夜遅く帰るオレ達にとって、朝は遅い。


夜中に一大決心したオレは、腕の中にワルガキ、イヤ、ウンチャンを抱きしめていた。


人生の伴侶に決めていた女、以来の人の温もり。

温かい。

コイツを抱きしめているだけで、嬉しいなってしまう温かさ。

ほんと、コイツはオレに、初めての感覚を覚えさせる

1・2日でオレの心・体を捕らえた

男。初めての男堕ち。

神様、お許しを。

これだけは止めれなかった。

今までの女に対して、すべてが欲しいと思った人はいなかった。

コ・ウンチャン。

オレの年より遥かに若い少年。

コイツの全てを、オレのものにしたい。

初めての想い。

ウンチャンの目が覚めたら。

ゆっくりと伝えたい。








いつも通りにゆっくりと目を覚ました。

目の前には、肌色と言うか浅黒い色が見える。

????????

目覚め切っていない頭で一生懸命考えて、一致するものを発見した。

浅黒い、肌。

うーーーんと。あっ、抱きしめられてる。

ボクの体をしっかりと包み込んでいる人は

アジョシ!??

もしかして、又酒飲んでキスしまくっちゃった?

確かに、酒を飲むとどうやら、ボクはキスをしまくるタイプで。(汗)

でもね。アジョシとのキスは違うみたい。

今までは頬にしか、した事がなかったのに。

アジョシとは、最初から激しいのでした。(大汗)

何でだろう無意識に求めていた。

こんなにキモチが良くなるキスをした事がなくて、ついもっともっとと求めてしまう。

男として「アンティーク」に入ったのだから。

やっぱり、男とキスしていると思っているんだろうな。

騙しているこっちが悪いんだけど、寂しいな。

アジョシ。

男として抱きしめているの?

それとも、女として抱きしめているの?

キム・ジニョクさん。

ボクが女だと知ったら、どうしますか?



キスから始まる一目惚れって、アリだと思いますか?








ボクはアジョシの隣で寝ているのが恥かしくて、ゆっくりと布団を抜け出した。

良かった起きない。

キッチンに行って、冷蔵庫を開けて何とか朝食を作った。

まったく、材料がないよ!ハムエッグしか作れなかった。

アジョシに頼んで、買わないと!

って、まるでここの主婦みたいじゃないかーー!

真っ赤になる頬を何とか冷まし、ここに居候させてもらうんだから、作るのは当たり前です!と自分に言い聞かせていた。

作ったのはいいけど。大食いのボクが、食べたいと思わない

なんで?具合いが悪くないのに、食欲がない。

どんな時でも、食べ続けていたのに。

アジョシの事を考えるだけで、胸がいっぱいになる。







アジョシを起さないように家を出て、アンティークに向かった。

バスを降り、アンティークの鍵を開けたら、魔性のゲイも反対方向からやって来た。

「あれ?ジニョクは?」

その名前を聞いただけで、ボクの頬は真っ赤になる

「ふ~~ん。名前聞いただけで、真っ赤になるなんて。もう、やっちゃった?」と魔性のゲイは魔性の微笑を浮かべた。

「何言ってるんですかーー!」オロオロとなる。

「コ・ウンチャンって、カワイイね!男だったら良かったのに。」彼は更衣室に消えていった。

自分は開店前のアンティークを掃除し始める。

昨日、確か魔性のゲイの試作ケーキ食べていたはずだったのに。

2個目に酒が入っていた。

又、やってしまった

とほほっ。アジョシを襲ったのに違いない。どうして酒を飲むとアジョシにキスするんだ?

このままなら、嫌われてしまう。とテーブルに肘を付いて、大きな溜息を吐いた。

「随分とお悩みのようで、どうしましたか?」魔性のゲイが真ん前でニッコリと笑っていた。

急にイイ顔がどーんと前にいてビックリした!
「あれっ?そんなに驚くの。ウンチャン、ジニョクに惚れたでしょっ。」

真っ赤になり、オロオロ立ち尽くしてしまった。

「やっぱりね。だって、ジニョクは今はやさぐれているけど、ほんとはイイ男なんだよ。ずーっと僕は狙っていたんだけど。今は彼が、幸せになれればいいと思っている。

カレの全てを受け入れ、癒してくれる女が現れたら、喜んで祝福してあげる。

そんな女が。キミだと思うんだけど。どうかな?」

魔性のゲイの顔が、一歩一歩近づく。

ボクも一歩一歩後退しても、彼の顔がボクの顔に後もう少しって言う所で


「こらっーーー!何してる!?」入り口の扉を開け、ずかずかと入って来たアジョシ。

ボクの前に立ち「コイツに触るな!」

「だって、ウンチャンって、可愛いんだもの、キスしようかなって、思って。」魔性のゲイはボクに向かって、意味ありげにウインクをした。

「止めろ!キスはオレとしか、しないんだよ!」ジニョクは言い切った。

その場がシーンとなった。

言った本人は、ようやく気が付き。

体の向きを変え「オレは、決めたんだ!コ・ウンチャン!お前が男でも。オレは。

受け入れる。お前のキスに惚れた。

年が離れていて、アジョシだけど、ゆっくり好きになっていこうと思う。

男同士のやり方は判らないけど、こいつに聞くから。

お互い初めてだったら、研究して。」

ドンッ!!急に叩かれた。

「ジニョク!ちゃんと見ろよ!コ・ウンちゃんの顔を!男っぽい格好しているけど。

僕には、男には見えないな、カワイイ女にしか見えない。僕のセンサーも利かなかったからね。」

「エッ?だって、男で採用したはず。」

「アジョシ!ごめんなさい!ボク、女なんです!

男だって騙してゴメンなさい!!どうしてもここで働きたかったんだ。」頭を下げた。

「えーーーーっ!?」その場にヘナヘナと崩れるジニョク。

「アジョシ!大丈夫?」支えた。

「女なのか?お前、ほんとに女なのか?」

うんうんと頷くウンチャン。

「良かったーーーー!ずーッと悩んでたから。オレも、とうとうゲイに堕ちてしまったと。」ウンチャンの体を抱きしめ

「そうだよな、そうだよな。この身体つき、女だ!良かったーーー!」嬉し涙がポロッと出た。

2人抱き合っていると。

「もしもし、今日、臨時休業にする?と魔性のゲイが言った。

オレと彼女(ここ大事!!)は目を合わせ

「そうだな!今日はこれから忙しいんだ。休業だけど、給料は出すから!」

「じゃあ、決まりだ。」魔性のゲイは着替えに行った。

「今日は休むの?」

「臨時休業だ。キスだけでこんなキモチいいんだ。それ以上を知りたい!」キスをした。

重なるキスは、音を出し始める。

無我夢中の二人。

着替えの終わった魔性のゲイが立っていても、2人のキスは止まらない。

魔性のゲイは、溜息を付き、足でジニョクを蹴った。

「じゃあ、帰るから。 ジニョク!あんまりがさつくなよ。」片手を挙げて、出て行った。


2人顔を見合わせ、「家に帰ろう。」コ・ウンチャンを立たせ、自分に引き寄せた。

「今日からは、居候じゃなくて・、オレの彼女として住め。」

自分の体にちょうど良く収まる彼女。この差はベストだ。

オレとコ・ウンチャンはまるで、オートクチュールの服のようにぴったり合う

髪の毛にキスを落としながら

「早く、帰ろう。」





皆様、こんばんは。

急展開なお話に、私も冷や汗もんです。

ゆるしてくださいね。

では、コメント、いいねボタン有難うございました。