「何、ボーーッとしてんだーー!行くぞ」肩を叩かれた。

ハッと現実に戻った。

胸の高鳴りはまだ止まない。

この事を誰にも知られないようにと、思っていた。

でも、ギョンが。又、不思議な顔をしていた。

「オイ、行こう。」促したら。

「・・・オレ・・人が恋に落ちる瞬間、初めて見た。」

「・・・・。」

「・・・シン、お前、誰に恋に堕ちた?」ボソッと聞いてきた。

「//////////」オレの顔がぼっとなった。

「スゲーーー、初めてみっちゃったよ。それも氷の王子って言われているクールなお前が」感動していた。

「この事は、後で。今はとにかく誰にも言うなよ。言ったら、皇太子反逆罪で捕まえるからな」慌てて顔を戻し、念をおした。

チェギョンが皆の目の前で告白されて騒いでいる中、オレ達は平然と通り過ぎて行った。

教室に戻り皆席に着いたけど、隣のインが言う

「さっきの告白、人前でかーー、オレだったらやらないけどな。」笑う。

「ホラッ、この子だよ」ファンがかめらを見せてきた。

この画面に写る、ボーっとしているチェギョン。

ドキンッと心臓が暴れだす。

オレは胸に手をあて、この心臓暴走しまくってる。

オレはどんだけチェギョンに参ってるんだ。

「この女の子、確美術科の子だよな。結構可愛いんだよなーー。すっピンでこんない可愛かったら、化粧したらもっと映えるって」満更じゃない顔。

「すっピン?」オレは分からない風に聞いたけど、本当に化粧していないのか知りたかった。

毎日会う彼女は、どう見ても化粧していないのに、皇后様には化粧してますと言い切っていた。

オレはそういうのに疎いから、誰かの助言が欲しかった。

「えっ?シンはこの言葉、知らないか、化粧していないって事だよ。この子は化粧していないよ。でも色が白いなー、それに唇が。」

オレは慌ててデジカメをファンから奪い取り、電源を消そうとしたら。

ファンが横からこの画面を指差し「ホラッ、この後、誰かを見てフニャッって笑うんだーー。カワイイなーー。」何時もより話す。

オレの目が自然にきつくなる。

「俺はこんな可愛い系より、美人でオネー様タイプが断然イイ」ギョンは勝手に言う。

「アハハッ、お前の付き合ってきた女、皆そういうタイプだもんな。皆大学生のおねーさん!!」笑う。

「やっぱ、女は年上だろう?同じ年は選ばん」断言する。

「じゃあ、シンは?」ファンは気軽に聞いた。

オレは画像のフニャって笑っているチェギョンを見ながら「オレは」

「ばか!何言ってるんだ。シンはミン・ヒョリンだろう?」インがニヤニヤ笑う。

「学校一の美人と付き合ってるんだからな。」皆に聞こえないように小さい声。

ミン・ヒョリンその名前を聞くだけで、心臓は高鳴りを止める。

「いや、彼女とは終わった。宮で選んだ許婚が出てきたから、元々そうなる予定だったから。」ポツリと言う。

「シン!」

「いいのかよ?」とギョンがオレの前に立つ。

「仕方ないさっ。」

「お前だって、普通の男なんだからさ、恋愛できるのに。好きなヤツが出来たら告白だって」悔しがる。

「ギョン。」彼を見上げる。

ガラッというドアを開ける音と共に、教師が入って来た。

「さーッ、みんな席に着いて!」言う声が響いた。







放課後、何時もの場所にオレは辿り着く。

大分寒さが感じてくるようになってきた。

寒くなったら、彼女はもうここには、来ないんだろうか?

オレのお気に入りの場所。

学校の校舎から、山が見え、夕日がゆっくりと落ちる瞬間が見れる場所。

初めて見たときには、時が止まった。

こんな綺麗なとこがあったなんて。何回かそこで、帰る時間まで過していた時に、チェギョンに会った。

オレが唯一癒せる所に誰か来るのは、嫌だったのに。

彼女はいつの間にか、一緒にこの景色を見ていた。

オレは神経質で、誰かと一緒なんて、中々ない。

でも、彼女と一緒にいても、少しだけの会話をしても嫌な事ではなかった。

その関係を、今日で終わらせる為にオレは勇気を出す。

自分の名前はイ・シンでカン・インじゃない韓国の皇太子だって伝える。

「あっイン君!」彼女が何時もと違うとこから、走ってきた。

顔をピンクに染め、オレに向かって走ってくる。

オレだけの元に。ドキンッ

「ホラッ、。もうすっかり寒くなっちゃったから、これでも飲んで」彼女の差し出したのは、温かい缶コーヒー。

オレの手に缶コーヒーを乗せた時に、彼女の指が一瞬触れた。

ビグンッ雷が落ちたかと思った。

オレはマジマジと指先を見る。

温かい缶コーヒーは、指の先からオレの体を温めていく。

そして彼女を見ると、笑顔でオレを見ている。

チェギョン。


「今日さっ。イン君も見てたよね?」チェギョンがポツリと言う

「・・・・あぁ。」くっそーー、先に告りやがって!

「付き合うのか?」ゆっくりと聞く

「まさか!恋している暇なんてないよ。手紙くれた人にはちゃんと断ります」

オレは心の中でホッとしながら「恋している暇はないって?」

「そうだよ。今はねーいっぱいバイトして、弟を良い大学に入れてあげないと。

弟は何時も私の事、ブタ・ブタって言うのよ、酷いでしょう・でもね、最後にはポツリと感謝してるって言って逃げちゃうんだー。カワイイでしょッ」ニッと笑う。

「お前大学は?」その笑顔にも、オレの顔がだらしなくなりそうなのを、我慢する。

「行かない、専門学校に通いながらデザイナーになるのが、私の夢なの。」夕暮れの光を浴びながら、彼女の瞳はキラキラ光る

「イン君は?」

「王立大学に決まっている。」

「イイなー、推薦だよね。あっ!そうだ!イン君って皇太子の友達なんだもんね。」

「皇太子、シン?」オレはある意味緊張してドキドキしてきた。

「そうそう。皇太子って嫌い!理由は言えないけど嫌い!でも、イン君この事は皇太子に言っちゃダメだからね!イン君の胸の奥に閉まっておいて。この世の中の全ての女が、皆皇太子の事を好きなんて、ありえないから」指を指された。

ぼーーッとなるオレ。

今日、ようやく彼女に、オレが皇太子って事を言おうと思っていたのに、皇太子が嫌いって、オレの事が嫌いなのか。

「イン君って目つきが悪いでけど、いい人だね。私はここにいる何十分の時間が好きだよ、イン君といると心が安らげる。ずっとお友達でいてくれる?」チェギョンはオレに手を差し伸べた。







今日は夜の公務があった。

スーツを着て色んな人達と挨拶をした。

顔ではプリンススマイルを浮かべ、心は、すっかり落ち込んでいた。


「ずっとお友達でいてくれる・・・?」このセリフが何度もオレを落ち込ませていた。

公務が終わり、公務車に乗り東宮殿を目指す。

オレはボーーッと外を見ている。

自分の名前を告げられずに、終いには友達でいましょって、クーーーッ。

マジで泣きたい。

大分車が走っていると、オレと同じ高校の制服を着ている女が見えた。

同じ高校という事fで気になって、見てしまう。

オイオイっ自転車を押しながら泣いている。

シン・チェギョン!見間違うはずがない。あれはチェギョンだ

オレは慌てて「車を止めるように」命令した。

「殿下!ダメです!」

「皇太子の言葉に従わないつもりですか?」目つきも悪く凄む。

護衛の男から、小さい声でヒィッという声が漏れた。

急停止する車から、慌てて降りて彼女の元へ。

チェギョンの目の前に立ち「シン・チェギョン。どうした?」呟く。

ボロボロ泣いている彼女はゆっくりと顔を上げた

「イン君、何でこんな時間?それにスーツ?」涙で鼻声になっている彼女。

涙でグシャグシャになっている彼女だか、オレの目には可愛くて仕方がない。

思わず抱きしめたくなった。











この寒い中、真っ赤になり泣き続けていた彼女

「もーーッ普段会った事がないのに、何でこんな時にーーー!」泣きながら、涙を擦る。

「オイ!服が汚れるだろう」オレは慌ててハンカチで彼女に涙を拭く。

「ゥ~~~ッ、そんなに優しくしないでよーーー」ボロボロ落ちる涙。

オレは何も聞かずに彼女の涙を拭き続ける

「イン君、ちょっとだけ胸借りてもいい?」下を見ながら言う彼女

「いいよ。」

そして、頭だけオレの胸元に置いて、泣き続けた

オレはただ彼女が泣いているのを、受け止めていた。

彼女の頭が近づいて来た時、心臓が壊れそうに鳴り響いていたが、泣きじゃくる彼女を見ていたら段々普通の速さに戻っていた。

上から彼女を見て、細い肩、小さい頭。直に伝わる彼女の泣き方

愛しい。

オレの手が自然に彼女の腰に回ろうと、ダメだろ!そんなことしては!

暫く彼女が泣き止むまで待っていたが・、クンクン、このニオイは。

彼女の頭からは、焼肉屋のニオイがしていた。

こんな夜まで彼女は、一生懸命仕事をして、弟の為、借金の為と頑張っている。

まだ高校生なのに、聞けば土日もずーッと働いてい。

家族の為、家族は助け合わないとね。と彼女が前に言っていた言葉。

シン・チェギョン、又惚れてしまった。

急に離れていくチェギョンの頭

「ありがとう、すっきりしちゃった」真っ赤に泣き腫らした顔。

「大丈夫か?」

「もう、大丈夫!シン・チェギョン様はこの位じゃ凹みません!泣いて終りです!!」とガッツポーズを決める


「なんで泣いていたのかは聞かない。でも、言いたくなったらちゃんと言えよ」チェギョンに言う。

彼女のちょっとビックリした目

「わーーーっ、ありがとうねっ!さすがイン君!私達、本当のチングになったね!!

男女に友情はないって言われているけど、私達はずーっと友」嬉しそうに言う彼女。

本日2回目のチングと言う言葉。

イラッ

「オレは、男女間に友情はありえない」


「えっ。」


「ない!」と
レは公務車に乗り込んだ。

イライラ・・・。

チングって・・オレの事・・オトコとして見ていなってことだろっ。


横目でチラッと見ると、オレの方を見てウロウロしている彼女がいた。

「出してください」と告げる。

「いいんですか・・?」

「良いです!!」と荒く言った。

車はゆっくりと速度を上げ、走り出した。

オレの窓から彼女の姿が消えた。

目を真っ赤に泣き続けていた彼女。

何時も前向きに、家族の為に、頑張っている彼女

あの小さな頭、小さな肩にいろんなモノを背負っているのだろう。

まだ18才なのに。

それに比べてたかが、チングって(泣)言われたぐらいで怒るなんて。

チングって事は、顔見知りから一歩前進したって事だろう?

何を子供くさい事を

「車、止めて下さい」大きい声で言う。

「えっ!?ダメです」

「いいから止めろ」叫ぶ。






急ブレーキで止まる車。

オレは慌てて外に出る。

そして、来た道を走り出す。

後ろから、オレを呼ぶ声がするけど気にしない。

無我夢中で、チェギョンの元へ走り続けた。

こんな夜中を皇太子が、惚れた女の為に走ってるなんて。

オレは速度を段々上げ、吐き息も白い・。

荒い息を上げ、心臓も高鳴り続けている、でも嫌じゃない。

韓国は坂道が多いし、この革靴じゃ走りずらい

走っても走っても彼女は見つからない。

もしかして、自転車で行ってしまったか!?

「くっそーーー」それでも諦めるな自分と奮い立たせた。自然とスピードが早くなった。

すると、目の前に車のライトが当たり、眩しい位のチェギョンが自転車を押して歩いていた。


見つけたーーー!

「シン・チェギョンーー」坂道を驚異的な速さで駆け抜けた。

突然現れたオレに、又ビックリしている彼女。

「イン君。」
はぁ、はぁと息が上がっているオレは、息が落ち着くのを待って

「オレも、男女間・の友情。ありだ。」クーーーッ、こんなに走った事なかったので、体が元に戻れない。

カッコ悪ーーーっ。

「それだけの為に戻ってきたの?」とオレを見る。

「ああ。」と膝に手を置き、中腰で肩で息を繰る返す。


「イン君、パボだよ、学校で言ったらいいじゃない?」マフラーをもっと上げ真っ赤になった顔を隠し始めた彼女。

「間違った事は直ぐに訂正しないと。」ようやく体を起し、スーツも調える。

「シン・チェギョン、これからオレとお前はチングだ。」手を差し伸べた。

彼女は手袋を取り、細い綺麗な手を差し出した。

オレの汗ばんだ手は彼女の冷たい手と絡み合う。

「イン君、手、熱いね。」お前に触れているから。

「震えてきたよ。」惚れた女の手に触れている喜びだから。

「寒いからな。」口は心と違う事を言う。

すると後ろのほうから騒がしい声が、後から追いかけてきた護衛達。

「ちょっと、行って来る。」オレは彼女から手を離し、彼らのほうへ向かう。

そして、ちょっと話し合い、チェギョンを呼ぶ。

とことこと、自転車を押してオレの元に来た彼女。

「もう遅いから、車で送って行く。乗れ。」

「いいよ、前にも言ったじゃん」

「だから、今回自転車はこの人が乗っていく。」といかにも彼女が判る位の背の高い厳つい体をした男が立っていた。

チェギョンは口をあんぐりーーと開け「イン君デカイと思っていたけど、まだ大きい人いるんだね。」

「だから、送る。」彼女の手を掴みドアを開けさせた。

「私だったら自転車で。」

「まだ言うのか。ここの皆の意見だ。夜中に女一人で行かせるのは、紳士笑う。

チェギョンは護衛の方を向いて、「ご迷惑お掛けします!じゃあ、自転車お願い致します。」頭を下げ自分の住所を告げていた。

チェギョンのピンクの自転車を、2メートル近い大男が跨り、走り出した。

「頑張ってくださいーー」手を振り、車に乗ろうとした時、靴を脱ぎ始めた。

「オイ!何やってる!」

「えっ?こんな高そうな車、靴脱がないといけないんでしょ。」真面目に言う。

「お前車は?」

「初めて乗る!だから今とっても緊張ーー!」体を強張せる。

「そっかーー、でもな靴は履いてもいいから。」優しく言う

そして靴下のまま座っている彼女の足の汚れを取ってやり、靴を履かせてあげた。

「ちょっと!自分で出来るって」違う意味で真っ赤になっている彼女。

「気にするな」ドアを閉めて、オレは反対側のドアを開け座った。

彼女がオレを見ていて何かを言いたそうだ。

「何?」

「イン君って、大人だね。スーツを着て、何時もと全然感じが違う。そして、さり気無く私を気遣ってくれた。ありがとう。」笑う。

オレは真っ赤になる顔を見られたくなくて、窓ガラスの方を向いた。

「こらーーっ!チングがありがとうと言っているんだから、何かないの?」

ポケットからスマホを出し、イヤホンを嵌め目を瞑った。

「もーーー照れてるのかよ」怒った。

オレは照れ隠しで、曲を聞いている振りをしていた。

しばらくすると、彼女がオレが聞いていないと思ったみたいで、話し始めた。

前の席とはパーテンションで仕切られている為、声が聞こえない。

「今日ね、バイト先でホールの仕事していたの、そしたら酔っ払ったおじさんが私に絡んできたんだ。

何時も何でも頑張れるーーって言ってきた私なのに、体が固まっちゃって身動きできなかった。

慌てて、店長さんが来てくれて助かった。

男の人の力って全然違う、一生懸命重いの持ったり、がむしゃらに働いてきたけど、男の人とは全然違うんだねーそう思ってたら、なんだか悔しくなっちゃって涙がボロボロ出てきちゃった。」

彼女の小さい声が、車の振動と共にオレの心に響く。

「だから、イン君に会えてほんと、嬉しかった。」女の声が段々聞こえずらくなっていく。

声が聞こえなくなり、オレはイヤホンを外した。

隣の彼女は、眠っていた。

バイトの疲れと泣いた疲れで、眠ってしまったようだ。

オレは自分のスーツの上着を脱ぎ、彼女の体に掛けてあげた。

毎日、一緒にいる友達に編んでもらっているのと見せてくれる髪形。

髪の毛が乱れていたので、直してあげた。

その時彼女の唇がオレの視界に入った。

何時見ても、キスしたくなる。

わざと怒らせて、口をとんがらせる彼女を見ると、まるでキスの時のような口元になる。

オレはその唇を見てしまい、又心臓がドキドキし始める。

キスしたい。

今目の前には、その唇がある。

オレはイスに手を置き、体だけ彼女に近づけゆっくりと顔を近づけた。

ピンクの頬に触れるか触れないくらいのキスを落として、ゆっくりと体は離れていった。

心臓が高鳴り、オレはヒョリンとのキスの違いを知った。




唇にキスは、、意識のある時に!オレは目標を持った。




皆様、こんばんは。

今日はバイトが休みなので、先にアーップ

眠すぎるー、では、おやすみなさい