高校の頃、学校で必須のボランティアのプログラムがあって
週一回、脳に障害がある人たちが住む 病院を訪問してた
そこにいる人達は みんな大人で体も大きい
脳に障害を持っているから 会話ができない
いきなり大きな声で叫んだり
急に走り出したり
通りすがりにいつも叩いてくる人もいた
毎週通っている内に 自然と特定の人と一緒にいるようになった
その人は ベットに寝たきりで 手の指も自分で自由に広げられなくて
声も動物の鳴き声のような音しか出せない
体も時々しか洗ってもらえないのか 病人特有のにおいがしてた
でも、いつも 火曜日の午後会うときは 笑顔で迎えてくれた
声にもならない様な音で 喜んでくれた
その人は 表情とその音から 感情表現することができた
手を握ってあげると 一生懸命 自由には動かせない指を 広げようとしてくれた
会うときは 傍に座って 自分が一方的に話してやるだけで
どんな話でも どんな言葉でも きっと意味が通じないと思っていたから
適当に話していた
嬉しそうに話すと 嬉しそうにしてくれて
悲しそうに話すと あの人も悲しそうな表情で聞いてくれた
誰にご飯を食べさせてもらうの?
誰がトイレに連れて行ってくれるの?
いつからここに住んでいるの?
去年は誰と話していたの?
自分は
何かあなたのためになることが できていますか?
好きで病院に来てるわけじゃないことを話した
一年後はもうこないし その後 ずっと戻ってくることはないことも伝えた
何もしてあげられないのに
あの人は毎週火曜日のあの時間
あの時の自分に
いろんな事を ゆっくり考える時間を与えてくれた