鹿児島名物「しろくま」と言うアイスを
食べたおかげで、
幸せヽ(●´Д`●)ノで~す!
では、
第七回目(`・ω・´)ゞスタートです!
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今回一連の講座は、
演奏に悩み過ぎないための方法です。
今まで多くの方のお話を聴いてきましたが、
その中で最も多い悩みは、
どうすれば「素晴らし演奏」になるか
どうすれば「素晴しい表現」や
「豊かな表情」が作れるか、
と言った意見が多いのですが、
なかなか答えにたどり着かない
現状があります。
また、一生懸命演奏してるのに
報われないとか、
心を込めたのに、
反応がイマイチ。
と言う事も、先の見えない状況を作っています。
そこで、この講座では、
まずは、音楽をもっとシンプルに捉えて、
割り切って練習する事で、
気楽に上達を目指したいと思っています。
今回の「表情と表現1」では、
これまでの講座も含め、
問題点を一旦整理したいと思います。
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前提として西洋音楽の基本的な考え方は、
次の3つの役割で成り立っています。
「作曲」 - 「演奏」 - 「鑑賞享受」
作曲作品を演奏して表現する事から、
音楽は、再現芸術と呼ばれています。
この3つの立場を理解する事は
大切ですが、
それぞれ、別の役割になるので、
全ての責任を一人で担う感覚を持つと、
悩みは大きくなってしまいます。
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さて、音楽とは一体何かと言うと、
音を使った表現方法のひとつで、
音以外の文字であらわすと文章になり、
数字で表現すると数学になります。
もっと幅を広げると、
小麦粉で表現した場合はパンになり、
柱で表現すると家になります。
つまり、この世で何かを表現するためには、
必ず光(文字・絵)や音(音楽・通信)、
物質(材料・原料等)を使うという事で、
仕組みは同じと言えます。
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まずはわかりやすく、
「家」を例に考えてみましょう。
●家を建てたり、借りたりするのは、
お客さんです。
お客さんは自分の家に対して、
「幸せ」「感動」「大空を舞う感じ」など、
様々な感想を持ちます。
●では、実際家を作る大工さんの立場で
見てみましょう。
大工さんは、お客さんの感覚とは
全く違う作業をしています。
「土地の面積」「柱の本数、寸法、材質」「納期」など、
数字で割り切れる世界で考えています。
●次は、家を建てたお客さんの反応で、
悪い反応はどう言ったものかと言うと、
「不親切」「心がこもってない」などになります。
●この時の感想は何を指すかと言うと、
建付けの悪さや、家の傾きなどですが、
具体的には寸法や本数などが
間違っているという意味になります。
●では、何に対して正しいか、
間違っているかと言うと、
それは、設計図になります。
●では、大工さんにとって
何が難しいかと言うと、
それは、精度になります。
●ものつくりは、
精度が高くなるほど、完成度が増し、
その精度をお客さんに喜んでもらう事が、
大工さんの目標であり喜びとなります。
大聖堂や寺院仏閣は、
究極の完成度の高い建築物で、
芸術と呼ばれます。
この流れを踏まえて、
他の世界も覗いてみましょう。
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[ジャンル][基準] [作り手] [問題] [作り手の喜び]
パン レシピ コック 分量が違う 精度を楽しんでもらう
家 設計図 大工 寸法が違う 精度を楽しんでもらう
舞台 シナリオ 役者 言葉が違う 精度を楽しんでもらう
音楽 楽譜 演奏者 音符が違う 精度を楽しんでもらう
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このように、どのような世界でも、
精度を高める事で、
芸術と呼ばれる世界が生まれます。
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~音楽を他の世界と比較する。~
いきなりこんな事を言われても、
「え?」っと不思議な感覚に
なると思いますが、
先ほどの「家と大工さん」の文章を、
「音楽(家)と演奏家(大工)」と言う言葉に
そのまま差し替えてみましょう。
●音楽聴いて楽しむのは、
お客さんです。
お客さんはその音楽に対して、
「幸せ」「感動」「大空を舞う感じ」など、
様々な感想を持ちます。
●では、次に実際音楽を演奏する
演奏家の立場で見てみましょう。
演奏家は、お客さんの感覚とは
全く違う作業をしています。
「音程Pitch」「テンポTempo」「音量db」など、
数字で割り切れる世界で考えています。
●次は、音楽を聴いたお客さんの反応で、
悪い反応はどうかと言うと、
「不親切」「心がこもってない」などになります。
●この時の感想は何を指すかと言うと、
音程やテンポのズレですが、
正しく演奏されていない意味になります。
●では、何に対して正しいか、間違っているか
と言うと、それは、楽譜になります。
●では、演奏家にとって何が難しいかと言うと、
それは、精度になります。
●ものつくりは、精度が高くなるほど、
完成度が増し、
その精度をお客さんに喜んでもらう事が、
演奏家の目標であり喜びにつながります。
交響曲や協奏曲は、
究極の完成度の高い音楽で、芸術と呼ばれます。
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~コンクールで求められるもの~
そう考えると、ジャンルに限らず、
コンクールで審査員が求めているものは、
精度と言う事になります。
精度の高い物は上位を目指せます。
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~感想の意味と順番の差し替え~
このように、お客さんは精度(技術)の
結果(集大成)に対して、
感想を持つという事です。
音楽も同様に、高い精度の結果を聴いて
「壮大な響き」や「大空を舞う映像」が
思い浮かび、感動を覚えますが、
自分が演奏する時、
結果(感想)を優先し、後から精度を求めるのは、
逆になり、それは出来ません。
感動的な家を作った後から、
柱を組み立てる事が出来ないのと同じです。
高い精度を目指した結果、
感動的な音楽が生まれる方向へ、
視点をシフトする事で、
効率的な上達を目指す事が出来ます。
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もちろん、一生懸命演奏したから、
感動してもらえた。
と言う経験は誰でもあると思いますが、
この意味は、
一生懸命演奏した事で、
音楽の精度が高まったと言う事です。
心を込めて演奏したと言う場合も、
精度の高い演奏に向けて心を込めた
と言う事になります。
間違いやすいのは、
一生懸命さえやればいい。とか、
心さえ込めれば良い。
と言う考えです。
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これを、最初に紹介した
「音楽が成り立つために必要な3つの要素」と
照らし合わせると、
例) ブラームス作曲 交響曲第一番ハ短調
●作曲者=ハ短調のIの和音を、楽譜に書く。
↓
●演奏者=正しい音程とテンポ、バランスで演奏する。
↓
●鑑賞享受=「ブラームスのハーモニーには重みがある。」など、
感想を持つ。
この流れは、矢印のように一方通行になります。
演奏者の悩みの多くは、
演奏 ← 鑑賞 のように、
矢印が逆方向を向いている事で
生まれています。
~逆向きに考えた場合~
「ブラームスの和音は重いから
重い響きで演奏したい。
どうして、重たい響きにならないんだろう?」
と、悩む事もあると思いますが、
楽器から出る音は重くなりません。
理想の重い響きが生まれないのは、
音程やテンポ、バランスのズレによって、
ハーモニーが濁っている事が原因になります。
もちろん前提として
自分が交響曲を演奏している
自覚は必要ですが、
現実的に重い音を出す事は、
出来ないのです。
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~まとめ~
大切なのは、
「音楽とは?」と考えた時、
自分がどの立場で音楽を捉えているかを
明確にする事です。
この視点が曖昧になると、
「とは言っても」「そうだとしても」
「そうとは限らない」など、
あっちこっちの立場に視点が切り替わり、
更に悩みは大きく、複雑になってしまいます。
この講座の考え方は、
一見ドライな考えに見えるかもしれませんが、
まずは、楽譜に忠実な演奏を心がける事が、
より効率的に、より良い演奏への近道になります。
では、次回金曜日は、
「表情と表現2」 に進んで行きたいと
思います。
本日もご清聴いただき
(`・ω・´)ゞありがとうございます!