「シン!会いにきたぞーー」何時もの3人がぞろぞろと入って来た。

オレはジロリと睨みつけ、呆れたように声を出す。

「お前らの会社は大丈夫なのか?」書類に書いていた手を止める。

「やる事はやって来たさっ。何たって今日はなーーーっ、チェギョンの手料理が食べれる日なんだ。仕事はサッサと終わらせてきた」ギョンが嬉しそうに言う。

「そうそう、チェギョンの手料理はそこら辺の店屋より上手い」色んなとこに食べ歩いているインが、褒める。

「シン!?チェギョンの料理、ブログに載せても良い?」ファンがカメラを片手に、オレに了解を得ようとしている。

「全く、お前ら普段高級な料理ばっか食べてるくせに。」

「それより上手い。何たってチェギョンの愛が入ってるもんな」ギョンは軽く言ってしまった。

「あっ!馬鹿!お前」インがオレを指差す。

無表情を装いながらも、眉間には皺が寄っていた。


「ギョン!お前には食わせん」

「そこを何とか!イ・シン様ーーー」ギョンはオレに縋りつく。

「オレはゲイじゃない」蹴りを入れて振り払う。

全くこの3人とは高校からの付き合いで、まだこんなオレと付き合ってくれている。

それも1年位前までは、殆ど音沙汰なしのICEMANだったのに。

全くコイツらには頭が上がらない。

「それにしても、机の上の写真たて。チェギョンとジフンだらけだな。」インが1つの写真たてを持ち、笑う。

「ジフンって、お前にやっぱ似てるな。」

「チェギョンに似れば、もっと可愛かったのに。」ギョンは残念がる。

ギロッ。

「なーーッ、パソコンもIPHONEもIPADも待ち受けが2人だろう?ドンだけ、好きなんだよ」インが呆れる。

「好き過ぎて毎日困ってる。」笑う。

「ICEMANは、本当にいなくなったな。」オレの肩を叩く。

「シン、お前まだジム続いてんの?」インが聞いてくる。

「あぁ、午後に1時間ほど汗流してきた。」

「よく続くな。おっ!ちょっと立ってみろ」言われめんどくさそうに立ち上がる。

3人はオレをジロジロと見回す。

「オイ見過ぎだ」

「イヤイヤ、帰ってきた時よりも筋肉付いたなーー。帰って来た時は、ガイコツだったな。」

「そうそう、骨と皮しか、なかった。」しみじみ。

「昔のチャラ男の姿がなかったよなーー」3人は勝手に言い合う。

「フン!勝手に言ってろ!」オレはスーツの上着を取り出し、コン秘書を呼ぶ。

「車、出してくれ。」

3人はまだニヤニヤ前を思い出している。

「オイ、今日はお開きにするか」冷たい目で言う。

「それはご勘弁!」扉を開けて出て行こうとするオレの後を、3人はついて来た。








オートロックが外れ扉が開く。

「シン君!お帰りなさい」チェギョンがジフンを抱き、パタパタとスリッパを鳴らし出迎えた。

オレはようやく彼女とジフンの顔を見れてホッとする。

お帰りなさい、彼女のこの言葉でオレの肩から社長と言う肩書きがいなくなる。


「ただいま。」この言葉を言った途端、オレはチェギョンの夫・ジフンの父親に戻れる。

オレと彼女は抱き合い、頬にキスをする。そして、ジフンにも。

「全く、俺達もいるんだぞ。チェギョン、ジフン久し振り」3人の声がハモる。

「だから頬で我慢している。」ムスッとして答える。

「シン君、怒んないの。3人共久し振りだね。早く中に入って」手招きをしている。







「イヤーーーッマジで上手いーーー!!」3人はチェギョンの手料理を、上手い、上手いと皿を片付けていく。

オレはジフンの相手をしながら、ゆっくりとしたペースで口に運ぶ。

もう普通食も食べれるようになったオレは、チェギョンが作ったものを美味しく食べる。

ジフンはチェギョンに似て、誰が触ってもニコニコ笑う。

きっとオレなんかに似たら、ギャーーーッって泣いてばかりだろうな。

顔がオレに似て、性格はチェギョンか。

「コラッ、ジフン。それに手をつけるな。」色んな事に興味を持ち始めたジフンはテーブルの上を探し始める。

「何度見ても不思議な光景だ。シンが赤ちゃんをあやす姿。高校の時には、想像もできなかった

絶対、赤ちゃんなんか要らないって言う感じだったな。それが1番早く持つなんて。」インが思い出す。

「あのチャラ男がねーー。」

「シン、子供嫌いだったよね。」ファンが不思議がる。

そこに、チェギョンが大皿を持ってきて、「ハイ、チャプチェーーー!シン君、ジフン大丈夫?」

「未だ、ミルクの時間じゃないだろう?」

「2時間前に飲んだ時、何時もより飲まないで眠っちゃったから、もしかしてそろそろ愚図がるかも・・。」とジフンの頬を指でつっつく。

その光景を見ていた3人は「何か、いいなーーー。」

「オレも奥さん欲しくなったーーー」

「僕は子供欲しい。」

「チェギョン!シンが嫌になったら、オレがジフンとチェギョンの世話するぞ」

「ギョン!てめーー!」荒い声を上げる

「シン君!ジフンが驚いてるって。」慌ててジフンを見ると、もう泣き始めた。

「悪い」オレからジフンを抱き上げ、彼女はあやしたが泣きやまない。

「シン君、ミルクあげてくる。」彼女はジフンを抱き、ジフンの部屋に行った。ジフン泣かせたな、」ギョンが謝る。

「気にすんな!もう寝る時間だったから。」

「そっかーっで、質問です。ミルクって粉ミルク?」

「イヤ、母乳。」チャプチェを口に運びながら、ボソッと言う。

「おーーーーーっ!マジかーーー!?」酒の入った3人はこんな事で興奮し始めた。

「オイ、お前女には不自由してないだろう?」

「やっぱなーーっ。あの可愛いチェギョンが、お前ずるいぞ!」

「良い事ずくめじゃないか」

「ジフンが一生懸命、母乳飲むとこ見てーー。」ギョンがニタ付く。

「オイ!想像するな!チェギョンはオレのもんだ。ぜってーーーッ、考えるなよ」とオレは3人に指をさした。

冷たい目が3人を凍えさせる。

ICEMAN復活!







すみません、もう眠いです。

皆さん、いつも来ていただき有難うございます・