東宮殿に着き、雨に当たらないように中に入る

それでも、体は濡れてしまい、服に湿気を感じた

女官達は慌てて私を部屋の前に連れて行き、お風呂に入りましょうと、誘う。

私はオネーさんたちに従い、自分の部屋のお風呂に入ろうと足を部屋に向けた。

すると。

私の体は逆方向に、引っ張られていった。

私の体がカレの腕の中に納まるのを見たオネーサン達は、頭を下げて部屋から出て行ってしまった。

殿下は今日もまた、妃宮様と夜をお過ごしになられる。

皆の暗黙の了解で、護衛を残し皆出て行く。

「あっ・・・・。」行っちゃいやだ。

こんな日はオネーサン達と語り合いたかったのに。

シン君と2人きりで居たくない寒い雨の日。

雨の音は、この静かな部屋に響く。

「雨に少し濡れただろう。風呂に入って体温まろう。」抱きしめられたまま頭の上から聞こえてくる

私は、カレと何度か一緒に入ったことがあるけど、今日は嫌だ。

「うん、今日は公務頑張ったから、ゆっくりしたいんだ。それに私の部屋のお風呂、準備が出来ているみたいだから、あっちで入る。」指を指す。


「ダメだ!」シン君の強い声が、この部屋に響く

怖い。一瞬カレに感じた感情。冷たい瞳が私を見る

「今日のお前はなんか変だ。離れてしまうと、どっかに行きそうで。」最後の声は低くて聞こえずらい。

「とにかく一緒に。」


「ううん、自分の部屋で。」


「オイ!」


「今日は疲れてるの!」一瞬の隙を狙い、自分の部屋に入った。


だって、一緒にお風呂に入ってしまったら、カレに流されてしまい、何も考えられるなくなる。

このままでいたいのなら、携帯の写真を見なかった事にすればいいかもしれない。

そしてカレの腕に抱かれて、何度もいかせてもらえばいい。

好きと言う言葉を貰えずに、只笑って妃宮を続けていればいい。

でも、気付いてしまった。

カレは私の事、好きじゃないんだ。

妻と言う称号の女

したくなったら無条件でやらせてくれる存在。

カレは前に言っていた。愛する女をこんなとこに、閉じ込めておきたくない。

あははははっ。どうしよう?

最初の頃の言葉が、可笑しいほど思い出す。

ヒョリンだけを愛し続けていたカレの姿を、離れたとこで見つめていた私。

あんなに切ない顔をして、ずーっとヒョリンの事を想っていたカレ。

それなのに。あの雷の鳴った日に、私がカレに抱きついた。

あの日から、私は勘違いをしてしまった。

カレが、私の事を愛し始めてくれたと。



携帯に残る2人の姿

お似合いすぎて、笑いがでちゃう。

バカなチェギョン。

カレの心にはずーッとヒョリンがいたのに。

私は、お風呂に入り体を温める。

どうしたんだろう、温まらないなーー。

寒いな。

カレと一緒に入ったお風呂は体全身が真っ赤にのぼせる位に、熱かった。

カレが動く度にビクッとする私を、笑いながら

「お前って面白いな。」首筋にキスをしてくれた。

何度思い返しても、カレからの言葉にすきって言葉はなかった。

最初に戻ろう。

ただのイ・シンとシン・チェギョンに。

絶対に会う事のなかった2人に。



ずーっと聞こえていた雨音が聞こえなくなり、夜半に霙に変わっていた事を次の日にオネーサン達から聞いた。







皆様、こんばんは。

もう眠いので、これにて失礼いたします。

コメント、いいね有難うございます