「オッパーッ!?」

「チェギョン・・・か?」

「うん!そうだよっ。久し振りだよね。どうしてここにいるの?」

久し振りに会った実家のお隣に住むテギョンにーさん。

久し振りに見た彼はスーツ姿だった。

「今日は営業で学校に来たんだ。」

何時ものように彼から頭をなでられて、ニコニコ顔の私。

「皇太子は上妃は上手くやってるか?俺は物凄く心配したんだぞ。オテンバチェギョンがそんな凄い人と結婚するなんて、黙って俺と結婚すれば良かったのに。」

「まったーーっ!冗談ばっかし。オッパは私の事全然かまわなかったくせに。」

「ばれたか。」

二人で笑い合いながら職員室に向かった。

「じゃあ、オッパーっ!お仕事頑張って」とチェギョンは手を振った。

「じゃあ、チェギョンも嫁さん頑張れよっ。」とチェギョンの頭を撫でた。

二人の横の扉が突然開き、山のように高い人物がいた。

168センチのチェギョンと、182センチのテギョン氏の二人に187センチの魔王が見下すように立っていた。

「ひーーーーーッ!」チェギョンは突然の魔王の登場に目が見開く。

テレビで見た事しかない、皇太子が目の前にいて驚くテギョンは、チェギョンの頭の上に手を置いたまま間抜けな顔をしている。

状況がよく分からないカレだが、二人に近づきチェギョンの腕を引っ張り二人を離した。
「シン君!この人私の実家の隣のテギョンさんなのよっ。」

カレに挨拶をさせようとチェギョンは言ったが、カレはまだテギョンを黙って見ていた。

っ言てうか睨んでいた。

カレの後ろでチェギョンはカレの背中を叩いたりして、挨拶させようとまだ頑張っているけど。

そのカレは一言も言わない。

むしろチェギョンの事をテギョンから見えなくさせるように、後ろに隠していく。

そんな二人の様子を見ていたテギョンは思わず笑ってしまった。

「チェギョン、俺もう仕事しないと。じゃあな皇太子様。俺の可愛いチェギョンの事よろしくお願い致します。」職員室に入っていった。

「もうーーっ!シン君!オッパに挨拶してくれなかった。酷いよっ」背中を叩きつける。

カレは私を見下ろしながら手を掴み、空いている教室に入っていった。

「何でここにはいるの?」と私はカレに聞く。

「ねえーーっ?シン。君。」

机に座って深い溜息をつくカレ。

私はカレが言うのを待っていた。

「さっきのは悪かった。」小さい声。

「年上の人にはちゃんと挨拶しないとダメだよっシン君」

当たり前の事をカレに言う。

下から私を見上げるカレは魔王の表情ではなく、子供のような顔。

「お前は何時もオレの事、ただのイ・シンとして接してくれる。」

「当たり前でしょうっ。私にとってイ・シンはイ・シンなんだから。あれっ?言っている意味判る?」私は慌てた。

カレは小さく笑い「判るよ、何たってオレ達夫婦だからな」

カレは机から立ち上がり、何時もの魔王の戻っていた。

そんなカレに私は背伸びをして頬にキスをする。

「もっと。」

又カレにキスをする。

カレの手は私の頭を撫でる。

「今から公務だって言って、東宮に戻るかっ?」カレは魔王の瞳で私を見る。

真っ赤になった私だけど。

「学生はちゃんと学校で勉強しましょっ!」

一人教室を出て行った。