宮殿に着いた車のドアを自分の手で開けて、カレは降りて行った。

車の中に一人残された私は、カレの怒りの原因が判らず、ただ手を握り締めているしかなかった。

カレの怒りは突然始まる。

機嫌良く私をからかっていると思うと、突然無表情になり私の元から去っていく。

せっかく縁があって夫婦になったんだから、仲良くしたいのに。

一人とぼとぼと東宮殿に入っていくと、いつもで迎えてくれるオネーさん達がいなかった。

不思議に思いキョロキョロ見渡していると、おじさんまでいなかった。

「みんなどこいっちゃたの・・・。」

この寂しい気持ちをオネーさん達と話をして、笑い飛ばそうと思ったのに。

仕方なく自分の部屋に入ってソファに座ってボーッとしていたが、自分がまだ制服のままなのを気付き、ブレザーを脱いだ。

突然ドアが開く。

その音にビックリした私は、ドアの前に立つ人を唖然とした目で見つめた。

「シン君。」

「ソファに座れ。」

無表情の彼の声は、私の心に重くのしかかる。

カレの言葉に従いソファに座ると、手に持っていた救急箱をテーブルに置いた。

魔王なカレに似合わない救急箱を、目を見開いて見ている私。

そんな目線も気にせずに、カレは私の右足をつかみ優しく膝の絆創膏を剥いだ。

「シン君!貼ってもらったばかりなのに。」私はカレのの行動を止めようとした。

「黙ってろ!」カレの綺麗な指は消毒液や絆創膏で、私の膝の傷を綺麗に隠した。

「今度からは、こう言う時があったらちゃんとオレを呼べ。」

いつも私を見下ろして話すカレは、私を見上げて話している。

いつもと違う表情に、私はこんな状況なのに頬は赤くなっていく。

そんな私に気がついたカレはニヤッと笑い、私に近づいてくる。

突然のキス。

今日も魔王に翻弄された私。


悔しいけど大好きです。









皆様、こんばんは。

旅行のお話です。お付き合いください。

私達夫婦は一度食べた感動するほど美味しいものを、二回目には全く感動しないという変な技を持っておりまして。

去年食べた伊丹空港のお好み焼きが、感動するほど美味しかったのに。

今年食べたら・・・去年ほどじゃないなーと。

でも、名古屋のあつた蓬莱軒は違いました。

めっちゃ二回共、感動ーでした。

美味い。何度も噛み締めて。うまいうまいと言葉が止まりません。

そして締めのわさびアイスも絶妙なわさび味で・・たまらん!

また食べに行きたいですね。