大谷女子大が博物館一般公開 生涯教育の場に期待 ハイテク機器も設置/大阪

1999.10.20 大阪夕刊 15頁 写有 (全863字) 












 大阪府内の大学で初めて十六年前に博物館相当施設に認定された大谷女子大学(富田林市、左藤恵学長)の旧資料館が、五階建ての大学博物館に生まれ変わって開館、一般公開が始まった。来春から新設される文化財学科の教育・研究・調査の拠点的な機能も担う。



 文部省が進めている大学博物館構想に沿って学内の教育施設を博物館に格上げする事業は、一部の国立大学などで実現しつつある。しかし、欧米の大学博物館のように、生涯教育の場として社会に開かれるなどの活動はまだ不十分だ。



 このような中、大谷女子大では旧資料館時代から、春秋の特別展示や公開講座のほか、富田林市・中野遺跡(弥生時代)や和歌山市・砂羅之谷(さらのたに)窯跡群、兵庫県加古川市・札馬(さつま)窯跡群、福岡県大野城市・牛頸(うしくび)窯跡群(いずれも古墳時代など)といったさまざまな遺跡の調査を行ってきた。



 新設された大学博物館もこれらの活動を引き継ぐとともに、新たに蛍光エックス線分析装置や考古地磁気測定装置などのハイテク機器を設置し、より精度の高い調査を手がける。また、AV編集室や映像展示室、恒温恒湿保管庫なども備えている。広さは延べ二千二百八十平方メートル。



 所蔵資料は旧資料館の考古学関係をはじめ、付属図書館の古文書や大谷女子短大生活文化学科の中近世衣料などを加えて数千点になった。現在催されている開館記念展示「東アジアの造形(1)」では、中国の蔓(つる)草花鳥文八稜銀杯(唐)や紅陶馬俑(よう)、加彩人物俑(漢)などが公開されている。



 開館式に出た泉森皎・奈良県立橿原考古学研究所付属博物館長は「大学博物館は、例えば隣の韓国でもいかに充実させるかが大きな課題になっており、将来は日本でも、図書館と並んでその大学の質を問われる中核的な役割を受け持つようになるだろう」と期待を寄せていた。(坪)



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 開館記念展示は十一月十二日まで。日曜・祝日は休館。入館無料。



写真=大谷女子大学博物館の開館記念展示で公開されている「加彩人物俑」




読売新聞社