廃妃になった私は、実家に帰った。

パパとママは私に抱きつき泣き出した。

「お帰り、チェギョン。」「戻ってきてくれて、本当は嬉しいよ。」

私を包むように抱き、泣きあって再会の喜びを味わっていた。

「チェギョン、お前がここに帰ってくるのが、判ってから考えたんだけど。」

「パパ、何?」

「ソウルを出ようかと思っている。」

「えっ!?」

「済州島に行って、食堂でも始めようかと思っているんだ。」

「私も保険を辞めて、パパと一緒に働く。どうかしら?」

「チェジュンは?」

「俺、済州島に1回も行った事がないから、いってみたい。それに毎日泳いだらいい体できるしな」笑って言う我弟。

「皆、私の事気を使って。」

「前から思っていたんだ。どうだ?」

「ここにいても、離婚して戻ってきたお前には、辛いと思うから。」

「済州島で第2の人生初めてみますか!?」ワザと明るく振舞う。

「お前ならそう言うと思って、結構荷物まとめてあるんだ。」部屋を見せた。

どの部屋も片づけが終わりそうだった。

「じゃあ、終わり次第、行っちゃいますか?済州島に!」家族4人は腕を上げて、声を張り上げた。








「チェギョン、今の内に休憩に入りなさい。」

「はーーい!」外に出て、空気を思い切り吸う。

そして、結っていた髪の毛を開放させてあげた。

宮にいた頃とは違う髪の長いチェギョン。あの頃は少年ぽっさがあったが。

今は豊かな髪の毛が風に乗ってなびく。

そして、食堂を手伝い始めてから、少し痩せてしまって。見違えるほど、綺麗になった。

「チェギョンーー!食べに来たぞ!」スーツ姿の背の高い男がチェギョンの名を呼ぶ。

「オッパーー!来てくれたんだー!嬉しい。内緒でサービスしてあげる。」オッパと呼ぶ男の腕に自分の腕を回し、食堂に入った。


あれから1年経った。

チェギョンの面影には「宮」の跡は無くなっていた。

私の元夫。イ・シン・皇太子を元気でやってますか?

1年前のあの言葉『親友」嬉しくもあり、悲しくなった言葉

私はオトコとしてあなたの事好きでした。

いつかオンナとして私の事見てくれるのかなーと、密かに願っていたのに。

廃妃になっちゃった。

カレにとって私は、2度と皇太子妃と言う資格を与えないと言う言葉

そうだよね。

髪の短い私。足を極力出さないようにしていて、胸もぺたーーん。
ガハガハ笑って。まるでオトコみたいだったから

カレが妃宮として、傍に置いておく気なんか起こるはずないもんね。

カレが親友だって言ってくれたのに

済州島に逃げてきた私。唯一繋がる事が出来た携帯も、家に置いて来てしまった。

でも、でも。
胸の片隅にはカレの事を好きな私が眠る

もう2度カレに会えないから、ずーーッと眠っていてね。



「オッパ、今日も来てくれて嬉しいよ。」

「毎日チェギョンに会いに来ないと、オレの事忘れられそうで。」

「まさかっ!?オッパの事を?ありえないーー。」オトコの隣に座り、肩に頭を乗せた。

毎日この店に通ってくれているオッパ

ムン・ジェウォンさん

済州島の1番流行っているホテルのオーナーさん。

何故か、ここの店に通い詰めて来てくれている常連さん。

彼位の人なら、ちゃんとしたレストランが合うのに。

「親父さんの御飯が美味しいし、それに綺麗なチェギョンがいるから。」ニコニコ笑うオッパ

オッパは良く笑う

私の元夫だった人は、人より笑わなかった。

それでも私は頑張って、カレの事を笑わせて、毎日が楽しかったなっ。

たまに笑う顔が普段と全く違うカレ

笑顔がとってもイイって事を知らないカレ

別れたはずなのに、何時までもカレの事を思い出してしまう私。

でも、今私の目の前にはオッパがいる。



人生2度目の恋はこの人かしら、と思い始めていた。








皆様、こんばんは。

オッパのお方懐かしいですねー。

それにしても、私はこの名前しか知らないのだろうか?四つ葉にもいるしね。

名前を直そうとしましたが、このままでいきたいと思います。

では、コメント、いいね。何時も有難うございます。

皆様の日常の癒しになれるように、お話アップ頑張りたいと思います。

おやすみなさい。