「今からソウルに帰ると、遅い時間に着くから、室長とチェギョンは、ここを使ってください。」
ホテルから少し離れた所に、案内された私達
「室長は、今後もお付き合いしてくださるみたいだし、チェギョンは可愛い後輩なので、特別な宿を使って」
「わーっ。すごーい。」私の目が輝く
そこには高級なカバナスタイルのテントがランタンに囲まれて佇んでいた
「ここにも温泉が出ちゃって、日本にあるような露天風呂作ったんだけど。
ヴィラにするのか、韓屋風、それともコテージ、悩んでいたら、試しにこんなの使ってみてくださいって、業者が建てて行ったのよー。
流行のグランピング・・オシャレだけどうちのホテルとは全く違うから、キャンセルする事になって。
業者が来るまで使っても良いって言われたから、二人で使っちゃて。」
二人で使うのには大きすぎるテント。
中にはデーンとキングサイズくらいのベットが真ん中にある。
先輩のホテルではランプがメインだが、ここはランタンの灯が周りの景色に馴染む
「こんな所に泊まってみたかったです。」
中に入ってパタパタと歩き回る
「室長、ここは離れで誰もいないので、どうぞお好きなように使ってください。アメニティは十分にそろえて置きました。」
先輩がニヤーーっと笑う。
「それは助かるな。」
「ここでの食事は出来ないので、PM19時にスタッフルームに来てくださいね。」
「先輩ここっていくらですか?」わざと聞いてみる
「え?一人20万ウォンかなー。」ニヤリと経営者の顔になる
「ひーっ。キャッシュレスで。」お金がないからここはカードで。
「ここも電気が通ってないからキャッシュだけよ」クスクス笑い
「冗談冗談、お代はいらないから。じゃあ、私はキムさんの手伝いに行きます」
手を振り振りしながら先輩は言ってしまった。
こんな所に二人っきりになってしまった私達。
昨日まではあまり顔を合わせた事がなかったので、久々なシン君に少し緊張してしまう。
スーツ姿のシン君は、ベットにダイブして「今日は疲れた。」ズレたメガネを外す
「フフフっ、昨日は私もそうでした。」私も横になる
「今日は、大口契約が取れたから。明日の休日出勤は免除だそうだ。」目を瞑りはなし,私の手に触れる
「シン君の営業マンスタイル初めて見ました。」
「営業に行った時から、体育系の上司の下についてとことん教えられた。オレの父と同期だったから,遠慮なく扱かれた。」眉間に皺が寄る
「思い出しちゃいました?」眉間の皺を伸ばしてあげる。
「あぁ、久々な体育系で毎日が大変だったが、でも、夜は必ず大人の店に連れて行ってくれて、新鮮だったなー。」
段々声が小さくなり、スーッと眠りにはいってしまった。
「!」そうだよねー、あの坂道を上がって来てからの、商談。
いくら親友のインさんとはいえ、仕事モードで気が張ってたよね。
乱れていた髪の毛を横に流してあげて、ジーッとシン君を見つめる。
夜は何時も私が先に寝たから、シン君に会った事なかったから、マジマジと見たのは何ヶ月ぶりかなー。
暫く見ていたが韓服が窮屈になり、露天風呂に入りにいった。
木枠の中にお湯が張られ、周りの景色の中でポツンとランタンの灯りに包まれている。
全てを剥ぎ取り、中にゆっくり入ると大きな溜息が出てしまう。
「シン君には入って欲しかったなー。」
ポツリと言った言葉は木々の中に吸い込まれていった
此処のホテルのワッフル素材のナイトウエアにカーディガンを羽織、辺りを散歩していると
キムさんと出会った。
「キムさん、ご苦労様です。」
近づいて行くと背中にいっぱいの薪があった。
お辞儀をしながら歩き出す
「それはどこのに使うんですか?」
「食堂の暖炉に使います。煮込むのに暖炉が丁度いいんです。」
無愛想に見えるけど、ただ口数が少ないだけで人柄の良さが滲み出ている
二人で並んで歩き出すと
「キムさん、先輩の事は良いんですか?」恐る恐る聞いた
私の質問にギクっと強張る
「お嬢さんと私は雇い主と雇われの関係です.良いも悪いも何もないですよ。」
「ここに来て思い出した事があったんです。
会社にいる時、田舎には私と結婚しても良いよって言ってくれる人がいるって言ってました。私の想像なんですけどキムさんかなーと。」
「私の親もここの住み込みで働いていて、ここで育った私も住み込みで働くようになり、ずーっとお嬢さんと一緒に育ち、大人になったらお嬢さんと一緒になれたらと、密かに思っていました。
最近お嬢さんがようやく戻って来ても、前と様子が違い心ここに在らず状態で。
私の淡い希望は、叶わないだろうと気持ちを整理した時に、貴方の登場でした。」
ボソボソと言う言葉に、一つの想いが終わったことが伝わった
「キムさん。」
「お嬢さんとは、支配人と部下の関係です。
今私はお嬢さんより、ここのホテルの方が好きなんです。」
最後の方はしっかりとした口調に変わった。
「このホテルを好きだと言ってくれる人達の為に、頑張りますよ。」自然に笑う姿がとても素敵で、私まで笑ってしまう。
「すみません。深掘りしてしまって。」
「もう、過ぎた事です。では、私はこっちなので失礼します。」
ホテルの裏口の方に歩き出した彼に、私は近づき
「キムさん。これ貰ってください。」
差し出した手には、四葉のクローバーがあった。
「子供じみているかもしれませんが、キムさんに持っていてもらいたくて。」
ランタンの道しるべの横にあったクローバー達。
その中に目を凝らして覗き込んで見つけた四つ葉のクローバー
「あーっ、四葉のクローバーですか。幸せを運ぶと言われてますねシン・チェギョンさんが持った方が。」
「私も四つ葉を持っていたら、一生分の幸せがやってきました。私はもう大丈夫なので、キムさんに是非持ってほしいなと」
四つ葉のクローバーを差し出したまま言う。
「貴方は良い人ですね。じゃあ、頂きます。」
私から四つ葉のクローバーを受け取ったキムさんは、胸ポケットに差し入れた
「貴方の優しい気持ちに、ここが温かくなりました。これも幸せって言うんでしょうね。」
胸ポケットの四つ葉のクローバーを手で押さえる
「きっとそうです。」私はニッコリと笑った。
ホテルから又自分のテントまで歩いていると、寝起きのシン君が向かって来た。
「あっ、シン君!」
疲れて寝ていたカレの元に走り出し、抱きついた
「寝てしまったな。」
抱きしめられ嬉しくなる
「あの坂道を上がって来たんですよ。」
クスクス笑う
「さっきまで,ホテルのキムさんとお話ししてました。」
見上げると、ムッとしているのが分かった
「散歩していたら偶然会ました。あの人良い人ですね。どことなく誰かに似ているなーと思っていたら、シン君に似てます。」
「オレに?」驚きの顔
「そうです。顔は怖いけど、内面はすっごく優しく良い人だって事です。」
頭をゴシゴシと押し付ける
私の頭を撫でながら「怒りたいのに、怒らないな。」
「ふふふっ。」カレを見上げ「もう時間じゃないですかー?」
「そうだ。時間だと思って呼びに行こうとしてた。」
「じゃあー、行きましょう。」
体を離し手を繋ぎ合わせ歩き出す。
当たり前だった事が出来なくなっていたので,本当に嬉しくてニヤニヤしてしまう。
「顔が変だぞ。」
「だって久々に手を繋いで歩くなんて、嬉しくてー。」
「すまない。」繋いでいない手は私の頬を触る
「シン君効果が未だ効いているので、大丈夫です。でも、今日いっぱい補充しておかないと、もうダメかも。」
「じゃあ、夕食はいっぱい食べて体力つけないとな。」
カレの指は私の唇をなぞる
「わっ、わ、私もいっぱい食べます!」
真っ赤になる。
「明日の昼まで起きれなさそうだな。」
私の手をもう一度繋ぎ、ランタンに照らされた小道をゆっくりと歩き出した。
皆様、こんばんは。
何時も訪問有難うございます。
昨日仕事だった私は、旦那様におはぎ作ってとお願いしたら。
作って待ってました。
良い嫁を貰いました。(笑)
おやすみなさい。
ホテルから少し離れた所に、案内された私達
「室長は、今後もお付き合いしてくださるみたいだし、チェギョンは可愛い後輩なので、特別な宿を使って」
「わーっ。すごーい。」私の目が輝く
そこには高級なカバナスタイルのテントがランタンに囲まれて佇んでいた
「ここにも温泉が出ちゃって、日本にあるような露天風呂作ったんだけど。
ヴィラにするのか、韓屋風、それともコテージ、悩んでいたら、試しにこんなの使ってみてくださいって、業者が建てて行ったのよー。
流行のグランピング・・オシャレだけどうちのホテルとは全く違うから、キャンセルする事になって。
業者が来るまで使っても良いって言われたから、二人で使っちゃて。」
二人で使うのには大きすぎるテント。
中にはデーンとキングサイズくらいのベットが真ん中にある。
先輩のホテルではランプがメインだが、ここはランタンの灯が周りの景色に馴染む
「こんな所に泊まってみたかったです。」
中に入ってパタパタと歩き回る
「室長、ここは離れで誰もいないので、どうぞお好きなように使ってください。アメニティは十分にそろえて置きました。」
先輩がニヤーーっと笑う。
「それは助かるな。」
「ここでの食事は出来ないので、PM19時にスタッフルームに来てくださいね。」
「先輩ここっていくらですか?」わざと聞いてみる
「え?一人20万ウォンかなー。」ニヤリと経営者の顔になる
「ひーっ。キャッシュレスで。」お金がないからここはカードで。
「ここも電気が通ってないからキャッシュだけよ」クスクス笑い
「冗談冗談、お代はいらないから。じゃあ、私はキムさんの手伝いに行きます」
手を振り振りしながら先輩は言ってしまった。
こんな所に二人っきりになってしまった私達。
昨日まではあまり顔を合わせた事がなかったので、久々なシン君に少し緊張してしまう。
スーツ姿のシン君は、ベットにダイブして「今日は疲れた。」ズレたメガネを外す
「フフフっ、昨日は私もそうでした。」私も横になる
「今日は、大口契約が取れたから。明日の休日出勤は免除だそうだ。」目を瞑りはなし,私の手に触れる
「シン君の営業マンスタイル初めて見ました。」
「営業に行った時から、体育系の上司の下についてとことん教えられた。オレの父と同期だったから,遠慮なく扱かれた。」眉間に皺が寄る
「思い出しちゃいました?」眉間の皺を伸ばしてあげる。
「あぁ、久々な体育系で毎日が大変だったが、でも、夜は必ず大人の店に連れて行ってくれて、新鮮だったなー。」
段々声が小さくなり、スーッと眠りにはいってしまった。
「!」そうだよねー、あの坂道を上がって来てからの、商談。
いくら親友のインさんとはいえ、仕事モードで気が張ってたよね。
乱れていた髪の毛を横に流してあげて、ジーッとシン君を見つめる。
夜は何時も私が先に寝たから、シン君に会った事なかったから、マジマジと見たのは何ヶ月ぶりかなー。
暫く見ていたが韓服が窮屈になり、露天風呂に入りにいった。
木枠の中にお湯が張られ、周りの景色の中でポツンとランタンの灯りに包まれている。
全てを剥ぎ取り、中にゆっくり入ると大きな溜息が出てしまう。
「シン君には入って欲しかったなー。」
ポツリと言った言葉は木々の中に吸い込まれていった
此処のホテルのワッフル素材のナイトウエアにカーディガンを羽織、辺りを散歩していると
キムさんと出会った。
「キムさん、ご苦労様です。」
近づいて行くと背中にいっぱいの薪があった。
お辞儀をしながら歩き出す
「それはどこのに使うんですか?」
「食堂の暖炉に使います。煮込むのに暖炉が丁度いいんです。」
無愛想に見えるけど、ただ口数が少ないだけで人柄の良さが滲み出ている
二人で並んで歩き出すと
「キムさん、先輩の事は良いんですか?」恐る恐る聞いた
私の質問にギクっと強張る
「お嬢さんと私は雇い主と雇われの関係です.良いも悪いも何もないですよ。」
「ここに来て思い出した事があったんです。
会社にいる時、田舎には私と結婚しても良いよって言ってくれる人がいるって言ってました。私の想像なんですけどキムさんかなーと。」
「私の親もここの住み込みで働いていて、ここで育った私も住み込みで働くようになり、ずーっとお嬢さんと一緒に育ち、大人になったらお嬢さんと一緒になれたらと、密かに思っていました。
最近お嬢さんがようやく戻って来ても、前と様子が違い心ここに在らず状態で。
私の淡い希望は、叶わないだろうと気持ちを整理した時に、貴方の登場でした。」
ボソボソと言う言葉に、一つの想いが終わったことが伝わった
「キムさん。」
「お嬢さんとは、支配人と部下の関係です。
今私はお嬢さんより、ここのホテルの方が好きなんです。」
最後の方はしっかりとした口調に変わった。
「このホテルを好きだと言ってくれる人達の為に、頑張りますよ。」自然に笑う姿がとても素敵で、私まで笑ってしまう。
「すみません。深掘りしてしまって。」
「もう、過ぎた事です。では、私はこっちなので失礼します。」
ホテルの裏口の方に歩き出した彼に、私は近づき
「キムさん。これ貰ってください。」
差し出した手には、四葉のクローバーがあった。
「子供じみているかもしれませんが、キムさんに持っていてもらいたくて。」
ランタンの道しるべの横にあったクローバー達。
その中に目を凝らして覗き込んで見つけた四つ葉のクローバー
「あーっ、四葉のクローバーですか。幸せを運ぶと言われてますねシン・チェギョンさんが持った方が。」
「私も四つ葉を持っていたら、一生分の幸せがやってきました。私はもう大丈夫なので、キムさんに是非持ってほしいなと」
四つ葉のクローバーを差し出したまま言う。
「貴方は良い人ですね。じゃあ、頂きます。」
私から四つ葉のクローバーを受け取ったキムさんは、胸ポケットに差し入れた
「貴方の優しい気持ちに、ここが温かくなりました。これも幸せって言うんでしょうね。」
胸ポケットの四つ葉のクローバーを手で押さえる
「きっとそうです。」私はニッコリと笑った。
ホテルから又自分のテントまで歩いていると、寝起きのシン君が向かって来た。
「あっ、シン君!」
疲れて寝ていたカレの元に走り出し、抱きついた
「寝てしまったな。」
抱きしめられ嬉しくなる
「あの坂道を上がって来たんですよ。」
クスクス笑う
「さっきまで,ホテルのキムさんとお話ししてました。」
見上げると、ムッとしているのが分かった
「散歩していたら偶然会ました。あの人良い人ですね。どことなく誰かに似ているなーと思っていたら、シン君に似てます。」
「オレに?」驚きの顔
「そうです。顔は怖いけど、内面はすっごく優しく良い人だって事です。」
頭をゴシゴシと押し付ける
私の頭を撫でながら「怒りたいのに、怒らないな。」
「ふふふっ。」カレを見上げ「もう時間じゃないですかー?」
「そうだ。時間だと思って呼びに行こうとしてた。」
「じゃあー、行きましょう。」
体を離し手を繋ぎ合わせ歩き出す。
当たり前だった事が出来なくなっていたので,本当に嬉しくてニヤニヤしてしまう。
「顔が変だぞ。」
「だって久々に手を繋いで歩くなんて、嬉しくてー。」
「すまない。」繋いでいない手は私の頬を触る
「シン君効果が未だ効いているので、大丈夫です。でも、今日いっぱい補充しておかないと、もうダメかも。」
「じゃあ、夕食はいっぱい食べて体力つけないとな。」
カレの指は私の唇をなぞる
「わっ、わ、私もいっぱい食べます!」
真っ赤になる。
「明日の昼まで起きれなさそうだな。」
私の手をもう一度繋ぎ、ランタンに照らされた小道をゆっくりと歩き出した。
皆様、こんばんは。
何時も訪問有難うございます。
昨日仕事だった私は、旦那様におはぎ作ってとお願いしたら。
作って待ってました。
良い嫁を貰いました。(笑)
おやすみなさい。