チェギョンが傍にいない済州島。

オレの周りには、沢山の人達がいるけど、心・体を許しあえたチェギョンは傍にいない。

「殿下?調子が悪そうですが?」

「いえ、大丈夫です。夜寝つけれなかったもので。」

「少し、仮眠をとりますか?」

「大丈夫です。」

チェギョンが傍にいないベットは、中々寝ることが出来なかった。

一人で、彼女の仕草、声、温かくて、柔らかい体を思い出してしまって、一人悶々とする。

毎日求めた体は、オレの要求通りに動く。

こんなに気持ちイイなんて、思ってもみなかった。

あの雷の日、2人は抱きあい、お互いの体を知った。

好きと言う感情はなかったが、体を重ねる度に彼女の良さを感じていた。

そして自然に沸き起こる好きと言う感情。

オレの事を好きと言ってくれる彼女に、オレも同じだと答えてやりたいけど。

まだ恥かしくて、言えないでいた。

前に彼女に言った言葉を思い出す。男は好きでもない女を、抱ける

でも、その後に付け加えればよかった。そこから始まる恋もあるんだって。

ソウルとは違い、済州島は雪がない。

温かい風にあたり、チェギョンも連れて来れば良かったと、改めて後悔した。




淡々と進む公務。

次の移動先はアイツが行きたかったティディベアのとこ。

気分がますます滅入る

その場所に着き、少し休憩を取る。

携帯のベルが鳴った

表示を見ると、ガンヒョン?電話に出ると

「皇太子殿下ーーー!アンタまだヒョリンに未練があるの?」大きい声で叫ぶ突然の単語に、オレは驚く

「オイ!いきなり何言ってるんだ。」

「アンタがヒョリの事好きでいながら、チェギョンにちょっかい出すなんて、最低野朗ーー!今何処にいるの?叩いてやる!」

「今、済州島だ。」

「えっ?くやしーー!そんなとこだったら、叩きにいけないじゃん。」悔しがる

「ところで、ヒョリンってなんだ?」

「とぼけるな、バカ殿下!」

「オイ!ちゃんと言え!」

「アンタの携帯にヒョリンと仲良く写っている画像をチェギョンが見ちゃったのよ。
だから、私はただのやれるだけの妻だって落ち込んでるのよ。アンタねー、ほんと最低だよ。他に好きな女がいて、チェギョンとやるなんて」

オレはガンヒョンの声が段々聞こえなくなっていた。

ヒョリンとの画像?そんなのあったか?

電話を勝手に切り、フォルダーを開く。

色んな画像がある。

チェギョンの寝顔があり、ちょっとにやけてしまったが、指は凄い速さで動く

あっ、あった。

何ヶ月前なのに、もう何年も前かと思うくらい、忘れていた画像。

アイツこれを見たのか。

まだ、オレがヒョリンに気があるもんだと、勘違いしたんだ。

チェギョン、一人で悩んでいたのか?

オレは公務も忘れて、ソウルに戻ろうと決心した。


応接室から抜け出して、行こうとしたら、警護のやつらに止められた。

「皇太子殿下、どちらへ。」

「ちょっと、ソウルまで。」皆、呆れる顔をする。

そこにコン内官がやって来た。「殿下、どうなされましたか?」

警護達と睨み合っている所に、間に入ったコン内官。

「コン内官!オレの一生の頼みを聞いてくれ!」

何時も、逆らわない殿下が何事だ。

「頼むから、ソウルに行かせてくれ!」

「忘れ物ですか?」淡々と言う。

「忘れ物だ、とっても大事なのを置いてきたんだ。取りに行かないと!」言う

「承知しました。皆には上手く言っておきます。」

「コン内官。」警護の人達は、皆異議を唱える

「大丈夫、殿下は忘れ物を取りに行くだけです。ちょっと、ソウルまで。」にこやかに笑う。

「帰ってきたら、当分の間は大人しくします。」笑う。

「宜しくお願い致します。」頭を下げる

オレは慌てて部屋を飛び出し、警備の奴らから奪い取った車の鍵を大事に持つ。

廊下を走っていると、売店があった。

そこには色とりどりのティディベアがお客を待っていた。

オレは、目が合った1つを手に取り、会計に出した。

店員はオレだとは思わずに「贈り物ですか?」

「でっかいリボンだけ付けて下さい。」頼んだ。

ティディベアを持ち、車を目指して走っていると。

「シン君!」聞き覚えのある声が響いた。

その声の方を向くと。

シン・チェギョンが息を切らし立っていた。

「シン君ーーーー!」彼女はオレ目掛けて、突っ込んできた。

全力で体当たりされたオレはそのまま、チェギョンと共に倒れ込んだ。

「お前、なんでここに?」

「シン君とキスがしたくて来ちゃった。」何日か振りに見る彼女の笑顔。

「シン君は、なんでこの子を持って走ってたの?」

「ソウルに忘れ物をして、取りに行こうと思ったんだ。」彼女の髪の毛を横に流す。

「大事なものなの?」真剣に聞く。

「あぁ、でもソウルには戻らなくても良くなった。大事なものは今、オレの腕の中にいるから。」軽くキスをした。








皆様、こんばんは。

今日はバイトが休みなので、早めにアップです。

昨日の男子バレー、ロシアに勝ってビックリしましたー。

ここまで強くなっていたとは!オバちゃん泣きです。

コロナが落ち着いたらバレーの試合見に行かないとね。

では、コメント、いいねボタン押し有難うございましたー。


おやすみなさいー。