大阪芸大、女子駅伝部を創設 “全入時代”PR本腰

[ 2009年01月10日  大阪夕刊  スポーツ面 ]

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 未来のアーティストを養成する大阪芸術大(大阪府河南町)に、芸術系大学では前例のない女子駅伝部が創設された。実業団の元コーチが監督に就任し、将来の全国大会出場を目指して練習に取り組んでいる。同大では昨年度からスポーツ推薦入試を導入。少子化に伴う大学全入時代を迎え、これまで“守備範囲”ではなかったスポーツでの知名度アップに本腰を入れ始めた。



 (細井伸彦)







 「腕振りがQちゃんに似てるよ」。金剛山系をのぞむ河南町のキャンパス。中瀬洋一監督(40)はある部員が走る姿を、かつて指導したことのあるシドニー五輪女子マラソン金メダリスト、高橋尚子さんのそれに重ね合わせた。



 中瀬監督は昨春まで、強豪の三井住友海上でコーチ、マネジャーを歴任。北京五輪マラソン代表の土佐礼子や一万メートル日本記録保持者の渋井陽子らとともに駅伝日本一を3度経験。以前所属した積水化学では高橋さんを指導した実績を持つ。



 近年、女子駅伝に力を入れる大学は増えている。駅伝はテレビ中継された場合、大学名が大きく入ったユニホームを着た選手が画面に映る時間が長く、広告効果が抜群なのも、大学にとっては魅力が大きいといわれている。また野球やラグビーなど、メジャーな大学スポーツが多い男子に対し、女子は競技の選択肢が少ないのも理由のひとつだ。



 昨年10月に仙台で行われた全日本大学女子駅伝に初出場した松山大(松山市)は7月に創部したばかり。2005年覇者の名城大(名古屋市)は活動開始11年目で全国の頂点に上りつめた。優勝争いの常連となった佛教大(京都市)も、強化に乗り出して10年に満たない。



 関西大も駅伝重視を掲げる一校だ。昨年度から女子の中長距離を最重点強化クラブに指定。900万円の助成金を割り当て、選手勧誘にも力を入れ始めた。さっそく昨秋の全日本大学女子駅伝に初出場し、松山祥子選手(1年)が1区で区間賞を獲得。同大の杉崎正明スポーツ振興課長は「予想を上回る結果。校友、学内からの反響も大きかった」と声を弾ませる。



 大阪芸大のスポーツ推薦入試は、アメリカンフットボールやサッカーなど22種目が対象。その中で女子駅伝部が唯一、学費全額免除の重点競技種目に指定されている。塚本邦彦学長は「アートも駅伝も、コツコツと積み重ねていくという意味では同じ。学生たちが活躍できる場をつくろうと思った」と話す。同部創設の裏には、学内を元気づけようという意図もある。



 ただ大阪芸大の試みは始まったばかり。昨年度はスポーツ推薦での入部者はおらず、部員は3人。それでも今春には、全国高校駅伝経験者2人を含む4人が入部する予定で、メンバー6人が組める見込みだ。中瀬監督は千葉・市船橋高3年時に全国高校駅伝で優勝経験があり、「選手、スタッフとして日本一になった。今度は監督として優勝したい」と意気込んでいる。







 ◆駅伝は大きな宣伝効果



 スポーツジャーナリストの増田明美さんの話 「駅伝でアピールすることは大きな宣伝効果がある。最近、大学生の女子長距離ランナーが確実に力をつけてきているが、多くの大学が駅伝に力を入れていることが強化につながっているのだろう」



(産経新聞引用)