めずらしくお客様のいないアンティーク。

「珍しいね、何時もなら必ずお客様いるのに。」銀のトレイを胸に抱き、ウンチャンが言う

「たまにはオレ達に休めってことだよ。」ウンチャンの手を引き、オレの膝に乗せた。

「アジョシ!ここアンティークだよ」

「オーナーが良いって言ってるんだから、いいの!」ウンチャンのウエストに腕を回して逃げないよう力をこめる。

「アジョシ!」プーーッと膨れる可愛い顔。

横から見ても、ウンチャンがますます可愛くなっていくのが判る。

そんなに可愛くなっていくなよ。目が離せなくなる。

マジで家の中に閉じ込めて、誰にも見せたくない。

他の男と話なんかさせたくない。

オレはウンチャンの肩に顔を埋めて、ウンチャンの香りを吸う

全て同じのを使っているはずなのに、彼女の香りはオレを気持ち良くさせる。

あっ、あれ。

オレはポケットから、ある物を取り出して、ウンチャンの首に付け始める。

「アジョシ何やってるの?」

「オレ達、一緒に暮らして2ヶ月記念。」クロス部分を見せた

オレとウンチャンはクリスチャンなので、こう見えても日曜日のお祈りは欠かさず行っている。

クリスチャンな彼女の為に、オレは黒のクロスを選び、彼女の首に下げる。

ウンチャンはオレのものだって印。

これで、少しはウンチャン狙いの男は少なくなるだろう。

最近、ウンチャン目当ての男が、何人かで組んでやってくる。

そんな時はウンチャンを行かせずに、オレ自ら注文を取りに行く。

この間オレが忙しくて、ウンチャンが行く時があり「何になさいますか?」聞いたら

「貴方が欲しいです!付き合って下さい!」真っ赤になり告白する少年がいた。

オレは慌ててそこに行こうとしたら「ゴメンなさい、ボクには付き合っている人がいるんだ。」

「それでも好きです!」困った顔のウンチャン。

「オレが彼氏だけど。」ウンチャンにキスをする。

アジョシなオレなのに、若い少年に辛いのを見せ付けてしまった。

少年は泣きながらここを飛び出して行った。

ふっと思い出し、クロスを確かめる。

「アジョシ、覚えていてくれたの?」

「当たり前だ!韓国男子、彼女が喜ぶ事なら何でもする。」キスをしようとしたら。

お客様が2名入って来た。

オレ達はすっかりヒザの上に乗せている、彼女はヒザの上に乗っているのも忘れて


「いらっしゃいませ!アンティークへようこそ!」声を揃えてお客様を迎えた。







「じゃあ、後は宜しく」アジョシはハロウィン用のケーキを愛車に乗せて、ドアを締めた。

エンジンを掛け、窓を開けてボクを呼ぶ

「ウンチャン。」顔を出す。

近づくボクは、アジョシに首元を引っ張られた。

そして、重なる唇。

「じゃあ、今度こそ、行ってくる。」アジョシのフィアットは小さいながらも、あっという間にいなくなった。

ボクは毎日、アジョシとのキスにドキドキする。

もう慣れてもいいはずなのに、カレとのキスはドキドキそして、気持ちいい。

真っ赤になった頬を両手で隠して、アンティークに入っていくと。

「ウンチャーーン」ケーキの弟子がボクを手招きをする。

「何んだよ?」厨房に入っていくと。

魔性のゲイ先生が、手にモノを持っていた。

「ウンチャン、今日はハロウィンだね。ちょっと着替えてみない?」

「えっ?」

「メイド服とウィッグ貰ってきたんだ。化粧は僕がやってあげるから、どうお?」イタズラな目つきでボクを見た。

「ハロウィンだからね、スカートはいたオネーサンが、ドアの前にいると皆喜ぶんじゃない?」

確かに。

ボクの普段はこんな格好だから、もう少ししたら、子供達がお菓子を貰いにやってくる。やっぱオネーさんみたいな格好がいいよなーー。

「よし!魔性のゲイ先生!お願いします」頭を下げた。






「本当にウンチャンなのか?」ケーキの弟子君。

「ウンチャンさん!とてもお綺麗です。」黒いサングラスの人が言う

「女の子の格好すれば、凄くかわいくなると思ってたよ。」魔性のゲイ先生。

「それに。何て綺麗な足。」弟子君がボクの膝元に跪いて、訴える。

「皆で、そんなに褒めないでよーー、おかしくないの?」

「まったく。ウンチャン、髪の毛伸ばしてみたら?」

「えっ?だってアジョシがダメだって言うんだ。」

「ジニョクめ、独占欲が強いな」魔性のゲイ先生は腕を組む。

魔性のゲイ先生から鏡を渡してもらい、変身したボクの姿に自分が驚く。

「へーーーッ、変わったなーー。ボクじゃないみたい。」メイクをしてウィッグをしたボク

そこには、可愛い女の子がいた。(自分を褒めているみたいで嫌だけど、マジでそう思った)

「じゃあ。玄関のとこに立ってきまーす」フラーッと歩きだした。








ウンチャンが行った後、3人でウンチャンの事を言い合った。

「あんなに可愛いのに、なぜおっさんと付き合ってるんだ!?」

「若なんかに、勿体無いです!」

「こらこらっ、ジニョクにはウンチャンが必要だったんだ。何時も癒してくれる女の子がねっ。僕じゃないのが、残念だったけど。」笑う。

「先生。」

「あっ、心配しないで、ジニョクの事は吹っ切れてるから。それに僕にも彼氏はいるから、大丈夫!大丈夫じゃないのは、君達2人。彼女見つけな」ホイップクリームを塗り始めた。







ボクが扉の前で立っていると

「お菓子をくれないと、イタズラしちゃうぞーー」男の子が2人やってきた。

ボクはカゴの中から、魔性のゲイ先生が作ったハロウィンクッキーを男の子にあげた。

「はい。どうぞ。」ニッコリ笑う。

「おねーさん、綺麗だね。ここの人なの?」

「そうだよ。」ニッコリと笑う

「又、お母さんと来るから」男の子は行った。

ふと見上げると、この間の学生さんがいた。顔を真っ赤にしてボクを黙って見ている

ボクは彼に近づこうと歩きだした「ごめんなさい、たまたま通りがっかっただけなんです。」慌てていう彼に。

「ハイ、どうぞ!」クッキーを渡した。

「一生大事にします!」頭を下げて走っていってしまった。


そんなに走らなくてもーっと、彼が行った方向を見た。

その後も、何度もおにーさんたちが寄ってきたけど。

ボクは適当にあしらった。

今日は呼びとめられる回数が多いなーと思ったとき。フィアットのマフラーの音がした。

「アジョシ!」ボクはカレのとこに走り出す。

運転席から降りながら、ボクの顔を見て驚くアジョシ。

何時見てもアジョシってカッコイイなー。

「魔性のゲイ先生にやってもらったんだ」アジョシの前に立つ。

この格好見て、アジョシ何て言ってくれるかなー?

可愛い?見違えたー!やっぱり髪の毛伸ばそう!とかってね、と一人でニヘ二へと考えていると。

アジョシはボクの手を引っ張り、アンティークに入り

魔性のゲイ先生にとこに行った。

「おい!ウンチャンにこんな事させるな!」

「ジニョク、そう来ると思っていたよ。」

ケーキに飾り付けをし終わり、魔性のゲイ先生はアジョシを見た。

「ウンチャンが可愛くて可愛くて、仕方がないって!思っているのは判るけど、そろそろ自由にさせたら。」

「何言ってるんだ!」

「髪の毛伸ばしたがっていたよ。彼女はジニョクの為に、綺麗になりたいんだよ。

判ってあげなよ。」

「!!」真っ赤になり言葉に詰まるアジョシ。

「エッ、2人とも言い争いは止めようよ。」間に入る

「ジニョクはウンチャンが綺麗になるのが嫌なの?」

「そのままでいいじゃないか。これ以上綺麗になってしまったら、こんなアジョシの元からいなくなってしまう。」俯く

「アジョシ!」カレの背中に抱きつく

「ジニョク、ウンチャンはそんな子じゃないよ。」

「判ってるさ、判ってる!ウンチャンはそんな子じゃないって、でも小さい疑問がオレの心に広がるんだ。

毎日毎日可愛くなっていくウンチャンを、オレは引きとめて置く事が出来るんだろうかって。」声が段々小さくなっていく

「アジョシのバカ!」ボクはアジョシの前に出て

カレに抱きつく「ずっと傍にいるよ!」背伸びをしてカレにキスをする。

「ウンチャン、ほんとか?」

「出て行けって言われても、出て行かないから」又キスをする。

アジョシは魔性のゲイ先生を見て

「2人、早退します!後は3人に任せます!」ウンチャンを自分に巻き付けたまま、アンティークを飛び出していた。


「おっさん!又早退かよ!」

「まあ、まあ、彼も恋に悩む少年なんだよ。」

「少年って、おっさんなのに?」

「男は恋をすると少年になるんだ。君ももう少ししたら、ジニョクの気持ちが判ると思うよ。」背中を叩いて厨房に戻った。

「若が恋で悩むとは!青春ですなー」ポロッと涙を出していたサングラスの人




家に着き、玄関の扉を閉めるとオレ達はキスをする。

絡みつくようなキスは、2人の気持ちを高める。

オレはスカートの中に手を入れ彼女の足を触る。

「スカートって便利だな。」

「アジョシのスケベ。」キスをする。

急に顔が真面目になるアジョシ

「どうしたの?」

「ウンチャン、これって、アイツが選んだのか?」スカートの裾をあげて、太ももを見せた

「うん、魔性のゲイ先生が全部準備してくれた。」素直な彼女

オレはマジマジとガーターベルトを見つめ。

まったくーアイツには勝てないなー。

「アジョシ?」


「トリック・オア・トリート、ウンチャンと言うご馳走をくれないと、いたずらしちゃうぞ。」


ウンチャンの長い髪の毛を撫でながら、オレは今日もまた、ウンチャンに溺れていく。








皆様、こんばんは。

アジョシの恋、元カノ編全てカットしました。

大人話が多くて、直すのがめんどーい

コメント、いいねボタン有難うございました。

おやすみなさい