「ウンチャン。」

母親を見送ってきたアジョシが、ボクの前に立つ。

「ごめん。」

「アジョシ、気にしないで!ボクは全然平気!」無理に笑ってみせる。

「ウンチャン」ソファの前に膝まつく。

ボクの手を取り

「見合いなんてしないから、見合い写真は、オンマが何時も持ってくるだけだから。」

「でも、しないとアジョシの家に悪いんじゃないの?」

「オレがイヤだって言ってるんだから、未だに話は進まないんだ。」

「アジョシ。」カレの手がボクの頬に触れる

「オレには、ウンチャンがいる。何で見合いなんかしない」カレの指が優しくボクの頬を行き交う。

何時も、アジョシの指先でおかしくなってしまう、ボク。

今も、自分の指はアジョシの指を押さえている。

「ウンチャン。」アジョシの顔が近づく。

「ダメ」顔を横に向けた。

「ウンチャン」

「アジョシ、時間」言って、壁に下がっている時計を指差した。

「おっ!ヤバイ」言いながら、ボクにキスをして立ち上がった。

「アジョシったら」立ち上がる。

「マジでやばいな、急ぐぞ」アジョシは部屋に着替えに行った。








アンティークに着いたボク達は、魔性のゲイから冷たい目線で見られていた。

「遅い!鍵が開かないとケーキが作れないよ!」

「すまん。」営業用の笑顔を振りまきながら、鍵を開けるアジョシ。

「おっ!ウンチャン、今日はカワイイの着てるね。」魔性のゲイは言ってくれた。

「アジョシがこれにしろって。久し振りで何か恥かしいんだけど。」

「ウンチャン、こういうの着た時には、ここ隠さないと。ジニョクには僕が注意しておくから。」首元を指差した。

「//////」すっかり忘れていたーーー!

「まったく、こんなTPOも忘れる位に、ジニョクはウンチャンに夢中だね。」キレイな笑顔でボクを見る。

「そんな事、恥かしいよーー」逃げるようにして中に入っていった。

中に入っていくと

「せんせいーーー!会いたかったです!」大きい声が響いた。

その声に振り向くと、知らない男の子が立っていた。

「先生!元気でしたか!?」魔性のゲイの手を握っている。

この人も、ゲイ?ポカーーンと見ていると。

「カワイイーーー!俺と付き合わない!?」ボクの手を取り、握り締めてきた。

「俺の好みーー!付き合おうよ!」騒いでいると。

「坊主!ウンチャンはオレの彼女なの!」バチコーンと頭を叩く。

「いってーなー!まさかだろう?こんな若くてカワイイ子が、アジョシの。」

「コ・ウンチャンって言うんだ。」魔性のゲイ

アジョシはボクを後ろから抱きしめ、顔を近づけて

「オレの女だから、触るなよ!」その男の子に言った。

「マジかよーーーー!信じられないーー!俺がパリに言っている間に何があったんだーー!」叫んでいた。

「ウンチャン、コイツは何時もこんな感じなんだ・。気にするな!」頬にキスをする。

「セクハラーー!」

「バカ!彼女にキスしただけで、セクハラになるかって!」もっとボクを抱きしめた。

「ウンチャン、こんなアジョシなんか止めて、若い俺と」手を差し伸べられた

「ゴメンなさい。」頭をめいいっぱい下げた

「即答かよ。」座り込んでしまった。

「ごめんね。」

「じゃあ、話は終わったから、仕事しよう。」ボクはアジョシに肩を抱かれながら、更衣室に行った。









午後の空いた時間に、サングラスを掛けた、大きい男がやって来た


「いらっしゃいませ」ボクはお客様をテーブルにご案内して、水とメニューを持っていった。

「どうぞ、当店自慢のケーキを召し上がってください。」営業用の笑顔を浮かべた。

サングラスの男の人は、ボクの顔を見つめ続け、動かなくなってしまった。

「お客様!大丈夫ですか?」

ボクの問いに、慌てた男の人はコップにぶつかってしまい、水を零した。

「お客様、水が洋服に。」

自分のエプロンで、洋服やテーブルの水を拭いていたら、男の人の腕に触ってしまった。

「ウンチャン、そいつに触っちゃーーー!」後ろからアジョシの声が聞こえた。

「お嬢さん」ボクの手を取り、顔を近づけてきた。

「えっ!?」

「ウンチャンから手を離すんだ」ボクを引っ張ったアジョシ。

「若!」立ち上がった男の人は、背の高いアジョシより大きし、一回り逞しかった。


「若?」アジョシの腕の中に閉じ込められたボクは、普段聞いたことのない言葉に、?マークを出した。

「コイツが勝手にオレの事を、そう呼ぶだけだ。」

「若!そんなーー!」体の割りに、大人しそうに話す彼にボクは親しみを覚える

「お前、ウンチャンに惚れただろう?」アジョシは嫌々と言う。

「若!そんな事は。」サングラスをしていても、真っ赤な顔はタコのようだった。

「コイツは、顔、体格の割りに大人しすぎるんだ。だから、ちょっとでも優しくされると直ぐに惚れてしまう。男でも、女でもな。」

アジョシはボクの髪の毛に顎を置き、ギュッと体を抱きしめた。

「若!そのお方が。」

「お前、オンマに頼まれたな。そうだよ、オレの彼女のコ・ウンチャンだ。」

「若の彼女様でしたか。済みません」頭を下げた。


冷たい目で「で、どうしろってオンマに頼まれた?」

「いえ何も。」汗をかいてきたサングラスの人。

「まったく、何時もながらうそが漬けないヤツだな。」

「まっ、今日の所はここのケーキを食って帰れ。」ボクを連れ出した。

「アジョシ、サングラスの人いいの?」

「いいんだ。アイツは。」

魔性のゲイの弟子に、サングラスの人用にケーキとコーヒーを頼んだアジョシ。





お持ち返りようの部屋に行き、2人で箱の整理をする。

「今日は、色んなヤツが戻ってきて疲れた。」

「そう?ボクは色んな人に会えて、面白かった。」

「ポジティブだな。」

「だって、ボクの知らなかった頃のアジョシと一緒にいた人達なんだろう?

いいなーー。

ボクはアジョシと付き合ったばかりだから、アジョシの事知らな過ぎる。」

「オレだって、まだまだウンチャンの事知らない。」

「早く、ウンチャンの全てをオレの体・心に刻みたい。そうなる為に、いっぱいしないとな」笑う。

「アジョシ!せっかくイイ言葉言っていたのに。」

「あはははっ。」

「そんなアジョシが大好きだよ。」

ボクの顔がアジョシに近づき、軽くキスをする。

アジョシは「お前にキスをされると、何も考えられなくなるな。」体を引き寄せられた。



皆様、こんばんは。

すみません、もう眠いですー。おやすみなさい。