ジフンと言う地雷を何とか交わし、私とスンジェさんは、お互いチェリーを卒業した。
それからも、私とスンジェさんは、お互いの体を研究し、体の隅々を惚れ惚れと見惚れる
今日も体フェチの私達は、ジフンの寝た後、研究は怠らない。
体フェチだけど・・・、そこには愛があったはず。
この病院への復讐を止めたカレ。
「復讐止めた。あの事故で、母とカナを失ったが。何処へいっても助からなかったと思う。だから、病院への憎しみは終了。
そんな暇あったら、ウネやジフンに愛情注いでいる方が良い。」
そんな事を言いながら私の手を取り広げた先に、ポンと何かを置いた。
うん?T-MONEYカードが2つ。
見上げた先には、照れ笑い顔のカレ。
「君と出会ってから、季節は冬を迎えている。もう自転車は止めなさい。オレが車で送ったり迎えに行けない時は,これを使って、バスや地下鉄を使いなさい。あっ、お金の事は気にするな。月ごとにこのカードに自動に入金するようにしたから。」
「えっ!?スンジェさん!こんなのいらないです。」カレにカードを返そうと
でも、カレは受け取らない。
「オレの彼女に、寒い思いなんかさせたくない。それに寒くてジフンが風邪引いたら、オレの事構ってくれなくなるだろう?」不貞腐れるカレ。
「スンジェさん。だから、私の自転車がいなくなったの?」怒った声
「自転車あったら、乗ってしまうだろう?オレの気持ちが判ってくれたら、これ返す事ないからな」朝のゴハンを作っている時に告げられた出来事。
カレの存在は、急速に大きくなっていく。
お互いの家を行き来しながら、愛を確かめる。
ジフンも大好きなハン先生が傍にいてくれて、毎日が幸せそうだ。
スンジェさんの家に泊まるときには、ソファベットではなく、ゲストルームに新しいベットを買ってもらったジフン。
「ワーーー!ママ!ベットだよ。ポンポン飛べるーー!無邪気なジフンは満点な笑顔。
カレは後ろに回した私の手を取り「この部屋、ジフンの部屋にして勉強机も買うか?」髪の毛にキスをしながら告げる。
「えっ?」
「もう、オレの傍からいなくなるの止めろ。朝起きて、キミがいないのは寂しい。」
私は、カレが寝てから、ジフンの傍に移動する。
だって、ジフンの壁一枚隔てた所で、大人な事情をしているのが、ジフンに悪いような気がして。
「土曜日、鉄道博物館に行った時に、ジフンにオレ達の事言う。良いか?」お昼を食べ終り、カレとのキスを堪能して、後ろから抱きしめられている時に、カレが呟いた。
「・・・・。」
「ウネ?」
「考えさせて下さい。」カレに抱きしめられながら、言われた最高の言葉。
スンジェさんの私への確かな気持ちを聞いて戸惑ってしまった私。
そして、私は診療室を飛び出した。
ナースステーションに飛び込み。
心を休めようと、患者さんのカルテを整理していると。
皆の声が聞こえてきた。
「ハン・スンジェ先生と理事の娘さんの婚約が近々発表になるみたいよ。」
「へーー!これで、ハンスンジェ先生は、この病院の院長のイスは確実ね。」
「最近、ハン・スンジェ先生、ラフな髪型に変えて、ますますカッコ良くなったから、良い恋してるのよねー。」
「ウンウン、かっこよすぎです!私この間、隠し撮りしちゃって。ほらっ見てください。」後輩の看護師が、私の腕まで取り皆にスマホの画面を見せる。
横を向き、誰かと話をしているスンジェさんがいた。
カッコイイ。素直にカッコイイカレの姿に見惚れる。
「ねっ、この隠し撮り凄く良く撮れてるでしょう?で、この話している相手が、あの理事の娘なんですよ。」
「あーッ、凄く嬉しそうに話ししてるね。」
「あ~~~あ。決定的だねー!この病院の独身族1番人気のハン・スンジェがとうとう結婚か~~。それも、病院の院長席付きで。」
私は、最近こういう噂を良く聞くようになった。
カレが元々願っていた、この病院の院長の席が直ぐ手元にきている。
でも、カレは私に必ず言う言葉
「ウネ、愛している。」私を蕩けさせる言葉を告げるカレを信じた方が良いのか。
溜息しかでなかった。
土曜日の開館時間からたっぷりと、オレ・ジフン・ウネ3人は鉄道博物館を堪能した。
って言うか、オレが満足いくまで、帰らなかった訳で。(汗)
夕食を、奮発して高級焼肉店に連れて来た。
「ワーー、ハン先生!ボクこういう所、初めて来た!ママ、此処とっても高そうだね。」
「そうだねママは無理だけど、ハン先生が此処のお金払ってくれるんだって。」
ウネは、今日の日がどんな日か判っているので、ちょっとばかり、オシャレをしていた。
何時も可愛いけど、今日はもっと可愛い。
鉄道博物館で、何度もジフンの目を盗み、ウネへの言葉を伝え、指を絡めて意地悪をした。
その度に、頬を染めるキミを見つめて、今直ぐにでも一緒に溶け合いたかった。
でも、そこは我慢して、2人が手を繋ぎ電車を見る姿を後ろで見ているオレ。
こんな風に毎日、この2人で過ごし、休日を出掛けて食事しに行きたい。
家族と言うのを、すっかり自分の人生から追い出していたので、二人とやること全てが新鮮で愛しかった。
色んなお肉が運ばれ,オレは2人の為に拘りの焼き方で、2人に提供していたが、ジフンに急かされて、途中から、簡単に焼くようになってしまった。
あーッ、オレの肉への拘りが~~。(泣)
でも、お肉を食べたり、大きな口にゴハンを食べる姿を見ると、何も言えない。
「ジフンは育ち盛りだから、この中で一番に食べないとな」ジフンへの焼き上がった肉をドンドンと重ねる。
「うん。早く大きくなって、ハン先生を追い越さないと。ボクもハン先生みたいに身長が空まで届けば良いな」
「あははっ、やっぱジフンはカワイイなー。」何て可愛い事を言うんだ。まったくママも可愛いのに、息子までかわいい。ほんと、オレはこの家族にメロメロだ。
一通りの食事が終り、ジフンはメロンソーダを飲んでいた。
オレは、今が言うチャンスと思い、ジフンに声を掛けた。
「ジフン、ちょっといいか?」
「何?」吸い込んでいるストローは、緑色。
その緑色がなくなったのを確認して、話しだした。
「チュ・ジフン君。何時もオレと遊んでくれて有難う」余り呼ばれたことのない言い方をされて、ビックリするジフン。
「オレには、家族という者がいなくて憧れたことがなかった。でも、キミ達親子と過すようになってから・考え方が変わった。
オレはウネさん、ジフンの事が大好きなんだ。ウネさんと結婚して、オレもキミ達の中に入っても良いか?」
どんな会議での発表よりも緊張したこの時間。
ジフンのストローが止まったままだ。
「ジフン?」
「ハン先生の事好きだけど、ママと結婚するって事?」小さいのにちゃんと理解しようと一生懸命な顔。
「そうだ。オレもキミのママがとっても好きになったんだ。だから3人で一緒に」オレは一生懸命ジフンに。
「嫌だ!ママと結婚するのは、ボクなんだよ!ハン先生とする訳ないよ!」小さな体が、イスから乗り出す。
「えっ?」ビックリした。
ジフンは最初の頃に比べて、大分オレに懐いてきたと思っていたのに反対された。
「なんで?ハン先生に言ったじゃないか!ママはボクと結婚するって!だから、ボクのママと結婚しようとする、ハン先生何か嫌いだーーー!」ジフンは、涙をボロボロと流しながら、この個室から飛び出して行った。
オレは慌てて追いかけようとしたけど、彼女が「私が行くから、スンジェさんは家に戻って。」彼女は2人分のコートとジャンパーを持ち、慌てて部屋を出た。
えーーーっと。上手く思考が出来ない。
結局は結婚を断られたって事か?
イスに凭れて、ボーっとしていたオレだが、ようやく立って家に帰ろうと個室を出たときに、LINEが鳴った。
-今日は、このまま家に帰ります。スンジェさんの家には行きません。おやすみなさい。-
マジかよ。
スマホを握り締め、待ち受けの画像を見る。
ウネとジフンが凄く嬉しそうな笑顔で、写っている。
涙が出そうになる。
ジフンの為に、ベットを買って、勉強机まで注文したのに。
彼女の為に、キッチンの冷蔵庫の脇にスライド出来る、細い棚も注文したのに。
2人に美味しいご飯を食べてもらいたくて、炊飯器も新しくしたのに。
ジフン用の車のイスも買った。
2人が欲しいモノなら、何でも買う気満々だったのに。
着々と、3人家族への道は出来ていたのに、オレの早合点か?
3人で暮らすのは、無理なのか?
口元に手を当て、嗚咽が漏れ出す。
暫く動けず、そこの部屋に一人でいたが、ようやく帰ろうと立ち上がった。
車に向いながら、このまま落ち込んではいけない!と気持ちを切り替えた。
彼女にLINEを打つ
ーこれから、そっちに行ってジフンと話ししたいんだが?-
ーもう、ジフン寝ちゃったから、話せないわー
ー仕方ないな。明日ジフンを説得に行く、おk貰えるまで、キミの家に通うよ。-
ーその気持ち、嬉しい。-
ーキミへの気持ちは本気だから、キミとジフンを幸せにしたい。この気持ちジフンに判ってもらうまで頑張るさ。-
ーありがとうー
ーじゃっ、お休みー
ーおやすみなさいー
彼女との短い会話でも、ホッとする。
外に出ると、冷たい風が体に突き刺さる。
この寒さの中、あの2人は歩いて行ったのか?全くオレを頼って欲しい。
車に乗り込み、自分の家に向った。
次の日、スーツの上着を着ようとしたら、LINEが鳴った
ーおはようございます!今日はジフンが熱を出したので、仕事休みます。職場のほうには連絡しておくので、よろしくお願いします。-
相変わらず、律儀な文面だ。オレは笑いながら
ー熱が出たのか?今からみにいくか?-
ー凄い熱じゃないの、ジフンの我侭で保育園には行きたくないってー
ー今日、仕事終わったら、キミの家に向うから、ジフンを診てあげていて、-
ーありがとうございます!今日も一日、お仕事頑張って下さいー
ーじゃあ、行ってくるー
ーいってらっしゃいー
スマホの電源を切り、まるで夫婦のような会話に一人で笑ってしまう。
早く、この家に2人を呼び、本当の家族になろう。
病院に着くと、理事からの至急な連絡があった。
理事室へ至急来て欲しいと。
理事室の扉を開けると、そこには理事・院長・分野事のお偉い医師達が立っていた。
オレはこの状況が判らず?マークを出していると、理事が口を開いた。
「これで、皆さんお集まりになりました。朝一の急な集まりに、答えてくださり、有難うございました。
さて、毎日忙しく仕事をしていただいている方々へ叉、忙しくなる事を告げます。
我が病院の体勢を変えます。
そのプロジェクトの名前は「メディカル・トップチーム」です。
韓国でも有名な医師が集うこの病院を、韓国!嫌世界一の水準まで持ち上げて欲しいのです。
日々の業務をしながらのTOPレベルへの引き上げを狙う為、もっと忙しくなると思われますが、どうか選ばれた皆さんに承諾して欲しいです。
「メディカル・トップチーム」のリーダーは、若いながらも素晴らしい能力をお持ちのハン・スンジェ医師に勤めて頂きたいと思います。
皆さん、どうでしょう?反対のお方は居られますか?」ニコニコと微笑む理事の顔には、反対させないぞ!と言う強い意志が見えた。
皆からの反対意見が上がらず、オレは「メディカル・トップチーム」のリーダーになった。
急に起こった出来事に、驚きが隠せない。
この病院への復讐が終わったのに、思わぬところからのTOPの座がオレに転がり込んできた。
皆が去り、理事と二人になった時「ハン先生、突然の事でビックリなされたでしょう。
でも、韓国一の内科医ならこの「メディカル・トップチーム」のリーダーに相応しいです。
それに、うちの娘も、やはり貴方が良いそうで。
結婚した暁に、院長いやこの韓国一の病院丸ごと、貴方のものです。」真剣な顔
理事の娘。
ウネに夢中ですっかりと忘れていた存在。
廊下ですれ違っても、挨拶する程度で全然眼中外だった。
オレがあの全身整形女と?有り得ない。
体フェチを満足させるオンナはウネだけだ。
でも、オレは「メディカル・トップチーム」の魅力を捨てきれない。
復讐を止めたオレは、純粋に医学を改めて学びたいと思い始めていた。
ウネとする度に、体の神秘を知る。
医学者では、教えてくれない。
彼女の魅力、肌の質の柔らかさ、何時もカワイイ口元、あの綺麗な足。全てが自然に出来た物なんて、信じられない。
完璧な体の構造は、どうしてなるのか?もっと追求したい。
もっと。もっと深く彼女の中まで入っていきたい。
本当は、動画に収めて研究しまくりたいけどそれは彼女が嫌がると思って、オレの目に脳に記憶させようとするが、無理だ
毎日お互いの家に行き、愛を体を確かめ合う。こんなベストパートナーはいない。
「ハン先生?」
ハッと気がつき「考えておきます」返事をした。
「ハン先生、聞きましたよ!「メディカル・トップチーム」の件、それのリーダーに就任とは」今日のオレをサポートしてくれる看護師のリーダーが褒める。
「いえ、まだ本決まりじゃないですよ。」
「何言ってるんですか!ハン先生は若いのに、韓国一の内科医じゃないですか!?当たり前の席です。」
「まあまあ、そのことより今日の診察を始めましょう」
「そっ、そうですね。ユン看護師の代わりに今日は頑張りますからね。」
「よろしくお願いします。」
メディカル・トップチームの事を彼女に伝えたかったが、今日の業務が始まる
仕方ない、昼にLINEで伝えようと思った。