今年も春になり、4月から新卒社員が弊社に入社してきてくれた。嬉しい限りだ。毎年、私が新入社員である彼ら彼女たちに言っている言葉がある。
「仕事が本当に楽しくなるのは、何年か経った後だよ」と。
私もそうだったが、若いうちは「本当に自分はこの仕事が向いているのか」、「もっと違う仕事の方が自分に向いていて、転職した方がいいのではないか」という悩みを持つことが多い。
しかし本来、仕事未経験な新卒社員に最初から「向いている仕事」などあるのだろうか。
むしろプロの世界に飛び込み、最初のうちは自信を無くし、なかなか思うように仕事を通じて自己効力感を得られない日々が続く。こちらの方が一般的だと思う。
1万時間の法則というのがある。プロになるには1万時間が必要という法則だ。1万時間を1日8時間で割ると、1250日かかる。休みの日などを引いて考えると、4,5年といったところか。
偉大なスポーツ選手は、長い時間かけて練習に打ち込み、世界の頂点を目指す。あのイチローも3歳の時に、はじめておもちゃのバットとボールを買ってもらい、その日から寝る時も離さなくなったと言う。
こう考えると、本当に市場価値があると言える仕事というのは、そんな簡単に身につくものではなく、少なくとも4,5年は腰を据えてやり切ることが大事なことがわかる。
むしろ1万時間以内に自己効力感を得られるような仕事ならば、その仕事が本当に今後の自らのビジネス人生において「強み」として発揮するかを疑問視した方がいいだろう。1年やそこらで天井が来る仕事ならば、それは市場価値の高い仕事とは言えないからだ。
会社経営も日々他社と競争し自社の強みを磨き続けているなら、個人も膨大な数のビジネスマンたちと個々で競争しているのだ。
新卒社員のみんなには、まずは最初の仕事を4,5年かけて「これが私のキャリアだ」、「この分野なら一番自分が詳しく、得意なのではないか」と胸を張って言えるくらいの専門性を身につけて、お客様からの評価、そして社内からの評価を通して仕事の自己効力感を強く感じてもらいたい。
