そんなある日。
俺にとって、今世紀最大の難問がやってきた。
「智、こちらは櫻井さん。」
「お、おう。」
「初めまして、櫻井翔です。」
確かに会うのは初めてだ。
だが・・・櫻井の話は、耳にタコができるほど、潤から話を聞いている。
この男・・・
スタイル抜群。
顔もイケメン
潤曰く、成績優秀、スポーツ万能、生徒会長で生徒からは慕われ、優しいようだ。
そう、こいつが潤の初恋の相手。
それも、高校時代の話だ。
だけど、潤はまだその初恋を引きずっている。
それも知っている。
だが、どうしてその初恋の君が、この店に?
高校を卒業して、櫻井とは違う大学へ進んだ潤。(本人談)
だから、学校では会えないとぼやいていたこともある。
それ以来、会えていないと言っていたはず。
「先日、俺の友人が、誤認逮捕されて、起訴されてしまったんです。その彼の弁護を松本に依頼したんです。」
櫻井の説明に、ちょっと引っ掛かる文言。
「彼の弁護を・・?」
友人って言ってるが、その彼とは、櫻井の恋人ってことか?
そいつの弁護を、潤にさせたのか?!
何てひで―奴だ。
だけど、そう思っているのは俺だけの様だ。
「先輩、これお通しです。」
「おおっ、あさりの酒蒸しじゃないか。」
「あさり、好きですよね?」
「貝類は大好物だよ。」
「よかった。」
潤の目が・・・ハートだよ。
ん?櫻井の顔も、デレてるぞ!?
おい、いつの間に?
大丈夫なのか?!