「結婚!!??」

パパが叫んだ

私とシン君以外の人は、皆目が落ちそうなくらいに驚いている

「准教授ったらーっ。なに冗談言ってるんですかー。」ケタケタとママが笑う

「ママ、本気なんだから!」

「うちのチェギョン目当てに准教授が通っているのは知ってたけど、まさか結婚って、冗談じゃないの?」

私達の真剣な顔にそろそろ冗談じゃないのが分かった

「反対だ!イ准教授。アンタには世話になったが、チェギョンの事だったら話は別だ。」

パパは私より小さいのに身長のあるシン君を思いっきり角度を上げて睨んでいた

「交際期間0日ですが、彼女とは運命を感じました。」ニッコリと笑う

「交際期間0日ってそんなドラマのような事がある訳ない。」パパは反対する。

「そうですね。ドラマじゃないですよ。」

「交際0日で、チェギョンの良さなんかアンタには分からない。」

「分かりますよ。ここのシン家の温かさで。良い父親と良い母親に育てられたチェギョンさんはとてもいい子に決まってます。」自信満々なシン君

「グっ!」痛い所を突かれたパパはよろっとこけそうになる。

「まーっ、まー。シンさん。ここは休憩しますか。」

ギョン院長は立って、パパに椅子を勧めた

パパも興奮してしまって鼻息も荒く椅子に座った。

「ようやくあの男と別れて一生独身でいるからって言ってたばかりなのに」

ボロボロと泣き始める。

「パパ、あの時は酔ってたからー。」シン君を見上げて、焦る

「もう男なんか嫌いって言ったじゃないかー。」オイオイと泣く。

「もーっ。パパったらー、ごめんなさいね。恥ずかしいところ見られたわ。」

ママがパパにティッシュを渡す

「大丈夫だって、シンの身元はしっかりとしてるし、今は准教授だが、いずれは教授だ。何も不自由させないさ。」

ギョン院長ナイスフォロー。

「それに家系図もしっかりしてるし。」

ギョン院長はタブレットを取り出し、開いて見せた。

「えっ?家系図ってネットに載るの?」わたしが聞いてしまった。

そこには、由緒正しい韓国の王達の名前が連なり、最後にシン君の名前があった

「世が世なら、シンは韓国の皇太子様だ。」

「王制制度が廃止になったんだから、今は一般人だぞ。」ギョン院長をジロリと見る

2人以外のみんなの目が見開いたまま。

「オイ、皆知らなかったのか?」無意識に皆頷く

「だからシン君の家って韓屋なんだ?」関係ないがポツリと出てしまった。

「王政制度が廃止になり、家族6人でひっそりと暮らしていたんだが、祖父祖母が亡くなったと共に、父と母は釜山へ、姉がいるんですが海外に行ってしまい、家に住んでいるのは僕だけです。釜山の出張の時に会いに行き、解除の儀式をしてきましたのでチェギョンさんとは何時でも結婚できます。」

「噂では難を逃れて、この街でひっそりと暮らしている時いたことがあったが、まさかイ准教授が皇太子様だったとは。」

さっきまで泣いていたパパは、打って変わって尊敬の目でシン君を見上げている。

パパ達世代は、王様、皇太子殿下への尊敬が厚い

「今は一般人なので、みなさんと同じですから。」

「シンほど、凄い奴はいない。チェギョンちゃん、良い男を見つけたな。」

「見つけたっていうか。」私もまだ信じられないでいる。

「じゃっ、じゃーっ。皇太子様なら、もしかしてー。」ママが恥ずかしそうに

パパもピンときたらしく

「皇太子殿下は、昔からのしきたりを」

「はい。王制制度は無くなりましたが、祖父の遺言の伝統は受け継いでいます。」

パパとママが「おー!」と叫ぶ

「何、何?教えてよー!」

ちよっとガンヒョンまで赤くなったよ。

「チェギョンちゃん、これも知らないのかー。この国の皇太子様達は」急にシン君に口を塞がれた。

「お前が言わなくても良い。」ふがふがするギョン院長を睨む

「よくぞ、この年までお守り下さいました。」パパとママが深々と頭を下げた。

「だからー、何を守ってたのよー!」私1人分からないのがじれったい。

「チェギョン、パパはこの結婚を許します!」

シン君の手を握り「チェギョンの事をよろしくお願いしますとブンブンとふる

「えっ?結婚しても良いの?」話が意外な方向に向かって驚く

「あー、こんな素晴らしいお方は中々いない。今日にも結婚しても良いよ。」

パパ、さっきの涙は演技だったの?

「チェギョン、ちゃんと良いお嫁さんになるのよ。」

ママー、私何も教わってないけど、頑張るよ

「チェギョン、頑張ってね。」ガンヒョン、まだ顔赤いよ

「さて、許しも得たがチェギョン。どうする?」ニヤリ

「話が急にいい方向に行っちゃたけど。結婚する!」シン君を見上げる

「では、皆様。このまま夜間の市役所に行って婚姻届けを出してきます。後日改めて正式に両親とこの家へ来ますので、宜しくお願いいたします。」深々と頭を下げるシン君に、私も慌てて頭を下げた






シン君の車に乗り、市役所に向かっていると

「何で皆急に結婚しても良いって言ったのかなー。」

「家に着いたら、話をするから。」

「えっ?シン君知ってるの?」

「後で。」運転しているメガネ姿のシン君を見つめ、これ以上聞いちゃダメかなと思い止めてしまった。








「本当にしちゃったね。」

市役所に行って婚姻届けを出した私達は、れっきとした夫婦になった

「何度も言うが、これはおままごとじゃないからな。」念を押すシン君

「大丈夫。だってシン君が運命を感じたように、私も運命だと思っている。」

車から降りて門の扉を開けると、韓屋の隣に家紋の付いた豪華なテントが立ててあり、玄関にオジサンと綺麗なおねーさんがいた。

「シン君。」ビックリしすぎて言葉が続かない

「イ家の執事のコンとチェだ。今日の為に釜山からやって来た。」

「初めましてシン・チェギョン様。コンと申します。坊ちゃま殿下を幼少の時からお世話させて頂いております。」

「シン・チェギョン様。私はチェと申します。必要なものなどなんなりとおっしゃって下さい。」二人共深々と頭を下げた。

「こっ、こちらこそ。宜しくお願いします」良く分かってないが、年上には逆らわない

「ところでコン。その呼び方はどうにかならないのか?」

「幼少期の時には、私が坊ちゃま殿下とお呼びいたしますと、嬉しそうに笑っていただいたのに、それを止めろとおっしゃるんですかー。」うるうると泣きそうになる。

「コン。何才の事を言ってるんだ。」

二人共淡々と話をしているのでビックリしていると

「お二人共もう、何時ものじゃれ合いはその位にしてください。奥様の可愛い目が落ちそうなくらいに見開いてます。」ニッコリと笑う美女には威厳があった。

「チェおねーさんって。若くて綺麗ですね。」

シン君がフラーッといってしまいそうに綺麗

「奥様、私もう50になろうとしております。もう恋愛は卒業しました」

察したのか、チェおねーさんは凛とした言葉を言う

「えっ?50才になるんですか?ビックリです!」まさに美魔女。

「はい。もうお話は後で。」

夕方に来た時には無かった豪華なテントにチェおねーさんは向かい、色々なものが載ったトレイを持って来た。

「シン様、これを奥様とどうぞ。イ家に代々伝わるものです。」シン君にそのトレイを渡す。

ポットとお菓子とお餅がいっぱいあった。

「では、我々はこのテントの中で待機しております。何かありましたら、直ぐにお伺いします。

では、3日間のお勤めを無事に成し遂げられますように。」2人で頭を下げた。

「わかった。」シン君はトレイを持ちながら頷いて、玄関の中に入ろうと

「え?3日間って何?それにお二人共外にずーっといるの?」

「ぼっちゃまと奥様の、お仕事大学には明日には連絡しますので、どうぞ心ゆくまで。」2人ともテントの中に入って行ってしまった。

「チェギョン、あの2人は大丈夫。」

シン君は、玄関を開けて中に入って行く。

私は慌てて追いかけて「シン君。ねー、さっきの」

居間のテーブルの上にトレイを置く。

ダウンライトの灯りだけのこの部屋は、シン君の姿を色気倍増に見せてくれる

この人が私のダンナサマ

もー―っ、信じられなーい.鼻血出そう。

「チェギョン、お出で。バスタブのやり方を教える。」

上着を脱ぎネクタイをシュッと外す姿までカッコイイ。

ベスト姿のシン君はゆっくりとベストのボタンを外しながら歩き出した

バスルームに着き、色々な説明を受けているとバスタブからお湯が勢いよく出て来た。

「蛇口じゃなくここからお湯が出るんだー。」ドラマでは見た事はあったがこんな間近で見れるなんてはしゃいでいたら。

「チェギョン、お風呂に入り体を清めてほしい。」

「僕もその後に入り体を清める。」

私は瞬時に察し頬を赤く染め「うん。」と頷いた

「では。」シン君は私のシャツのボタンを外していく

シャツを脱がしながら言う低い声にドキドキが倍増

ボタンを外している指先を見て「シン君って肌の色が浅黒いんだね。」恥ずかしいがシン君の顔を見上げる。

一枚一枚脱がされ、最後の下着が外れた時。

「チェギョンは肌の色が白い。」私の頬を撫でながら呟く

「早く入りなさい。」ポンと押された私はバスルームに入れられた。



シン君がお風呂から上がって、濡れた髪の毛をタオルで拭きながら、テーブルまで来た。

バスローブ姿の私を見て、ニッコリと頭を撫ででくれた。

「では、説明する。」

私の隣に座り、ソファの沈みに変にシン君を意識してしまいドキドキが半端ない。それに何時もはセットされていた髪型がサラサラの髪になっていて、何時もより若く見える。

「チェギョンには悪いが、思い描くような初夜ではなく、イ家に代々伝わる初夜をやって欲しい。 」

「初夜?」そんな単語を聞いたのは初めてだが、言葉の意味は分かる。

シン君と初めて迎える夜

「チェギョンに言っていなかった大事な事だが。」シン君の言葉が止まり、珍しく躊躇している

「シン君、どうしたの?」シン君のバスロープを触る

「チェギョン、王政制度は無くなったが、僕は皇太子としての教育をされて育ってきた。だからつまり・・。」

「うん、うん。つまり?」シン君なんか言いづらそう

「僕は38年間、守ってきた。」

「!」意外な言葉を聞き私の目が見開く

「皇太子は結婚するまで、○○でいなくてはならないんだ。歴史上の皇太子の中には我慢できずに○○を守れなかった皇太子達の時代は乱れ結婚も不幸な結果に終わってしまっていた。

祖父も我慢出来ずに、結婚する前に○○を失い祖母と婚姻したが、王制制度が廃止になり、代々続いていた韓国の王室を終わらせてしまった。

だから祖父が悪いことが起こらないように、僕にきつく結婚するまでは清らかな体でいなさい。と言われた」

二人の間に言葉が無く、部屋にエアコンの音が響いた

ようやく開いた私の口は「シン君みたいなイケメンが○○なんて、有り得ない。」

「確かに色々な難があった。僕も若い時には色々な女性に目がいき、女性達も僕を必要としていたが。

祖父の言葉が偉大で、それを糧に生きて来た、きっと僕には何年後には運命の人が現れる

それまでには、運命の人を幸せにする為に、この○○を守り抜かないと、多くの女性の誘いを断り続けた。」

私はシン君の手を握る

「シン君が清らかな体なのに、私は清くないよ。」ギュッと強く握る

「大丈夫。これから3日間のシキタリが始める為には、○○では無理だ。

○○のオトコが初めて38年分の欲望を、それにチェギョンが痛がるような事はしたくない。」

「でも、私の此処はシン君の望んでいるような。」ギュッと片方の手で押さえる

「大丈夫だろう、今日のうちに何度も解しておいたから。」ニヤリと笑う

夕方の秘め事を思い出し熱くなる

結婚してからこんな大事な事を言うなんて反則だと思うが、それまでにしてもチェギョンと結婚したかった。

「シン君。でも、ちゃんと言ってくれたから。」シン君の大きな手を握る

ジーっとお互いを見つめ合っていたが

「じゃあ、まずはこのお菓子と餅をお互いの口に入れ合い、最後にポットの中に入っているお茶を飲み干す。」

私とシン君はお互いの口の中にお菓子と餅を入れてあげた

そしてお茶を飲んでいると、急に体が熱くなってきた

「うん?このお茶は?」体が燃えるように熱くなり、息も荒くなっていく。

目の前にいるシン君が欲しくて、欲しくて堪らなくなってきた。

「僕の身体も熱くなってきた。」シン君の息が荒く

「シン君。」腕を伸ばしてカレを抱きしめる

「いいかい、チェギョンこれから3日間僕達は、イ家に伝わる体位で繋がり合うんだ。

僕は初めてだけど、体位は完璧にマスターしている。」シン君は私を抱き上げ隣の寝室に向かって歩き始めた。


「皇太子として育てられた僕は人前でも肌を見せる事がなかった。」シン君は自分のバスローブを脱ぎ捨て意外と細マッチョな体を私の前に表した


Ⅰ 南山の頂



2 漢江の流れ



35 仁川の夕日



36 北岳山の雪

「明日って、今日はもう4日目なの?」寝室の大きな窓ガラスから見える外は夕日が落ち暗くなり始めていた。

「あぁ、そうだ今日で3日目だ。明日には餅やお菓子、薬湯は出なくなる。」定期的にシン君は玄関に行って色々なものが入ったトレイを持ってきていた。



47 金浦の田畑









玄関の扉を開けると、チェ執事が豪華なテントの前で立っていた。

「3日間の仕来り、無事に成し遂げご苦労様でした。」深々と頭を下げる。

「奥様は起きていらっしゃいますか?」

「嫌、寝ている。ずいぶん無理をさせてしまったから、寝かせてやりたい。」

チェ執事が驚く

「ご主人様からそんなお言葉を聞けるとは、ビックリです。」

「オイ、僕は冷徹人間じゃないぞ。」

豪華なテントから、コン執事も出て来た。

「坊ちゃま殿下、お疲れさまでした。」コンもまた深く頭を下げる

「コン。歴代の王達が女子に溺れて、国を滅ぼしてきたのか漸くわかった」

「そうですか。真の大人になるのに、だいぶ時間が掛かりましたが!本当に良かったです。」

「コン、一言多いぞ。」ジロりと見る

「失礼いたしました。」ニッコリとコン執事は笑う

「でも、チェギョンを幸せに出来るのなら、僕は大事にしてきて良かったと思う。」

「ご立派な心です。では、遅い昼食の準備に取り掛かります。」チェは豪華なテントの中に入って行った

「では、我々も午後には釜山に戻ります。坊ちゃま殿下落ち着いたらご実家の方に奥様とお出で下さい。」

「ああ、分かってるって。」僕は玄関の扉を開けて寝室に戻った










あの3日間から2週間が過ぎ、シン君のお友達のカン・インさんのお家で結婚祝いをしてあげるという事で、私達は江南のあの豪邸に行った。

カン・インさんは私達を笑って出迎えてくれた。

「シン、とうとう結婚したなー。それもこんな飛び切り可愛い子と」

「羨ましいだろう。」ニヤリと笑い私を中に招き入れる。

お子さんを実家に預け、今日はとことん飲み明かそうと言うことだった。

「こんな時しか羽目外せないから、母に子供頼んじゃった。」奥さんのミン・ヒョリンさんがニヤリと笑う。

ギョン院長、ガンヒョンカップル、あと初めて会うファンさんと言う人が後からやってきた。

みな、シン君と私の結婚を祝い、冷やかしたりと時間が過ぎていった。

そんな時ミンヒョリンさんがワインを飲みながら

「チェギョンちゃん、もう昔のことだから言っちゃうね。高校の時に私シンをモノにしようとホテルに連れ込んだのよ。」ケタケタ笑いながら言う。

「え!」凄いことを笑いながら言う。

「あーっ、そんなこともあったなー。」シン君は一口お酒を飲む。

「ホテルに連れ込み、シンの上に跨いだのに、この人ったらー。」

「バレエで鍛えた筋肉質の体は嫌いだ。」

私を無理やり下ろして制服のネクタイでベットに繋げたのよ。冷たい目で見下ろされて

「お前の事を好きなヤツとしろ。」って、電話を掛けて、20分間私はバタバタと暴れてたのに、シンは知らないフリで本読んでいたのよー。もー、ほんとデリカシーの無い男。」グイッとワインを飲む

「20分後、ホテルの部屋にベルが鳴りインが現れたのよ。」その頃を思い出し笑う

「ヒョリン!どうしたんだ?」って、慌てて中に入ってきて、自分の上着を私に掛けてくれたの。

ずーっとシンの事が好きでインの事オトコとしてみてなかった。

20分もベットに繋がれている私を知らない振りをしているオトコと、慌てて駆けつけて来てくれて私に上着を掛けてくれたオトコ。

一シンへのキモチが冷めて、一気にインに惚れちゃった。

上着を掛けて貰っている私とインはしばらく見つめ合っていて、気が付いたらシンは部屋にいなかった。

それからずーっと私はイン一筋なの。

ちょっと冷たいとこもあるけど、シンは自分よりインの事見てやれって気遣いが出来るオトコだと後から分かったけどね。あの時シンを無理矢理やらなくって良かったわ。」クスクス笑う

「俺はずーっとヒョリンの事好きだったからなー。」

インさんもヒョリンさんを見て笑う

スパークリングワインを一口飲んで、シン君を見る

「昔のシン君って。」

「過去の事だ。」クイッとお酒を飲む

「シンとチェギョンちゃんは結婚しちゃったし、俺達もしちゃう?」ギョン院長がガンヒョンの肩に手を回す

「何度も言ってるけど、まーだしません!大学終わるまでお預け。」

「そんなーっ。俺も家に帰ったら、ガンヒョンのいる生活がしてみたいー。」ガンヒョンに縋りつく

「もう、女々しいんだからー。男は我慢我慢。」背中をバシッと叩かれていた

私とシン君は寄り添い、皆を見ながらお酒を飲んで

「フフッ、シン君にキスしたくなっちゃった。」小声で言う

シン君の手が止まり、急に立ち上がり私の手を引っ張った

「すまない、僕達の結婚祝いをしてくれたのだが、もう帰る」

私のカバンとか持ってくれる

「えーーっ、まだいいじゃないかー。」皆が引き留める

「新婚は忙しんだ。」ニヤリと笑って歩き出す

ピンときた皆はニヤニヤ笑い「仕方ないなー、頑張れよ。」G&Gカップルは冷やかし

I&M夫婦は「今日は子供もいないから、久々に俺達も頑張るか。」

ずーっとカメラを回していてくれたファンさんは「もうお開きなの?僕一人もんだからー。」寂しそうに手を振ってくれた。

タクシーで来た私達は、タクシーを呼び外で待つ

もうそろそろ冬の季節がやって来ようとしている。

二人でコートを着てきたが、風が冷たく二人自然に寄り添う

「寒くなってきたけどシン君がいれば寒くないね。」

私の手を取り、ポケットの中に入れて自分の手も入れる

「冬は寒いモノだと思っていたが、どうやら今年から熱くなりそうだ。」私の耳元に呟くシン君の声に体が反応する

甘い声が思わず出てしまい「僕のチェギョンは感じやすい」

「シン君がいっぱい私を開発していくからだよ。」

カレは何時も何時も私の感じやすい所のスイッチを入れまくる

「イ家秘伝のお菓子や餅もう無くなるな。」ご両親への挨拶に行った時に、チェ執事さんからいっぱいお土産で渡されたあのお菓子

「ま―あんなのが無くても、僕はチェギョンを喜ばせる事が出来る。」

シン君は大学の頃からスカッシュをやっているので、持久力がハンパない。

初めて付き添って見に行った時なんか凄いラリーを見てしまい、あーっだからシン君って凄いんだーと感心してしまい、最初の頃に言った言葉を思い出す

38才の僕が20才のキミを満足させることが出来ないかもしれない

思い出し少し笑ってしまう

「毎日チェギョンとする事しか考えていない。僕がこんなにスケベな人間だったなんて。」カレの顔が近づいてきて、頬にキスをされる。

「シン君、もう有給も終わっちゃうから、お仕事モードにならないと。」来週には二人とも大学に行かないといけないので、もう元の生活に戻ってしまう。

「じゃあ、今の内にヤリまくる。」ギュッと抱きしめられた。

あんなに嫌いな行為が、シン君のお陰で大好きになり、時には自分からシン君を誘ってしまう私。

交際期間0日から始まった結婚生活だが、毎日が楽しくこんな結婚も有り!と、背の高いシン君を引っ張りキスをした。

「シン君、大好き!」