宮殿のパビリオンのソファに座っていた私達。

皆が下がったのを合図のように、カレは立ち上がり私の手を取る。

少し冷たいカレの大きな手。

余分な肉が付いていない綺麗な指。

この指に、これから私は自分の理性が崩されるほど狂わせられる。

逃げ出すことも出来るけど、私はこの指を離すことは出来ない。

カレの部屋の扉が閉まる。

ガラス張りではなくなったこの扉。

質の良い重そうな扉。

この部屋に入ってしまうと表からは、見る事も聞く事も出来なくなってしまった。

完全な密室。

私の心臓はこの部屋に入ると、壊れそうな位に打ち続ける。

「チェギョン。」

この部屋ではカレはこの名で私を呼ぶ。

「はいっ!?」

慌てて返事をする。

「今日、ギョンから貰ったモノがあるんだ。それを今日試したんだけど、いいかな?」

カレはゆっくりと言う。

カレがこの部屋で聞いてくる時には、、私にとって良い事がない。

だって、有り得ない●●や、朝まで寝かせて貰えない。

カレのポケットからは●●●モノが出て来た。

・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

えーーーーーっと、これは・・・・・・っ。

年頃の高校生は、絶対知っていないといけないモノ。

って言うか授業でやったしっ。

でも、宮に住む私達には関係のないモノ。

ビックリ目の私に

「お前にこれつけて欲しい。」

魔王の目ではなく、照れた表情。

口を開けっ放しの私。

「チェギョン。」

カレは私の耳元に近づき呟く。

確信犯。

カレは、私がこの声に弱いのを知ってて耳元で呟く。

それでも負けずに返事をしないでいると。

「付けてくれないと、あんな事やこんな事を無理やり。」

ボソボソと呟いた。

魔王の脅しはとっても強力で

私は「付けさせてください」と大きい声で叫んだ。