朝の挨拶の時間。

私は何時もより早く起き、先に陛下達と部屋で待っていた。

「妃宮が早いなんて、だから今年初めての雪が降ったんだな?」陛下が笑う。

「陛下!私だってたまには、1・2回は早い時もあります。」赤くなる。

「陛下、あんまり妃宮で遊ばなくても、それにしても太子は遅いですよね、珍しい。」
皇后様は廊下の方を見る。

「まあ。妃宮もたまに早く起きるんだから、シンもたまに遅く起きる事もあるようだ。」とイタズラ顔で笑う皇太后様。

すると廊下を渡ってくる音が聞こえてきた。

そこには、機嫌の悪そうな皇太子が立っていた。

「太子、久し振りに見る顔だな、どうした?機嫌でも悪いのか?」

「いいえ・・。」無表情で座る。

私は隣に座るカレの方を見ないように、ずーっと作り笑顔を浮かべていた。

挨拶が終わり、私達は部屋を出た。

先に歩くカレに話しかけられないように、ドキドキしながら歩く。

昨日雨が降って濡れていた景色は、あたり一面うっすらと白くなっていた。

あっ初雪だ。

私は、少しこの風景を見ていた

この「宮」の景色に、雪は白い飾りを付けていった。

綺麗だね。

気がついたら、カレとの距離が随分と離れていた。

慌ててカレの傍に行かないと思って、早歩きをしだした時に、振り向き怒った表情を浮かべていた。

「何度も聞いても返事がないと思ったら、何処に行ってたんだ!」

「済みませんでした。」頭を下げた

「済みませんでしたってお前、やっぱり昨日から変だぞ?夜もお前の部屋、鍵掛かっていて、中に入れなかった。何があったんだ?」

最初怒っていたカレの表情が、段々心配顔になっていた。

「オイ、どうしたんだよ、お前が変だと調子狂う。」

「何でないです!さっ、着替えないと学校に遅れるーー!」走り出し、東宮殿に向かった







制服に着替え、皆さんに挨拶を終え、2人で車に乗り込む。

車窓からは、雪景色が見える。

皆が寒そうに出勤・通学している所を、私は温かい車に乗り移動している。

ちょっと前までは、考えられない事だった。

あっ、私と同じ高校のカップルが、手を繋ぎ何かを祝いあっている。

カップルが初雪を一緒に見ると、ずーっと一緒にいれるというジンクス

いいなーー。幸せそう。

つい窓に張り付き、他のカップル達を見てしまう。

「雪が降ったのがそんなに珍しいのか?」聞く

「珍しいと言うか綺麗ですね。」妃宮らしい言葉で答える

「・・・・。」私とカレの間は、人一人分位座れる程の間が空いている。

雪と同じように、2人の会話は温かさがなかった。

「チェギョン、なんで昨日オレの部屋に来なかった?ずーッと待っていたのに。

それに、夜中にお前のとこに行こうと思っても鍵が掛かっていたし。

ずーッとお前が隣で寝ているのに慣れてしまって、眠れなかった。

お陰で朝寝坊してしまった。

なぁ、チェギョン、オレ達夫婦だろう?何でも話し合った方が、いいと思う。」

最初の頃とは全く違うカレ。

ちゃんと私に歩み合おうとしてくれている。

凄く嬉しい。でも、あの写真を思い出してしまう。それとあの言葉も。

「愛しているものを、この「宮」には閉じ込めたくない。」まだまだヒョリンへの愛よりも、劣る私。

一人舞い上がっていた私は、一気に急降下で叩きつかれた。

「シン君、昨日は風邪気味だったから。先にねむっちゃた。でも、今は大丈夫。」笑う。

「シン・チェギョン!オレの事騙せないぞ。もうちゃんと本心を言え!

お前は嘘をつくとき、絶対人の目を見て話さない。

オレだってお前の事ちゃんと見てるんだぞ。だからちゃんと言え!」私はカレから手首を掴まれた。

急に止まる車。そしてドアが開かれる

「学校に着きました。」護衛さんが頭を下げる。

カレは学校まで来ていたのも気がつかずに、手首を掴んでいた手を離し、車から降りた。

私も車から降りて、待ち合わせ場所に立っているガンヒョンの場所に、走っていった。

私を又捕まえようとしていたカレを、見ながら私はガンヒョンに抱きついた。


「ガンヒョンーーー!」初雪の日なのに、ガンヒョンに抱きついていた。








皆様、こんばんは。

またもや、ねむいです。

おやすみなさい