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「チェギョン、熱大丈夫か?」何時もの場所に休みに行ったら、イン君に言われた。
「うん。昨日は突然熱が出ちゃって。あれ?なんで知ってるの?」驚く
「バイト先に行ってもいないから、店長に聞いたんだ。熱で休んでるって。」
「ゴメン、わざわざ来てくれてたんだね」何回も顔の前で手を合わせて、謝った。
「熱出していたら、仕方ないさ。もう、謝らなくても良いって。」大きな目がニッコリと笑う。
イン君って、本当良い人だなー。
優しく笑うイン君に、ちょっとだけトキめく事もあったが、やっぱシン君のようにキラキラと眩しくはない。
「許してくれて、ありがとうね。」ポケットからアメを取り出し、イン君にあげた。
「お詫びにアメあげる。」微炭酸のアメは私のお気に入りのアメ。
「おっ、助かる。授業中の時には、必需品だ。」
「そうだよねー。いっぱい寝ても、授業中にも寝ちゃう。」あははっと笑う。
「チェギョンは、バイトしているから皆んなより少ないじゃないのか?」
「そうなのかなー?」
二人でたわいの無い話をして、日向ぼっこをしていたら。
「チェギョン!」シン君の声がした。
「イン、なんでお前とチェギョンが二人きりでいるんだ?」
カツカツと響く早歩きのシン君は、まるで後光が差しているように輝き、あっという間に私の側に来た。
「メガネの女にチェギョンの居場所聞いても知らないっていうから、ずっと探していたんだぞ。」私の腕を引っ張って、無理矢理椅子から立たせた。
「痛い!」急に引っ張られたので、体はシン君の腕の中に飛び込む形になった。
「シン?チェギョンをなんで?」イン君が驚き過ぎて目が落ちそうだ。
私をギュッと抱きしめ「痛かったのか?悪かった。どうも女の扱い方がまだよく分からないなーっ。女子ってもうちょっと頑丈そうと思ってたが、こんなに柔らかいなんて」
シン君の呟きは私の耳にようやく届く。
「イン、チェギョンはオレの許婚だ。まだ、チェギョンからは返事貰ってないけどな。」又、私をギュッとする。
「えっ?許婚?はぁ?」混乱しているイン君。
そりゃー、そうだ。私も冗談だと思ってたもん。
混乱しているイン君を見捨てて「チェギョン、熱は下がったって聞いたけど、なんで真っ赤な顔してるんだ?まだ熱あるんじゃないのか?」
カレは自分の前髪を上げて、私のおデコに当てた。
「うん?熱くないぞ?でも、頬は真っ赤だ。」
私の頬を両手で挟みじーっと見つめるシン君に、ドキドキが止まらない。
「もしかして、オレのせい?」ニヤリと笑う。
「そっ、そんな事ないよ!」
プイッと横を見ようとしたら、挟まれた手の力は強く身動き出来ず。
チュッという感覚があった。
「えっ?」えーっと今、チュッという音がしたってことはー。
「シン君、ここ学校だよ!」ムキーっと怒るが、シン君はシレッと交わして、私の手を繋いだ。
「ほら。行くぞ。」
「もー!学校でもうしちゃダメだよ!」
「したかったからしたんだ。」
「そんなーー!皇太子の理性はどこに行ったの?ねー、ところでシン君今どこに行くの?」
ニヤリと笑うシン君に「キスはダメだからね!」
口の手を当ててキスをさせない仕草をした。
「まったく可愛いなー。」シン君の優しい目。
ポー―っとなってしまい、なんか浮かれて私の足床についてる?
なんかフワフワと浮いているみたい。
人を好きになってこんなに違うんだー。キラキラと眩しいシン君を見上げる。
あっという間に自分の気持ちはシン君に向かって全速力で駆け出している。
好きなんだー。これが本当に好きってことなんだ。
最初の出会いから、ほんの少ししか経っていないけど。
恋するキモチは、マッハより早い。
手を取り合いながら、二人並んで歩いている。
ただそれだけで、幸せなキモチになってしまう
シン君・・・シン君・・・シン君・・・・好き。
この言葉を言ってしまったら、シン君どういう顔するのかな?1人でニヤニヤと笑っていると。
「なんだ?」シン君の良い声が聞こえる。
「何でもないよ。」ニコニコーーーっと笑う。
「なんだ何か言いたいことがあったら、言えよ。」
「後でねー。」ニッコリと見上げた
「勿体ぶってなんだ.さっさと言えよ。言わないと、キスするぞ。」歩いていた足が止まる。
「なんで直ぐにキスになるの?もうーーー!」ブ――っと膨れると。
「キスがしたくてしょうがないからだ。」
繋いだ手がギュッと強く握られ、シン君の顔がゆっくりと降りてくる。
あっ、キスされる。
学校だからしちゃダメだっていうのに、顔が近づいてくる。私だって本当はキスして欲しい。
「オイ!シン!ヒョリンは?お前の彼女のヒョリンとは、どうするんだよ!」
イン君の必死の大きい声は廊下中に響き、私の身体の中までも響き渡った。
あっ。
イン君の言葉を理解するのに、何十分も立ったような感覚。
浮かれて浮いていた足に10万㌧級の重り付けられ、ズドンと床に張り付いた。
そうだ。すっかり頭の中から抜け落ちていた。
シン君にはミン・ヒョリンという彼女がいたんだ。
私は、パッと手を離した。
スト―――――っプ。
嫌々、彼女さんのいる人は、やっぱ無理でしょっ許婚だからと言って二人の間には、無理矢理入りたくない。
シン君に向かってマッハで飛んでいた気持ちは急ブレーキで止められた。
「なんで手を離すんだ?」シン君の声がなんか遠い所で言っているみたいに聞こえる。
さっきまでの幸せな気持ちは無くなり「シン君には彼女さんがいたんだよね?」か細い声は、小さく震えだす。
「彼女?ミン・ヒョリンが?」不思議そうなシン君。
「そうだ。毎日お前の夜遊びにヒョリンも居ただろう?」
イン君が私達の近くまで歩いて来た。
「あーーっ、そうだなー。そんなこともあったよな。」離れた私の手をもう一度握りしめる。
「俺達は皆、ミン・ヒョリンはお前の彼女だと思ってる。」イン君の辛そうな顔
イン君ってミン・ヒョリンが好きなんでしょう・・いつも休み時間に呟いていた言葉。それなのに彼女だと思っているって、なんて辛い言葉。
「悪い。ミン・ヒョリンを彼女と思ったことはないが、その事は過去の事だ。忘れてくれ。」シン君はギロリとイン君を見下ろし、私の手を引きながら歩きだした。
「チェギョンより絶対、ヒョリンのほうが綺麗だろう!なんでチェギョンなんか選んでるんだ?ヒョリンの気持ちを考えてやれよ。」
「イン、夜遊びに連れ出す女なんか、遊びに決まってるだろう。
それを教えてくれたのは、インだったよな。その場が楽しくなれればいいんだって
初めての夜遊びに、オレもらしくなく浮かれていた。
でも、眼鏡をかけて周りを、チェギョンを見るようにしたら、チェギョンの可愛さと、性格の良さを分かり、目の前にいたのに全然気が付けなかった。
ほんと、バカだったよ。
だから、お前のさっきの言葉、忘れてやる。ヒョリンにはもう遊ぶ必要はなくなったと伝えてくれ。」
私の手を引き、イン君を後にしてこの場を立ち去った。
「シン君。」ずーっと何も言わずにただ手を繋いでいた私達。
ようやく私が声をかけても、シン君は黙っている。
「シン君、あの子と付き合ってなかったの?」見上げても、シン君の表情が冴えない。
「チェギョン。今からいう言葉、この間までの最低なクズ野郎のオレの事だから。
お前にはちゃんと知っていて欲しい。
お前んちのボディーガードをしろと言われて、初めて宮から抜け出せるって浮かれていたオレは、インに電話を掛けて女を紹介してくれって頼んだ。
許嫁に縛られる前に、女と遊んでみたかった…あわよくば童貞を卒業したいと。
宮の窮屈なしきたりと生活に嫌気を感じていたオレは、宮に反抗したかった。
だから、夜遊びに夢中になって、ヒョリンとやれるチャンスを伺っていたのに、計算外な出来事が起こった。
チェギョン。
メガネをかけてお前をちゃんと見てしまったら、一瞬のうちに恋に落ちた。」
切なそうな顔は、見ているほうも辛かった。
「ほんと、バカだった。
でも、今はもうバカな夜遊びは止めたし、遊びで童貞を卒業するって事も止めた。
オレの頭の中は、チェギョンでいっぱいなんだ。」
ジ――っと見てくるシン君に吸い込まそう。
私はその想いに、耐えきれなくて逃げ出してしまった。
「チェギョン!」シン君の声が響くが、私は凄い速度でその場所を離れてしまった。
どうしよう、どうしたら良い?
考えてても考えても、頭の中はグルグルと回る。
あまりにも考えすぎて、立ち止まって息をはーは―っと吐き出していたら。
目の先に学校の上履きが見えた。
だれ?
顔を上げたら。
皆様、こんばんは。
何時も訪問有難うございます。
最近、甘くて美味しいものばかり食べていたら、お腹が段々出てきました。
恐るべし、スイーツ。
皆様もお気を付けください
では。おやすみなさい。