ジャンプボールはリュウとカズ。
『リュウ、お前、ジャンプで勝てなかったらあとで殺る。』
『ケイト、口悪いって。なんで俺の周りの女って、みんな口悪いんだろ…』
リュウに俺達なりに声をかける。
「カズ、失敗してもフォローいれるから安心しな。」
「そうだよ。カズとうちらは仲間なんだから。そんなに緊張せず、楽しもう。」
空とユウもカズに声をかける。
「俺は仲間を信じとるさかいな、絶対に負けへんで。」
『あ~、なんかウミっていつも楽しいこといっぱい持ってくるなぁ。ウミが仲間だと常に楽しいからな。』
中央に立つ2人は少し考えが違っているみたいだ。
そんな2人はボールと共に飛び上がった。
手を上げた2人の高さはほぼ互角。
わずかにパワーで勝ったのはリュウだった。
『ウミ、行け!!』
『言われなくても分かってるよ。』
キャッチしたボールは間髪入れず、すでにゴールに入っていた。
『『ナイス、海。』』
俺は2人にピースする。
「やっぱり、海はすごい。でも、こっちのチームはこれからや。」
カズの声がどこからか聞こえた。
3日にわたって行われた予選は、とうとう最後の試合を残すのみとなった。
『やっぱり、来たか。』
「日本人の本気を見せたるさかいな。」
リュウとカズ。
『よく決勝まで来れたよね。』
「前に負けた借りはかえさせてもらう。」
ケイトとユウ。
『空、この大会で随分レベル上がったんじゃないか?』
『うちは海なんかには負けない。絶対勝つからね。』
俺と空。
それぞれがコートに立ち、にらみ合う。
決勝に残った俺達を応援するために、たくさんの人がコートの周りに集まっている。
『試合終わったら、うちの店でパーティーしてやるからな。』
先輩の笑い顔。
『チビ。負けんじゃねぇぞ。』
MJのよく響く声。
『ウミちゃん、今日もステキ!!』
ちょっと耳障りな黄色い声も、俺の気持ちを高ぶらせてくれる。
『珍しく緊張でもしてるのか?』
『ウミが試合前に緊張なんてするわけないじゃん。』
カラカラと笑うケイトに、俺は笑う。
『楽しみなんだ。空達との試合。』
俺の言葉に、2人は頷いた。
『MJ、優勝候補がこんなとこで予選敗退かよ。』
『うっせぇ、チビ。』試合終了後、俺はMJの元に向かった。
空達を相手に、MJ達は5点しかいれる事が出来なかった。
『んな殺気出すなよ。チームメイトまで近寄れなくなってるぞ。』
『あ?チビは来てるだろ。』
『俺は、そういう空気読めないんでね。俺達のチーム以外に初めて負けたMJを励ましに来たんだよ。』
『励まし?けなしに来たんじゃないのか?』
『ばぁーか。精一杯試合して、負けたチームけなして、何が楽しいんだよ。俺はそういうの趣味じゃないからな。』
『はっ。チビらしい。』
試合が終わってから初めてMJが笑った。
チラッと他の2人のメンバーを見ると、MJが笑うのを見て、少しほっとした表情になったのがわかった。
『MJ。日本人をなめてかかったら痛い目みるって言っておいただろ。』
『あいつ、お前にそっくりな奴、プレーまで一緒だから驚いた。』
『だって、俺らドッペルゲンガーだからな。』
『そういうもんか?』
『そういうもんだよ。』
そう言って、顔を見合わせて俺達は笑った。
『やっぱり、チビにはかなわねぇな。今年も優勝しろよ。』
『サンキュ。』
MJと俺はニッと笑った。