「シン君・・・。ちょっと時間何時か知りたいから、携帯見せて。」

今日は二人での公務。

車の中に携帯を忘れてきた私は、シン君の携帯を借りようと思った。

シン君は知り合いのおじさんたちと雑談中。

でも、シン君は私に指で丸を作ってくれた。

携帯を預かり、輪から抜け出し誰もいない所に移動した。

シン君の携帯初めて触った。

待ち受けには、青い空に綺麗な雲が流れているのが、貼り付けてあった。

その画面を見て、フッと笑ってしまった。

シン君らしい。

静かに携帯を閉じ、シン君の話が終わるのを待っていた。でも、中々終わらないみたい。

そうだよね。

今日の公務は、世界で活躍する韓国のカメラマンの写真展だもの。
シン君は憧れのカメラマンさん達と話が弾んでいる。

暇な私はシン君の携帯を開く。

時間を知りたかったけど、やはり綺麗な青空に目が行く。

もっと見たい。

こんな綺麗な風景もっと見たい。

シン君の腕前なら、もっといいのがあるかも。

私の手は自然にメニューボタンを押していた。

カメラのホルダーには色んな景色が写っていた。

あーーっ、やっぱり綺麗。

シン君ってやっぱりセンスがある。

私の目に3枚の人物の写真が見えた。

・・・・。

嫌な予感がする。

震える指で1枚目を開いた。

あーーーっ、やっぱり。

そこにはシン君とミン ヒョリンが仲良く写っていた。

ミン ヒョリンの肩に手を回し、幸せそうに写っているシン君。

もう1枚も開くと、お互いの顔を並べニッコリ笑う二人。

お似合いな二人。

3枚目もあったけど、もう見たくない。

クリアボタンを押し、携帯を閉じる

窓辺から空が見える。

これから雪が降るみたいで、灰色の雲が空一面に覆い尽くしている。

まるで、今の私のココロみたい。

せめて青い空だったら違っていたかもしれない。

シン君の思いを感じるけど、やっぱり心の隅に渦巻く黒い影。

私の心からは一生出て行かないのだろうか?



「チェギョン!」シン君が私を呼ぶ。

「お前の事紹介したいから。」シン君は何時もの公務の時には出さない、少年のような顔で私を呼ぶ。

私の複雑な心を隠すように、プリンセススマイルを貼り付けてシン君の元に行く。

普段のシン君だったら、私の微妙な変化に気が付くけど、今日のシン君は普通の18歳のイ・シンになっているから、気が付かない。

「シン・チェギョン、私の妻です。」シン君から紹介された私は丁寧にお辞儀をした。

「皇太子妃様ですね。初めまして、コ・ヒチョルと申します。」とおじさんは挨拶をしてくれた。

「いやーーッ、カッコイイ皇子様に、カワイイ妃様並んで撮りたいですね。」

「本当ですか!?」憧れのカメラマンに撮ってもらえるのが嬉しいシン君。

「ええ、いいですよ。今直ぐ撮りますか?」

「コ・ヒチョルさんが良ければ、ぜひ!」

コ・ヒチョルさんはテーブルに合った愛用のカメラを持ち出し、「じゃあ、撮りますよ。二人とも並んでください。」レンズを見るおじさん。

シン君は何時ものように私を抱き寄せ肩に手を置いた。

っ!シン君の携帯の写真を思い出す。

同じポーズ。嫌だ。

とっさに離れて、慌ててプリンセススマイルを浮かべ、ピースサインを出す。

シン君は、突然離れた私に目を見張る。

「皇太子様、ちゃんと笑ってください。」

「ええ・。」シン君のプリンススマイルが張り付く。

カメラマンのおじさんの目が私を見つめる。

その視線に耐えられなくなった私は、顔を背けた。

「はい、どうも有難うございました。写真は後で現像して送ります。今日は本当に、殿下と楽しいお話が出来て良かったです。」おじさんはカメラを持って、席を外した。

「チェギョン?」私が急に離れた事に、眉間に皺が寄った。

「ちょっと疲れただけ。ちょっと休憩してくる。」言って私はこの会場から出て行った。








皆様、こんばんは。

お話が始まります。

大人のお話が多い中、このお話は普通です。(笑)安心してお読みください。

昨日の天体ショー、そろそろ始まるかよ思って、外に出たら意外と月が隠れていてビックリーっ。
それから、10分ごとに見に行って楽しみましたー。

皆様もみたかな?

コメントやいいねボタンありがとうございました。
何時も有難うございます。

では、またお会いしましょう。