル甲子園
1月4日 川越クリアーズフリーライブ → 初期衝動Vol.12
1月5日 ウタ娘定期ライブ2部
1月13日 川越クリアーズフリーライブ
いや、結構行ってんじゃねぇか。
休みのない日々で身体もまいっている状況です。
もっと言うと、息子がインフルエンザにかかりました。
しんどいぜ。
忙しいながらも仕事の合間に親戚の娘が所属するグループ(HANA☆∞)の
定期ライブなどにも足を運んでいます(妻にばれたら殺されるやつ)
HANA☆∞にも動きがありました、
黄色の子(原田柚葉)の辞める辞める詐欺
弥生(私の従兄弟の娘)の生誕イベント
新曲発表など。
30人未満の現場では、数回行けば演者もさすがに顔を覚えるようで
「ぽろりの介さん今日もありがとうございます!」
なんて田所ちゃんに言われたりします。
ワーイ!
もうすこし忙しい日々が続きそうです。
皆様もお風邪などお召しにならぬようお気をつけください。ご自愛を。
親戚の娘さんがアイドルになったらしいよ!
第2章「接触編」
―都内某ライブハウスから、あらすじと近況
もうすぐ40歳になろうとしている妻子持ちで中年の私は、
数年前にももクロがきっかけでアイドルのライブに通うようになっていた。
2013年10月。従兄の娘、山村弥生が地下アイドルとしてステージに
立っていることを知り、地下アイドルの現場にも弥生の様子を観に
月に2~3回程度通うようになっていた。
弥生が所属するのはHANA☆∞(はなまる)というグループで5人組。
弥生は、親戚の私が定期的にライブを観に来ていることは知らない。
親戚がステージを観に来ることは弥生にとって、気恥しいことだと想像するし
親戚ヲタは他のヲタにとって腫れものと感じさせる気がする。
今のところは血縁者であると伝えないほうがいいと考えている。
2013年12月某日はじめてHANA☆∞と握手をした。
推しの田所ちゃんはいい子だった。
不器用ながらも愛想がいい。
冬であるし、少しくらい太っててもおじさんは全然構わない!
顔がパンパンなのも歓迎だ!
でも、ブログに甘いものを食べている写真しかないのはどうかなぁとも思うんだよね・・・
HANA☆∞みんないい子!
《私はアイドルとの所謂「接触」というのがどうも苦手で田所ちゃんと握手する
覚悟を育てるのにあと3年ぐらいかかりそうだからです。》
などと前回は書きましたが、覚悟いらなかった!
良く考えたら他の推しグループとは30回以上握手してるんだった!
親戚の娘に金を払って握手をする。
なんとも歪んでいると我ながら思ったものだが。
HANA☆∞はなかなか推せるグループだ。
グループ存続のために少しはお金を落とさないとね。
―あいの奴隷 ① 足もとに気をつけろ
十数組のグループが集う地下アイドルイベントでは
HANA☆∞のような小規模の地下アイドルにもそれなりにヲタがついていて
ライブ中には推しのアイドルを最前列で応援し
他のアイドルが目当てのヲタを鼓舞する。
目当てのアイドルのステージが終了すると
最前のヲタは、後列のヲタに頭を下げ「ありがとうございました」と
礼をするのが通例のようで
それを受けて後列のヲタは拍手をする。
私はそういった場に清々しさを感じたものだし
気持ちの良いものだった。
しかし中には悲しいかなヲタが1~2名、あるいは全く居ないアイドルもあって
最前列にヲタが居ない寂しいステージも存在する。
Chu-ing-gum(ちゅーいんがむ)というアイドルグループをはじめて見かけたのは
とあるアイドルイベントの物販テーブルだった。
5~6組のアイドルを休みなしに観て、声を出し、腕を振り上げ、
時にいい加減に振りコピし、ヲイヲイ言い、テキトーにMIXを打ち、
フッフーフワフワ言い、汗も適度にかいたので休憩をしようと
バーカウンターでビールを注文し、喫煙所向かう途中でのことだった。
時間は21時に近かった。
目当てであったHANA☆∞のステージ及び物販は既に終了しており、
イベントはあと数組のステージを残すばかりとなっていた。
バーカウンターの対面に4つほどの長机が設置されていて
ステージを終了したアイドルがそれぞれ物販を行っていた。
そのなかの一組にChu-ing-gumはいた。
Chu-ing-gumのメンバーはそれぞれ違う色のTシャツを着ており
Tシャツの中央に「ふまれたらくっつく!」と殴り書きの文字がプリントされている。
(随分平均年齢高そうなグループだな・・・・あんなグループ出ていたっけ?)
ふまれたらくっつく!・・・か。踏まないように気をつけなければな。
くっつかれたら大変そうだ。粘っこそうだもの・・・・
失礼ながらそれがChu-ing-gumの第一印象だった。
一般的に興行の後半に出るグループは格が高いものだが
十数組ものグループが出演するアイドルイベントではその限りではない。
ヲタは目当てのグループのステージ、あるいは物販が終わると
イベントの終演を待たずに帰ってしまうものが多く、
21時を超えると18歳未満の演者は舞台に立てない。
(業界においての暗黙のルールなのか?法的には22時まで大丈夫なはずだが)
したがって21時を過ぎて出演する面子は全員18歳以上で
見たところ成人して数年を過ごしている演者も珍しくないと思われ、
フレッシュ感を欠く。
もちろんロリコン層もいなくなる。
地下アイドル現場に限って言えば、長丁場の最終組は、
客数が極端に少ない場合が往々にしてあるようだ。
Chu-ing-gumはイベントの最終組だった。
ステージに出る前に先行で物販を行っていたのだ。
(どうせだから最後まで見ていこう)
次の日が休日であり、この日も一人で来ていた私は
終演まで見ていくことにした。
Chu-ing-gumのステージが始まろうとしていた。
第2章「接触編」
―都内某ライブハウスから、あらすじと近況
もうすぐ40歳になろうとしている妻子持ちで中年の私は、
数年前にももクロがきっかけでアイドルのライブに通うようになっていた。
2013年10月。従兄の娘、山村弥生が地下アイドルとしてステージに
立っていることを知り、地下アイドルの現場にも弥生の様子を観に
月に2~3回程度通うようになっていた。
弥生が所属するのはHANA☆∞(はなまる)というグループで5人組。
弥生は、親戚の私が定期的にライブを観に来ていることは知らない。
親戚がステージを観に来ることは弥生にとって、気恥しいことだと想像するし
親戚ヲタは他のヲタにとって腫れものと感じさせる気がする。
今のところは血縁者であると伝えないほうがいいと考えている。
2013年12月某日はじめてHANA☆∞と握手をした。
推しの田所ちゃんはいい子だった。
不器用ながらも愛想がいい。
冬であるし、少しくらい太っててもおじさんは全然構わない!
顔がパンパンなのも歓迎だ!
でも、ブログに甘いものを食べている写真しかないのはどうかなぁとも思うんだよね・・・
HANA☆∞みんないい子!
《私はアイドルとの所謂「接触」というのがどうも苦手で田所ちゃんと握手する
覚悟を育てるのにあと3年ぐらいかかりそうだからです。》
などと前回は書きましたが、覚悟いらなかった!
良く考えたら他の推しグループとは30回以上握手してるんだった!
親戚の娘に金を払って握手をする。
なんとも歪んでいると我ながら思ったものだが。
HANA☆∞はなかなか推せるグループだ。
グループ存続のために少しはお金を落とさないとね。
―あいの奴隷 ① 足もとに気をつけろ
十数組のグループが集う地下アイドルイベントでは
HANA☆∞のような小規模の地下アイドルにもそれなりにヲタがついていて
ライブ中には推しのアイドルを最前列で応援し
他のアイドルが目当てのヲタを鼓舞する。
目当てのアイドルのステージが終了すると
最前のヲタは、後列のヲタに頭を下げ「ありがとうございました」と
礼をするのが通例のようで
それを受けて後列のヲタは拍手をする。
私はそういった場に清々しさを感じたものだし
気持ちの良いものだった。
しかし中には悲しいかなヲタが1~2名、あるいは全く居ないアイドルもあって
最前列にヲタが居ない寂しいステージも存在する。
Chu-ing-gum(ちゅーいんがむ)というアイドルグループをはじめて見かけたのは
とあるアイドルイベントの物販テーブルだった。
5~6組のアイドルを休みなしに観て、声を出し、腕を振り上げ、
時にいい加減に振りコピし、ヲイヲイ言い、テキトーにMIXを打ち、
フッフーフワフワ言い、汗も適度にかいたので休憩をしようと
バーカウンターでビールを注文し、喫煙所向かう途中でのことだった。
時間は21時に近かった。
目当てであったHANA☆∞のステージ及び物販は既に終了しており、
イベントはあと数組のステージを残すばかりとなっていた。
バーカウンターの対面に4つほどの長机が設置されていて
ステージを終了したアイドルがそれぞれ物販を行っていた。
そのなかの一組にChu-ing-gumはいた。
Chu-ing-gumのメンバーはそれぞれ違う色のTシャツを着ており
Tシャツの中央に「ふまれたらくっつく!」と殴り書きの文字がプリントされている。
(随分平均年齢高そうなグループだな・・・・あんなグループ出ていたっけ?)
ふまれたらくっつく!・・・か。踏まないように気をつけなければな。
くっつかれたら大変そうだ。粘っこそうだもの・・・・
失礼ながらそれがChu-ing-gumの第一印象だった。
一般的に興行の後半に出るグループは格が高いものだが
十数組ものグループが出演するアイドルイベントではその限りではない。
ヲタは目当てのグループのステージ、あるいは物販が終わると
イベントの終演を待たずに帰ってしまうものが多く、
21時を超えると18歳未満の演者は舞台に立てない。
(業界においての暗黙のルールなのか?法的には22時まで大丈夫なはずだが)
したがって21時を過ぎて出演する面子は全員18歳以上で
見たところ成人して数年を過ごしている演者も珍しくないと思われ、
フレッシュ感を欠く。
もちろんロリコン層もいなくなる。
地下アイドル現場に限って言えば、長丁場の最終組は、
客数が極端に少ない場合が往々にしてあるようだ。
Chu-ing-gumはイベントの最終組だった。
ステージに出る前に先行で物販を行っていたのだ。
(どうせだから最後まで見ていこう)
次の日が休日であり、この日も一人で来ていた私は
終演まで見ていくことにした。
Chu-ing-gumのステージが始まろうとしていた。