「これが良いです。」
可愛いチェギョンが、頬を染めてオレを見上げる。
シンプルだが、彼女の指に良く似合う。
「これの男用は?」ギョンに言う。
「あるよ。」ニヤッと笑う。
さっき、チェギョンのお友達にしつこいギョンを、見えない角度でパンチをお見舞いした。
ボソッと小さな声で「オイ、いくら好みの女見つけたからって、がさつくな。」低い声はギョンをイイ子にさせる。
「・・すまん、そうだよなー。知らない男に言い寄られたら、嫌だよな。ちゃんと、大人の対応する。」パンチを食らったわき腹を痛そうに押さえながら、頷く。
「判れば良いです。」にっと笑って離れた。
ギョンから、男物も出してもらい、指に嵌めて彼女の左手を見比べる。
オレは、チェギョンを見て「完璧だ。」笑う。
「ギョン、これに決めました。カードで支払います。」胸元から財布を取り出し、カードをギョンに渡す。
チェギョンは、大事そうに指輪を嵌めた手をガンヒョンに見せていた。
ガンヒョンに何かを頼んでいる風。
嫌々ガンヒョンはチェギョンの頬を、ギュッとつねった途端。
「痛い!」頬をさすりながら「夢じゃないんだね。」
「夢じゃないよ。そのフワフワと浮いている心をしっかりとしなさい。」背中をバン!って叩かれていた。
二人のやり取りを見て、笑っていると。
ギョンが「お前の嫁になった子、確かに可愛いけどな。」
「ギョン、私の妻に手を出したらどうなるか、判ってるでしょうね。」
「ひっ!お前の嫁に手を出す奴なんか、いないって!韓国の男なら皆知ってるんぞ。おーー、こわっ!」
「判っているようで、良かったです。」
「お前が高校生とな。人生何が起こるのか、判らないな。」いろんな手続きをしている時、ギョンと話し合う。
「それと、嫁を貰ったと言う事は、とうとう。後継ぐんだな。」
「そうですね。まっ、後継者として育てられていましたからねー。」
「今じゃ俺も、親の跡を継いで、この店達をまかされて、やんちゃな事はもうしてないけど、お前に何かがあれば一目散に駆けつけるからな。」胸を張る。
「頼もしいですね。」
「インもそう思っている。俺とインはいっぱいお前に世話になったからな。」
「なんたって若かったから、色んな悪さしてました。あっ。段々思い出してきました。いつもギョンの尻拭いをしていたのは、私でしたよね。」眉間に皺が寄ってくる。
「わーー、思い出すなって!ほらっ、もう支払いは終わったから。」リングケースの入った紙バックを受け取り、背中を押された。
私は彼女の新しい指輪が輝いている左手をギュッと握り「行きますよ。」声をかけた。
彼女は私の左手を見つめ、にっこりと笑う。
あーっ、どうしてそんなに可愛い顔で見るんですかー。
押さえきれなくなった私は、ギュッとチェギョンを抱きしめて、溜息を吐く。
「ヤバイ、やばすぎます。」
「シン様?」ギュッと抱きしめられているチェギョンは、私を見上げる。
「心臓が壊れそうです。」ギューーっと抱きしめる。
「シンさま。」
「まったくどこでもイチャイチャと。二人の頭の上に、ハートがいっぱい浮かんで見えるわ。」
「まったくシンがなーー。」スマホを出して、カメラを起動した。
カシャっ
「これを、インとファンに送るっと。」指で操作しているチャラ男。
「イ・シンさんのお友達なんですよね。」
「白鳥。高校の時からの友達なんだ。」送信ボタンを押した。
「白鳥って、私そんなんじゃないです。ちゃんと名前で。」
「いいんだ。君は俺にとってようやく現れた白鳥なんだから。まったく、シンの嫁といい、白鳥といい、恐るべし高校生。」腕を組み、うんうんと頷いている。
「あの人の事、このまま信じてもいいのかな。」
「シンほど信頼できるヤツはいない。10も離れた婚約者がいるから、誰の事も愛さなかった。ある意味、愛に飢えていたのかもな。あんなシン見た事がない。」ニヤニヤ笑いながら言う。
「最初言ってましたよね?イ・シンさんには綺麗な女の人達がいるって。」じーっと見る。
「白鳥、そんな綺麗な顔で見つめてくれるなんてヤバイ。俺もシンのが移ったか。」自分の心臓を抑えて、呼吸を繰り返す。
「・・・・・・。」目の前のチャラ男。
冗談でやっているようには見えない。
今付き合っている彼氏は、こんな風にはしてくれない。
「ああ、男の事情って事で、言えない。」心臓を押さえながら「白鳥に一目惚れしたが、全部は言えない。」しっかりとした言葉。
大人。
子供な彼氏とは、違う。
イ・シンさんと同じような身長で、良いスーツを着こなしている。
顔もつぶらな目が印象的だ。
この人、チャラそうだけど悪い人じゃないと思う。
「ガンヒョンさん、いきますよ。」イ・シンさんはチェギョンと手を繋ぎ、ラブラブモードで出口を目指していた。
「白鳥、これ俺の連絡先なんだ。あげる。暇な時があったら連絡くれ、必ず出るから、」内ポケットから高そうなカードケースが出てきた。
そこから一枚カードを引き出し、私に差し出した。
「・・・。」どうしよう、もらうべきか断るべきか。
照れくさそうにニコニコと笑う大人な人。
自然に手が出て、カードを受け取った。
受け取った途端「待ってる。」にこーっと笑った。
私は、返す言葉が探せなくて、慌ててチェギョン達の方へ逃げた。
外へ出て車に乗ろうと、チェギョンを後部座席に乗せたイ・シンさんが私のとこに来た。
「チャン・ギョンは軽そうに見えますが、中々頼りになる男ですよ。」ニッと笑いながら、自分の席に向かって行った。
ガンヒョンさんを下ろして、チェギョンの実家に行ってご両親に挨拶をしに行った。
初めて会ったのに、人の良さそうなお父上、しっかり者の母上。
とても気に入ってしまった。
オレは、許婚と言う無理やりな結婚ではなく、ちゃんと彼女の事を大事にしますとご両親に誓った。
そうそう、チェギョンのやんちゃな弟君も。
チェギョンを見た時「ブタブターーっ。追い返されてきたのかー?」冷やかしてウロウロしてたが
「まさか!こんな可愛いおねーさんを手放すはずがないですよ。」彼女の後ろから突然現れた私にビックリした弟君。
ボヘーーっとみあげて「ブタ、10才離れたって言って。」
「おねーさんの事、ブタって言っちゃいけないよ。」彼の顔に自分の顔を近づけ、ニコッと笑ったはずなのに。
「ひーー!」恐怖の表情を浮かべる弟君。
「・・・。」顔を元の位置戻し、弟君を見下ろしたら「わーーーーー。デカイ!」
急にワクワクした顔で、オレの事を見上げる。
「さっき、ちょっと怖かったけど、カッコいいーー。」なんですか、この可愛い顔。
チェギョンに似ている。
「私は、昨日から貴方のお兄さんになりました。一生宜しくです。」
「お兄さん!前からカッコイイ兄貴が欲しかったんです!」なんて素直な弟君。
全く、姉と私の姉弟で、下がいなかった私にとって、弟君が可愛いい。
「じゃあ、お小遣いを上げましょう。」胸元の財布を取り出し、10万ウォンをあげた。
「シン様!そんな多くあげちゃ駄目ですって!」チェギョンはオレを止めるけど
「初めてできた弟なんです。何でも私を頼ってください。」弟君の頭を撫でた。
車に乗った途端涙ぐむチェギョンを引き寄せ「良い家族ですね。貴方はあの良い人達に育てられたんですね。」彼女の頭をポンポンと撫でながら、癒してあげる。
「シン様。」
「あの良い人達から離してしまった私。謝りませんよ。私がいます。
チェギョンには、ずーっと私がいます。来年になったら子供作りましょう。貴方が寂しいと思うなら10人くらい子供作りましょう。」笑う。
「シン様、10人なんて無理ですよーー。それに私みたいな子供が、子供生むのは。」
「私が、チェギョンとの子が欲しいんです。できれば、貴方に似た顔の子が欲しいです。」ちょっとテレながら言った。
「シン様。」私はチェギョンを抱きしめて、安心させようと・・髪の毛にキスを落とした。
ようやく自分達の家に戻り、彼女への荷物の置き場所を教える。
「チェギョン、ここは貴方専用の部屋ですけど、ちゃんと眠る時は、私のベットに来るんですよ。」
念を押しておかないと。
「・・・はい。」ぽーーっと赤くなる彼女。
「オヤッ意味が判るみたいですね。昨日のこと思い出しましたか?」にやっと笑う。
「シン様は意地悪です。」真っ赤になりプーっと膨れる。
あ、無駄に可愛い。私の手は彼女の手を取り、ソファに誘った。
今日もキムさんの運転で学校から、シン様の会社まで送って貰う。
担任に捕まって、今日は遅い時間に、何時もの道を通っていた。
早く着かないかなーと思っていると、電話のベルが鳴った。
スマホの表示画面にはシン様の名前が慌てて押す。
「あっ、シン様!」
「チェギョン、今日は遅いですね。」何時もの良い声が私の耳に響く
「今、キムさんに頼んで、急いでもらってます。先生に捕まって遅くなってしまいました。」シン様の声で、昨日の耳元での集中攻撃を思い出した。
「チェギョン、早くしないと浮気しちゃいますよ。」電話の向こうからは真剣な声。
「ダメですーーーー!シン様、浮気なんかしちゃダメーー!」運転席のキムさんまで聞こえる大きな声で叫んだ。
「じゃあ、早くしてください。」プチッと切れた電話。
「キムさん、大変です!早くしないと、シン様が浮気するって。急いでーーーくださいーーー!」
「ハイ、奥様。でも社長は奥様の事溺愛してますから、浮気は絶対にありえませんよ。」キムさんの堅実な話し方に
「浮気しないのは判ってますけど、キムさん、早くお願いします。」
「奥様の仰せられるように、キムは運転に集中します。」滑らかにスピードを上げていく高級車。
あっという間に、シン様の経営する大きなビルの正面玄関に着き、キムさんが扉を開ける前に、自分で開けてしまった。
「今日は許してくださいーー!」走りながらはしたない行動を謝る。
エレベーターに乗り、最上階のシン様の仕事場を目指す。
慌てている私はエレベーターの中でも、足踏みをずーっとしていた。
最上階に着いて、シン様の部屋を早歩きで目指す。
大きな扉が見えた。
イ・シン経営コンサルトと言う名札が私を誘っているように見えた。
扉を開けると、受付のチェおねーさんが私を見て「社長が首を長ーくして待っておられます。」深々と頭を下げる。
「チェおねーさん、ありがとうーー。」
一本の廊下の両脇には、部屋が並んでいる。廊下を早歩きをして突き当たりの社長室を目指す。
扉を開けると同時に「シン様ーーー!遅くなりました。」大きな声でガラス張りの前に立つシン様に抱きついた。
「チェギョン、遅くて浮気をこれからしに行くとこでしたよ。」言葉ではそう言いながら、後ろから抱きついた私の指に自分の指を絡める。
二人の結婚指輪が重なり、キラキラと光る。
「シン様、浮気は絶対にダメです」カレの背中に自分の顔をくっつけて、はっきりと言う。
「冗談に決まっているじゃないですか。私にはチェギョンだけです。他の女は皆、野菜にしか見えません。カボチャ、ジャガイモ。」私の指を外して、私と向き合う。
私の顔を、シン様の大きな手が包み込む。
「今日も無事に私の元に帰ってきてくれて、ありがとうございます。」シン様の顔が近づいてきて、重なる唇。
ゆっくりと重なった唇は、気持ちまで伝わるようだ。
「シン様のとこにしか、帰りません。」
「そうですか、嬉しいですね。」カレのキスは止まらない。
「シンさま。」
「チェギョン、そろそろ様ってつけるの止めませんか?自分の夫に様はないでしょう?
私は普通の男です。貴方を好きなただの男です。」キスは止まり、私を見つめる。
直視できない私は「シン様の嘘つき、顔が良くて、身長も高くて、頭が良くて、性格も良くて、スマートな大人。こんな全てを兼ね備えている人は中々いません。
シン様はシン様です。」ギュッと目を瞑りシン様にキスをした。
腕の中で「仕方ないですね。」さっきの言葉を否定しないで笑う。
私も笑う。
シン様の手がゆっくりとブレザーのボタンを外していく。
私達は時間の許す限り一緒に過ごし、お互いの事を知っていった。
それは、心の中でもありカラダでもあった。
私の指をカレの口元に持っていき、キスをしてくれる。
「チェギョン、朝貴方と離れてから、チェギョンの事ばかり考えていて、仕事にならなかったです。チェギョンに出会った日から、私は狂っているみたいです。」
見上げてくる目は、切ない
「そんな顔しないでください。」私は、シン様のセットされた髪型を壊さないように、ギュッと抱きしめた。
「チェギョンの良い香り、ヤバイですね。」
「ずーっと一緒にいます。貴方の傍から離れません」この言葉に包まれて私達は幸せに過ごしていた。
ある朝、目を覚ます。
何時もと変わりないシン様の部屋の、いえっ私達の部屋の天井。
カーテンの隙間からは、太陽の日差しが差し込んでいる。
昨日の夜も、シン様は私に教え込んでくれた。
急速に覚えた体は順応にシン様に従う。
もーーー!昨日の事を思い出しちゃって、顔が赤くなる。
「シンさま・・。」何時も私を抱き寄せて寝ているのに「あれ?シン様?」体を起こして隣を見ると。
いない。
隣にいて寝たはずなのに、シーツを触ると冷たい。
結構前からいなくなっていたんだ。
起きたのかな?
シン様が見えない私は不安になり、色んな部屋を開けていったが、どこにもシン様の姿はいなかった。
どこを探してもシン様の姿はいない。
ベットのサイドテーブルにあるスマホも。自分のしかない。
スマホを開くと、オールバックでスーツ姿のシン様がコーヒーを飲んでいる姿が写っていた。
私の一番のお気に入りなのに、涙がジワーっと溜まり始めてきた。
何処にいちゃったの?
シン様のスマホに、何度もスマホにかけても出てくれない。
シン様の秘書のコンさんも出てくれない。
部下のキムさんにかけても、出てくれない。
「シンさまーーーっどこにいったの?ずーッと傍にいるって言ったじゃない。」床に座って涙がボロボロと溢れ出ていった。
この広い部屋。
ただ一人取り残された私の涙は止まる事を知らなかった。
その頃、スーツの上着を控えている男に渡したイ・シン。
ネクタイも外して渡す。
ワイシャツのボタンを外して、ゆっくりと脱いだ。
これも渡して、扉を開けた。
大きく深呼吸をして、その部屋に吸い込まれるように入っていった。
皆様、こんばんは。
今日のお話は大人なお話がいっぱいあって消すのに指が疲れました。(笑)
何たって大人なシン様だから、意外と細かく書いていて自分でもビックリしました。
ヤフーでこのままアップしていたなんて、なんて度胸のある私。(笑)
ここのブログは健全なので、堂々とアップしていきます。
では、何時も皆様の訪問有難うございます。
おやすみなさい
可愛いチェギョンが、頬を染めてオレを見上げる。
シンプルだが、彼女の指に良く似合う。
「これの男用は?」ギョンに言う。
「あるよ。」ニヤッと笑う。
さっき、チェギョンのお友達にしつこいギョンを、見えない角度でパンチをお見舞いした。
ボソッと小さな声で「オイ、いくら好みの女見つけたからって、がさつくな。」低い声はギョンをイイ子にさせる。
「・・すまん、そうだよなー。知らない男に言い寄られたら、嫌だよな。ちゃんと、大人の対応する。」パンチを食らったわき腹を痛そうに押さえながら、頷く。
「判れば良いです。」にっと笑って離れた。
ギョンから、男物も出してもらい、指に嵌めて彼女の左手を見比べる。
オレは、チェギョンを見て「完璧だ。」笑う。
「ギョン、これに決めました。カードで支払います。」胸元から財布を取り出し、カードをギョンに渡す。
チェギョンは、大事そうに指輪を嵌めた手をガンヒョンに見せていた。
ガンヒョンに何かを頼んでいる風。
嫌々ガンヒョンはチェギョンの頬を、ギュッとつねった途端。
「痛い!」頬をさすりながら「夢じゃないんだね。」
「夢じゃないよ。そのフワフワと浮いている心をしっかりとしなさい。」背中をバン!って叩かれていた。
二人のやり取りを見て、笑っていると。
ギョンが「お前の嫁になった子、確かに可愛いけどな。」
「ギョン、私の妻に手を出したらどうなるか、判ってるでしょうね。」
「ひっ!お前の嫁に手を出す奴なんか、いないって!韓国の男なら皆知ってるんぞ。おーー、こわっ!」
「判っているようで、良かったです。」
「お前が高校生とな。人生何が起こるのか、判らないな。」いろんな手続きをしている時、ギョンと話し合う。
「それと、嫁を貰ったと言う事は、とうとう。後継ぐんだな。」
「そうですね。まっ、後継者として育てられていましたからねー。」
「今じゃ俺も、親の跡を継いで、この店達をまかされて、やんちゃな事はもうしてないけど、お前に何かがあれば一目散に駆けつけるからな。」胸を張る。
「頼もしいですね。」
「インもそう思っている。俺とインはいっぱいお前に世話になったからな。」
「なんたって若かったから、色んな悪さしてました。あっ。段々思い出してきました。いつもギョンの尻拭いをしていたのは、私でしたよね。」眉間に皺が寄ってくる。
「わーー、思い出すなって!ほらっ、もう支払いは終わったから。」リングケースの入った紙バックを受け取り、背中を押された。
私は彼女の新しい指輪が輝いている左手をギュッと握り「行きますよ。」声をかけた。
彼女は私の左手を見つめ、にっこりと笑う。
あーっ、どうしてそんなに可愛い顔で見るんですかー。
押さえきれなくなった私は、ギュッとチェギョンを抱きしめて、溜息を吐く。
「ヤバイ、やばすぎます。」
「シン様?」ギュッと抱きしめられているチェギョンは、私を見上げる。
「心臓が壊れそうです。」ギューーっと抱きしめる。
「シンさま。」
「まったくどこでもイチャイチャと。二人の頭の上に、ハートがいっぱい浮かんで見えるわ。」
「まったくシンがなーー。」スマホを出して、カメラを起動した。
カシャっ
「これを、インとファンに送るっと。」指で操作しているチャラ男。
「イ・シンさんのお友達なんですよね。」
「白鳥。高校の時からの友達なんだ。」送信ボタンを押した。
「白鳥って、私そんなんじゃないです。ちゃんと名前で。」
「いいんだ。君は俺にとってようやく現れた白鳥なんだから。まったく、シンの嫁といい、白鳥といい、恐るべし高校生。」腕を組み、うんうんと頷いている。
「あの人の事、このまま信じてもいいのかな。」
「シンほど信頼できるヤツはいない。10も離れた婚約者がいるから、誰の事も愛さなかった。ある意味、愛に飢えていたのかもな。あんなシン見た事がない。」ニヤニヤ笑いながら言う。
「最初言ってましたよね?イ・シンさんには綺麗な女の人達がいるって。」じーっと見る。
「白鳥、そんな綺麗な顔で見つめてくれるなんてヤバイ。俺もシンのが移ったか。」自分の心臓を抑えて、呼吸を繰り返す。
「・・・・・・。」目の前のチャラ男。
冗談でやっているようには見えない。
今付き合っている彼氏は、こんな風にはしてくれない。
「ああ、男の事情って事で、言えない。」心臓を押さえながら「白鳥に一目惚れしたが、全部は言えない。」しっかりとした言葉。
大人。
子供な彼氏とは、違う。
イ・シンさんと同じような身長で、良いスーツを着こなしている。
顔もつぶらな目が印象的だ。
この人、チャラそうだけど悪い人じゃないと思う。
「ガンヒョンさん、いきますよ。」イ・シンさんはチェギョンと手を繋ぎ、ラブラブモードで出口を目指していた。
「白鳥、これ俺の連絡先なんだ。あげる。暇な時があったら連絡くれ、必ず出るから、」内ポケットから高そうなカードケースが出てきた。
そこから一枚カードを引き出し、私に差し出した。
「・・・。」どうしよう、もらうべきか断るべきか。
照れくさそうにニコニコと笑う大人な人。
自然に手が出て、カードを受け取った。
受け取った途端「待ってる。」にこーっと笑った。
私は、返す言葉が探せなくて、慌ててチェギョン達の方へ逃げた。
外へ出て車に乗ろうと、チェギョンを後部座席に乗せたイ・シンさんが私のとこに来た。
「チャン・ギョンは軽そうに見えますが、中々頼りになる男ですよ。」ニッと笑いながら、自分の席に向かって行った。
ガンヒョンさんを下ろして、チェギョンの実家に行ってご両親に挨拶をしに行った。
初めて会ったのに、人の良さそうなお父上、しっかり者の母上。
とても気に入ってしまった。
オレは、許婚と言う無理やりな結婚ではなく、ちゃんと彼女の事を大事にしますとご両親に誓った。
そうそう、チェギョンのやんちゃな弟君も。
チェギョンを見た時「ブタブターーっ。追い返されてきたのかー?」冷やかしてウロウロしてたが
「まさか!こんな可愛いおねーさんを手放すはずがないですよ。」彼女の後ろから突然現れた私にビックリした弟君。
ボヘーーっとみあげて「ブタ、10才離れたって言って。」
「おねーさんの事、ブタって言っちゃいけないよ。」彼の顔に自分の顔を近づけ、ニコッと笑ったはずなのに。
「ひーー!」恐怖の表情を浮かべる弟君。
「・・・。」顔を元の位置戻し、弟君を見下ろしたら「わーーーーー。デカイ!」
急にワクワクした顔で、オレの事を見上げる。
「さっき、ちょっと怖かったけど、カッコいいーー。」なんですか、この可愛い顔。
チェギョンに似ている。
「私は、昨日から貴方のお兄さんになりました。一生宜しくです。」
「お兄さん!前からカッコイイ兄貴が欲しかったんです!」なんて素直な弟君。
全く、姉と私の姉弟で、下がいなかった私にとって、弟君が可愛いい。
「じゃあ、お小遣いを上げましょう。」胸元の財布を取り出し、10万ウォンをあげた。
「シン様!そんな多くあげちゃ駄目ですって!」チェギョンはオレを止めるけど
「初めてできた弟なんです。何でも私を頼ってください。」弟君の頭を撫でた。
車に乗った途端涙ぐむチェギョンを引き寄せ「良い家族ですね。貴方はあの良い人達に育てられたんですね。」彼女の頭をポンポンと撫でながら、癒してあげる。
「シン様。」
「あの良い人達から離してしまった私。謝りませんよ。私がいます。
チェギョンには、ずーっと私がいます。来年になったら子供作りましょう。貴方が寂しいと思うなら10人くらい子供作りましょう。」笑う。
「シン様、10人なんて無理ですよーー。それに私みたいな子供が、子供生むのは。」
「私が、チェギョンとの子が欲しいんです。できれば、貴方に似た顔の子が欲しいです。」ちょっとテレながら言った。
「シン様。」私はチェギョンを抱きしめて、安心させようと・・髪の毛にキスを落とした。
ようやく自分達の家に戻り、彼女への荷物の置き場所を教える。
「チェギョン、ここは貴方専用の部屋ですけど、ちゃんと眠る時は、私のベットに来るんですよ。」
念を押しておかないと。
「・・・はい。」ぽーーっと赤くなる彼女。
「オヤッ意味が判るみたいですね。昨日のこと思い出しましたか?」にやっと笑う。
「シン様は意地悪です。」真っ赤になりプーっと膨れる。
あ、無駄に可愛い。私の手は彼女の手を取り、ソファに誘った。
今日もキムさんの運転で学校から、シン様の会社まで送って貰う。
担任に捕まって、今日は遅い時間に、何時もの道を通っていた。
早く着かないかなーと思っていると、電話のベルが鳴った。
スマホの表示画面にはシン様の名前が慌てて押す。
「あっ、シン様!」
「チェギョン、今日は遅いですね。」何時もの良い声が私の耳に響く
「今、キムさんに頼んで、急いでもらってます。先生に捕まって遅くなってしまいました。」シン様の声で、昨日の耳元での集中攻撃を思い出した。
「チェギョン、早くしないと浮気しちゃいますよ。」電話の向こうからは真剣な声。
「ダメですーーーー!シン様、浮気なんかしちゃダメーー!」運転席のキムさんまで聞こえる大きな声で叫んだ。
「じゃあ、早くしてください。」プチッと切れた電話。
「キムさん、大変です!早くしないと、シン様が浮気するって。急いでーーーくださいーーー!」
「ハイ、奥様。でも社長は奥様の事溺愛してますから、浮気は絶対にありえませんよ。」キムさんの堅実な話し方に
「浮気しないのは判ってますけど、キムさん、早くお願いします。」
「奥様の仰せられるように、キムは運転に集中します。」滑らかにスピードを上げていく高級車。
あっという間に、シン様の経営する大きなビルの正面玄関に着き、キムさんが扉を開ける前に、自分で開けてしまった。
「今日は許してくださいーー!」走りながらはしたない行動を謝る。
エレベーターに乗り、最上階のシン様の仕事場を目指す。
慌てている私はエレベーターの中でも、足踏みをずーっとしていた。
最上階に着いて、シン様の部屋を早歩きで目指す。
大きな扉が見えた。
イ・シン経営コンサルトと言う名札が私を誘っているように見えた。
扉を開けると、受付のチェおねーさんが私を見て「社長が首を長ーくして待っておられます。」深々と頭を下げる。
「チェおねーさん、ありがとうーー。」
一本の廊下の両脇には、部屋が並んでいる。廊下を早歩きをして突き当たりの社長室を目指す。
扉を開けると同時に「シン様ーーー!遅くなりました。」大きな声でガラス張りの前に立つシン様に抱きついた。
「チェギョン、遅くて浮気をこれからしに行くとこでしたよ。」言葉ではそう言いながら、後ろから抱きついた私の指に自分の指を絡める。
二人の結婚指輪が重なり、キラキラと光る。
「シン様、浮気は絶対にダメです」カレの背中に自分の顔をくっつけて、はっきりと言う。
「冗談に決まっているじゃないですか。私にはチェギョンだけです。他の女は皆、野菜にしか見えません。カボチャ、ジャガイモ。」私の指を外して、私と向き合う。
私の顔を、シン様の大きな手が包み込む。
「今日も無事に私の元に帰ってきてくれて、ありがとうございます。」シン様の顔が近づいてきて、重なる唇。
ゆっくりと重なった唇は、気持ちまで伝わるようだ。
「シン様のとこにしか、帰りません。」
「そうですか、嬉しいですね。」カレのキスは止まらない。
「シンさま。」
「チェギョン、そろそろ様ってつけるの止めませんか?自分の夫に様はないでしょう?
私は普通の男です。貴方を好きなただの男です。」キスは止まり、私を見つめる。
直視できない私は「シン様の嘘つき、顔が良くて、身長も高くて、頭が良くて、性格も良くて、スマートな大人。こんな全てを兼ね備えている人は中々いません。
シン様はシン様です。」ギュッと目を瞑りシン様にキスをした。
腕の中で「仕方ないですね。」さっきの言葉を否定しないで笑う。
私も笑う。
シン様の手がゆっくりとブレザーのボタンを外していく。
私達は時間の許す限り一緒に過ごし、お互いの事を知っていった。
それは、心の中でもありカラダでもあった。
私の指をカレの口元に持っていき、キスをしてくれる。
「チェギョン、朝貴方と離れてから、チェギョンの事ばかり考えていて、仕事にならなかったです。チェギョンに出会った日から、私は狂っているみたいです。」
見上げてくる目は、切ない
「そんな顔しないでください。」私は、シン様のセットされた髪型を壊さないように、ギュッと抱きしめた。
「チェギョンの良い香り、ヤバイですね。」
「ずーっと一緒にいます。貴方の傍から離れません」この言葉に包まれて私達は幸せに過ごしていた。
ある朝、目を覚ます。
何時もと変わりないシン様の部屋の、いえっ私達の部屋の天井。
カーテンの隙間からは、太陽の日差しが差し込んでいる。
昨日の夜も、シン様は私に教え込んでくれた。
急速に覚えた体は順応にシン様に従う。
もーーー!昨日の事を思い出しちゃって、顔が赤くなる。
「シンさま・・。」何時も私を抱き寄せて寝ているのに「あれ?シン様?」体を起こして隣を見ると。
いない。
隣にいて寝たはずなのに、シーツを触ると冷たい。
結構前からいなくなっていたんだ。
起きたのかな?
シン様が見えない私は不安になり、色んな部屋を開けていったが、どこにもシン様の姿はいなかった。
どこを探してもシン様の姿はいない。
ベットのサイドテーブルにあるスマホも。自分のしかない。
スマホを開くと、オールバックでスーツ姿のシン様がコーヒーを飲んでいる姿が写っていた。
私の一番のお気に入りなのに、涙がジワーっと溜まり始めてきた。
何処にいちゃったの?
シン様のスマホに、何度もスマホにかけても出てくれない。
シン様の秘書のコンさんも出てくれない。
部下のキムさんにかけても、出てくれない。
「シンさまーーーっどこにいったの?ずーッと傍にいるって言ったじゃない。」床に座って涙がボロボロと溢れ出ていった。
この広い部屋。
ただ一人取り残された私の涙は止まる事を知らなかった。
その頃、スーツの上着を控えている男に渡したイ・シン。
ネクタイも外して渡す。
ワイシャツのボタンを外して、ゆっくりと脱いだ。
これも渡して、扉を開けた。
大きく深呼吸をして、その部屋に吸い込まれるように入っていった。
皆様、こんばんは。
今日のお話は大人なお話がいっぱいあって消すのに指が疲れました。(笑)
何たって大人なシン様だから、意外と細かく書いていて自分でもビックリしました。
ヤフーでこのままアップしていたなんて、なんて度胸のある私。(笑)
ここのブログは健全なので、堂々とアップしていきます。
では、何時も皆様の訪問有難うございます。
おやすみなさい