雨である。
古い紙類を整理していたら、こんな歌屑がでてきた。
そうだった、二匹だった。
仲良く戯れるということは最期までなかったが、まだ期待をもって見ていた頃のうたである。

二匹は十一年あまりを一緒にすごしたが、一匹がこの正月に逝った。
飼い主の寂しさが癒えることはこの先もなかろうが、残された猫の空しさも時折の仕草にみてとれる。
そんなものだ。
ある空間を占めていたものがなくなったとき、その隙間は、何ものにも埋めることはできないのであろう。

雨はまだ止みそうもない。