「おい、雅紀。そんなことしたらビックリするだろ!」
リビングに入るなり、潤に抱きついた雅紀。
「可愛い弟」
雅紀はそう口では言っているが、雅紀も潤の事、気に入ったみたいだ。
・・・多分、好きになった・・・と思う。
今まで、好きになった人は、全くタイプの違う人ばかりだった俺達。
だけど、何となく・・・双子の勘とでも言うのか・・・
雅紀は、潤の事、好きになったと思う。
多分、俺と同じレベルで一目ぼれだ・・・これは。
俺達は、二卵性だから、見た目は全く違う。
親父似の俺と、お袋似の雅紀。
だから、苗字が同じで、住所が同じで・・・え?兄弟?
何度も顔を見比べて、そう言われるくらいだ。
4月に入り、親父が再婚した。
そして・・・潤が家に引っ越してきた。
今までは、自分の部屋が無かったらしく、勉強机やベッド、本棚などを、親父たちと楽しそうに買いに行っていた。
「俺も本棚でかくして。」
そう伝えて、俺は生徒会の仕事の為に登校すると、帰宅時には、部屋に新しい本棚が置かれていた。
持ち帰ってきて、親父と潤が組み立てたと、新しいお袋が嬉しそうに教えてくれた。
・・・もう、すっかり家族だな。
2階にある4つの部屋に、俺達それぞれの部屋が用意され、1つ空いた部屋は、物置になった。
まぁ、殆どが、雅紀が貰ったトロフィーと、俺の読んだ本だけど。
そして、1階の奥の部屋が、親父たちの部屋となった。
それ以外に、1階には、リビングダイニングキッチン。
それと和室がある。
風呂とトイレは、1階と2階それぞれにあるから、これからも困る事は無さそうだ。