私達は、お互いの事を知ろうと、毎日寝る前に話し合う。

ウトウトとしながら、お互いの面白い話や、失敗した話・色んな事を語り合い、眠りにつく毎日。

カレは王立大学に通い、経営に役だつ学部にいる。

私は、将来の夢はデザイナーなので、専門学校に通っていた。

授業が終わり、皆とガヤガヤと笑いながら、外に出ると。

カレが車で待っている。

お金持ちのカレは、私が見たことも無い車を持っていた。

実家の車は、小さい車で燃費が最高に良い車だった。

でも、カレの車は、滑らかなデザインがカッコいい。

やっぱり、夢はデザイナーなので、デザインにはうるさいつもり。

「ホラッ、ダンナが待ってるよ。」親友のガンヒョンがあごで指す。

「本当だ!シン君~~!」手を降りながら階段を降りていく。

「全く、突然結婚しましたー!メールと画像にビックリしたんだからね。

何たって、アンタがずーッと片思いしていたやつとするなんて、小説のようだわ。」ガンヒョンが呆れる。

「本当だね、毎日が夢みたい。朝起きるとね、シン君がいるの。起きている時もあれば、寝ている時もあるんだけどね。毎日私だけが見れる特権なんだーって、一人でニヘ二へしていると、鼻を摘まれるの。フガッという音を出ちゃうじゃない、それを聞いたシン君。仔豚ちゃん。って笑うのよ~~!」トロ~ンとなる。

「アンタ、嫌味言われてるのよ!」

「オイ!オレの妻にあんまり変なこと吹き込むな。」車から降りて、私の事を待っていたカレがガンヒョンに言う。

「チェギョン!いい!コイツは金持ちが面白がってした結婚なんだから、ちょっとでも妖しかったら家出しなさいよ!」

「オイ!ガンヒョン!ちゃんとした結婚だぞ!一目・ぼ・れ!」

ガンヒョンは、しかめっ面をして舌を出してベ~~~ッとシン君に向けた

「ガンヒョン!シン君の事認めてよーー」

「嫌です。こんな純情なウサギを食べた狼を許すはずがない」睨む。

「狼って、オレ?」

「そうよ!遊びまくっていたって話でしょッ」

「そこそこにね。でも、もう止めたし。オレの奥さん、泣かせたくないからね。」車のドアを開け、私を乗せてくれる。

「こう見えても一途なんだ。」私の手を取り、指輪にキスをする。

「イヤーーーッ!ザワザワする。」腕を擦る。

ドアを閉めながら「ガンヒョン、まだだろう?早く恋をしろって!毎日が楽しいぞ。」と笑いながら、運転席のドアを開け座った。

「うるさーーーい!」ガンヒョンは怒りまくった。









部屋に帰り、私はさっき買ってきた材料をキッチンに持っていこうとしたら

カレが何も言わずに、又自分で持ちすたすたと歩いていく。

私は、カレのさり気無い優しさが好きだった。

毎日優しくされ、甘やかされ、毎日求められ、私はシン君がいないと生きていけないんじゃないかなーと思う位に、カレの事を好きになっていた。

「今日の晩飯は?」

「キムチチャーハンとスープに餃子鍋。」

「ふふ~~ん、オレの好きなもんばかり。さすが奥さん」私の鼻に自分の鼻をくっつけた。

急にカレの顔が間近で、私はボンッと噴火したように真っ赤になった。

「チェギョン、可愛すぎる。」軽く唇を合わせる。

「シン君、ダメ」

「何で?」又、キスをする。

「だって、キスだけじゃ終わんないもん、夕食の準備。」

「朝からずーッと我慢してたんだぞ!や・ら・せ・ろ」ニヤリと笑う。

ボボボッ~~~~~!とますます赤くなる私。

下を向いている内に、カレに抱っこされてソファに雪崩込んだ。

「オレと夕食、どっちがいい?」笑う。

「ずるいよーー!シン君を大好きな事、知ってるくせに」

「で、どっち?」カレは私の服を脱がし始めた。

「ねえ?なんで返事もしてないのに、脱がせるの?」

カレは「答え決まってるから。」笑うと印象が変わるカレに、私は何度も恋をする。

あなたの事、大好きです。








毎日、楽しく暮らしていた。

突然の結婚だったけど、2人仲良くやっていってる。

私は、カレの趣味のカメラの暗室場所のドアに前に立っていた。

ここって、1回も掃除した事がないな。

シン君に聞きたいけど、まだ帰らないから、ちょっと掃除機かけようかな。

ただ軽い気持ちで、入った部屋。

真っ暗だと思っていた部屋は、赤いランプが一つだけついていて、何か妖しい。

あっ、写真かな?一杯下がっている。

何気にその写真を見て、私の目が見開いた。


ミン・ヒョリン。


私は下がっている写真を触らずに、皆見た。

そこには、色んなミン・ヒョリンが写っていた。

その写真からは、カレの彼女に対する愛情が溢れていた。

どれも、愛しているという言葉が聞こえてきそうな写真。

ただ顔を上げて、ぼーーーッと暗室に私は立っていた。








「ただいま」

キッチンでいる私は、シンクに居ながら「お帰りなさい。」言った。

「あれ?何で泣いてる?」心配そうに見つめる。

「ホラッ、見て、たまねぎいっぱい剥いていたら、涙止まんなくてーー。」ボロボロと出る涙。

「そんなに、剥かないとダメなのか?」私の涙を拭く。

「うん。いっぱい入れた方が美味しいんだから。」涙顔で笑う。

カレは私を後ろから抱きしめ

「チェギョン、オレって幸せもんだな。こんなに良い奥さん貰えるなんて、一生分の運使ったな。」私の肩に顔を埋める。

ボロボロ泣きながら悲しく笑う私の顔を、カレは見えていなかった。










「チェギョン。」

「今日、何時もと違った。何かあったのか?」

今の内に良い言い訳考えないと。

カレの熱に翻弄された私は、言い訳なんて考えられる余裕はなかった。

「それに自分から誘うなんて。」私の頬をカレは親指で撫でる。

シン君。切ない顔でカレの事を見てると

「あーー!なんでそんなに可愛いんだ!反則だ。」優しくキスをする。

「シン君大好き。」自然に涙が出る

「泣くほど、オレの事好き?」

「うん、大好き。」笑いながらも涙が止まらない。

「嬉しいけど、泣くなよ。何か今日のお前変。」

「変にもなるよ。大好きだった人とこんな事してるなんて、何ヶ月前までは見ている事が精一杯だったから。」

「勿体無い事したな。オレの妻になるヤツが、同じ学校にいたなんて。」

私の髪を撫でてくれるカレ。この幸せが続くのを願う。

でもね。私は知っている。

眠っているカレの口から、たまに私以外の名が出てくる事を。

シーンとした部屋に、カレの低い声で

「・・・ヒョリン・・・・。」私を抱きしめる。

眠っているので、無意識な行動。

そうだよね。2人はずーっと付き合っていたんだから、私なんかその場の勢いで結婚しちゃった相手

そして、今日暗室に入って確信した。カレはまだ、彼女の事を愛してる。

カレの愛している人は、私じゃないのに。

だって、カレから言われたことない。可愛いとか、良い奥さんは言われる。

でも、肝心な言葉は出たことはなかった。

どうしたらいいの?

暗闇で、結婚指輪を触る。

指輪をもらた日から何ヶ月経ち、緩くなった指輪。

そう言えば、ちょっと体重が落ちちゃったかな。

グルグル回る指を見つめ、外れないようにしないと。







どうしていいのか判らず、日が経った。

2人で出席するはずだったカレの会社のパーティ

私はベットの上で、カレの姿を見ていた。

「大丈夫か?」

「さっきより大分良くなった。」深い息が漏れる。

カレは私の髪を撫でてくれて「ちゃんとねてろ。」言う

「ゴメンね、今日は行けなくて。」

「せっかく、皆にお前の事紹介しようとしてたのに、だけど仕方ない。次の時に、元気な可愛い姿を見せればいい。」細みなスーツを着こなす、カッコいいカレ。

ますます、惚れてしまう。

ぼーーッと見てると

「又、惚れたか?」笑う。

「うん、もう何百回目か判んないくらい。」笑う。

冗談で言った言葉に、マジで返された言葉。

「オレもお前に毎日惚れてる。じゃあ、行って来る。」私の頬にキスをしてカレは部屋を出て行った。





最近、どうも胃の調子が良くない。

大食いだった私の食が減り、心配していたカレ

明日、病院に行きなさいとカレからの忠告。

原因は判っているけど。

水が飲みたくなり、ベットからのそのそと降りた。

クローゼットから、私のカバンを出し紙を取り出した。

1枚の薄い紙

離婚届

毎日少しずつ書いている。

その紙を持ち、キッチンに行く

冷蔵庫からペットボトルを持ち、テーブルに着く。

あの暗室をみてしまった次の日に、衝動的に貰いに行った。

深夜の役所に、婚姻届を出しに行った日からあんまり経っていないのに。

今は離婚届を持っている。

後2・3個記入するだけで、私の分は書き終わる。

ペットボトルを飲み、深い溜息を吐く。

どれ位経ったんだろう。

気がついた時には、外は真っ暗だった。

シン君の事、大好き。毎日、毎日その想いが強くなる。

大好きなカレの為なら、何でもしたい。

ヒョリンの事を、まだ愛しているのなら、彼女の元に行かせてあげたい。

私という存在に、迷わなくてもいいから。

カレが幸せになるのなら、どんな事でもしてあげたい。

よし!

明日、思い切ってヒョリンの事聞いてみよう!

こんなとこでイジイジ悩むなんて、性に合わない。

当たって砕けろ!

カレがヒョリンの事、選んでも恨まない。

結婚できて、私の初めての相手になっただけでも、宝くじに当たるより少ない倍率だったんだから。

なんか、ちょっと前向きになったかな。

離婚届を持ち、又カバンの中に入れようとしたら

家の電話が鳴った。

珍しい。

何時もスマホなのに。

不思議がって、電話に出ると

「シン・・・・。」女性の声がした。

思わず「あっ!」言う言葉を出してしまった。

「誰?」

「私・・・・は、この家の家政婦のシン・チェギョンと言います。イ・シン様は只今出掛けております。」

「家政婦?何時の間に。そうなんですか。じゃあ、伝言お願い致します。会いたい。」

私の受話器を持つ手が、震えだした。

「私を迎えに来て、この住所にいるから。ッて伝えてください。」

「かしこまりました。」ようやく絞り出した言葉。

「旦那様の恋人なんですね。」

「そうなの、じゃあ、よろしくお願いします。」電話が切れた。

受話器を持ち、立ち尽くす私。

書き留めた住所を穴が開くほど見ていた。










皆様、こんばんは。

昨日はバイトが休みで、早い時間に寝てしまいました。(汗)

待っていたお方達、ごめんなさいー。


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おやすみなさい