「あっ!すみません。ちょっと止めて貰っても良いですか?」

オレの家に向かっていると、急に言葉で止められた。

仕事でも、プライベートでも、強気な態度で定着しているが、女性には優しいつもりだ。

車は、自然に止まる。

「すみません、ちょっと夜ご飯の買出しに行ってきます。」それだけを言い、さっさと降りて行った彼女。

オレの言葉も聞かずに、なんてヤツだ。

10分位で帰って来た手には、スーパーの紙袋。

車の外で、タバコを吸っていたオレは、彼女の重たそうなスーパーの袋を持ってあげようと、手を差し伸べた。

「あっ!大丈夫です!力持ちなので、この位平気です。」ニコッと笑う。

オレとの付き合いが一番長い女は、オレにカバン重いから持って頂戴--っと甘えてくる。

他の女達は、自分から持ってやるが、コイツは自分で持つと言う。

助手席のドアを開けてあげようと回ると、勝手に車に乗っていた。

シートベルトを引っ張り、又やれなくてモタモタしている姿に、なぜか微笑んでしまう。

タバコを口に銜えながら、ドアを開けて、シートベルトに手を掛け、カッチと音を鳴らした。

真っ赤な頬で照れ笑いする彼女。

「ありがとうございます!」子供ような笑顔に、呆れる。

無防備。

今日初めて会った男の車に乗って、そんな顔したらお前絶対に。

ドアをバシッと閉めて、タバコを深く吸い込んだ。

フーーーっと夜空に向かって吐き出した。

女?嫌、少女?嫌子供。

28才、健全な大人の男に、18才、健全な子供。

1週間どうする?眉間に皺が寄る。

運転席のドアを開けて、座る。

横をチラッと見ると、まだまだ頬が赤くモジモジしている。

溜息を吐き、運転し始めた。




家に着き、彼女を中に案内した。

「ここが私の部屋です。好きなように使って下さい。」

「こんな広くて、綺麗なお家、初めてで。」

「私の実家はもっと凄いですけど。」

「あっ!そうですねすみません。でも、どっちもテレビで見るような豪邸ですね。」キョロキョロしている。

「チェギョンさんの荷物は後から?」彼女の姿を見ると、バックとスーパーの袋と、スーツケースだけ。

「いえ、これだけです。元々荷物多くないんです。」苦笑

リビングとキッチンは繋がっていて、彼女は中に入った途端「おしゃです!」目が輝き始めた。

「わーーー!センス良いですね。」家具やファブリック、キッチン道具、全てをキョロキョロと見渡している。

「学校で美術科だから、こういうのに目がないんです。」ワクワク目はますます、輝く。

オレは、スーツの上着を脱ぎ、ソファに置いた。

「あっ!夜ご飯作りたいんで、キッチン貸してください。」スーパーの袋を台に乗せて、笑う彼女。

制服の上着を脱ぎ、ベストも脱ぎ、ワイシャツ姿で、キッチンに立つ。

オレは、腕まくりをして、ソファの角に座って彼女の事を見ていたが。

すっと立ち上がって、キッチンに向かう。

「今から、キムチ鍋作るんですよ。私が作るキムチ鍋、自分でも言うのもなんですけど、美味しいんです。大分寒くなってきたから。」話していた彼女の腕を掴む。

「1週間のお試し期間、やる事はいっぱいあります」見上げる彼女の目はまだまだ純粋な目のままだ。

「なんでしょうか?食事作ってから。」

「嫌、中学校、高校と保健体育習いましたか?」

「はい、学校は休まず行きました。」?マークの表情。

「子供がどうやってデキルのか、知ってますか?」眉間に皺を寄せながら聞く。

ボンっ!と真っ赤になる顔。

「・・・なんとなく。男と女が一緒に寝ると,次の日にできるって聞きました。」ポソポソと言う。

これはヤバイレベルだ。

ふかーーーい溜息を吐き、彼女の体を持ち上げ、軽い。

今までの女達よりも軽い。

ちゃんと、ご飯食べてたのか?

オレの肩に乗せて、ソファに投げた。

「イタッ」顔をしかめる。

「シン・チェギョンさん。その程度のレベルで、結婚大丈夫ですか?」オレは彼女の体の上を跨いだ。

そして、力強く肩を動かないように固定した。

「えっ?動きません、イ・シン様どうしたんですか?」バタバタと暴れる。

「結婚。つまり男と女が一緒に寝るだけじゃないんです。私も健康な28才、毎日これをしたいほうなので。貴方は大丈夫ですか?」

跨いだ体は、彼女の足の間に無理矢理入り込ませた。

オレは太っていないから、体重は重くないがでも、男の体が女の体に覆いかぶさるという事は。

恐怖しかないだろう。

彼女の顔が、変わる。恐怖の色が出始めてきた。

「止めてください、止めてください。」バタバタと動こうとしたが、オレにガッチリと掴まれて、どうしようもならない。

「男って愛がなくてもできるんです。私もそういう男です。現に今こうして、貴方ともでも出来ます。」

彼女の目が見開く。

「男は怖いって。覚えておきなさい。」オレは彼女の体から、パッと離れ、ソファから立ち上った。

見下ろすと、嫌な気持ちが残る。

まるで襲われた後みたいな

ボーーっと涙がボロボロと落ちている

「1週間、ちゃんと考えなさい。結婚と言うのは、ご飯を一緒に食べ、一緒に寝るだけじゃないんです。元々ここには余り住んでないので、貴方が使っていなさい。

許婚の事は、私が上手く断っておきますから、貴方は普通の同い年の男と、普通の恋をして幸せな結婚して下さい。

許婚を断ったからって、貴方の実家の借金を支払ったお金を返せとは言いませんから、イ家は貴方の家如きのお金じゃ、どうもなりませんから。

じゃあ、私は、愛していない女の部屋に行きますから。」ネクタイを外し、上着を取り玄関に向かった。

後ろからは、小さく泣き続ける彼女の嗚咽が聞こえる。

可哀想な事をしてしまったか、後味が悪いが彼女の為にもなる。

私は、18才の子供の為にやったんだ。

戻って彼女の事を、慰めることなんて絶対にしない。

下駄箱から靴を出し、履いて玄関の扉を開けた。

扉を閉めた時、小さな嗚咽も聞こえなくなった。





皆様、こんばんは。

第2話です。

大人のシン様が子供のチェギョンにワザと仕掛けます。

又、文章をカットしましたので、ご理解ください。

では、おやすみなさい。