読み終えたので感想を。
オーウェルの処女作で本人の浮浪者生活を元に書いた作品。
パリでの調理場の現場の様子。お互いの怠慢を非難し合って能率を維持するとか地獄かよ。あとは芸術と清潔さは関係ないとか料理は注文であって時間内に仕上げること。「客なんか知るか、うるせえ!」
俺の研修先でもここまでは酷くなかったが似たようなものだった。唾のくだりとかソースを指で味見するのとか。綺麗に盛られた芸術品のような料理でも見えない不潔さがあらゆるところに混じっているのが一度でもフランス現場に入ったことがある人はよくわかるだろう。
「慈善を受ける者は、必ずと言っていいほど、与えてくれる人間を憎むものだ」
フランス留学中友達と街を歩いていて浮浪者がいると友達が小銭を浮浪者にあげて「俺、ああゆう人みるとほっとけないんだ」と言っていたけどあの浮浪者たちも友人を憎んだのだろうか。でも、実利はあるわけで浮浪者もそれがほしくて座っていたわけだし、友達も自己満足出来てWINWINだったんだろうなあ。
多くの人が浮浪者を労働をしようとしない怠け者と思ってると思うけど彼らも法律やそれぞれの理由によって一般的な生活水準や仕事を持っている人たちからすると嫌悪感や忌避されるところまで落ちてしまったからであって同じ一国民であることを忘れないようにしたい。多くの人が生きるために働いてるのであって彼らも生きるために物乞いをしたり缶を集めたりしているわけで大きな括りでいえばそれも仕事と言っていいんではないかとも思う。
自分の体験と重ねて読める小説でもあったからとても面白かった。
オーウェルいいなあ。オーウェル作品は全クリしたい。
