![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210510/01/akashia93/36/b7/j/o0400040014939597826.jpg?caw=800)
「シン君、私そろそろ帰んないと。」
「えっ?」
「明日も早いもの」
「宮に帰るんじゃ。」
「まさか?シン君、私お仕事してるんです。急には辞めれません。」
「・・・・。」
「明日会社に行って、聞いてみないとね。それに私達は同級生なの。ねっ?」
「・・・。」
「じゃあ、ソウルに戻る日には、チェ尚官ねーさんに連絡します。」おどけて言った。
「・・・・・。」
「今日はパフェご馳走になりました。シン君に奢ってもらったの、初めてだね。」会計の時に彼女は笑って話をしていた。
外に出ると随分と雪が降り続いている。
それに風も出てきた。
「じゃあ、私あっちだから、シン君。今日はどうも有り難うございました。」頭を下げて彼女はオレに手を振って歩いて行った。
・・・・・。
・・・・・・。
なんだよ、アイツ。
全部自分でベラベラ話して、勝手に帰っていった。
アイツの後姿を黙って見送っていると、突然アイツが視界から消えた。
ビックリしてよく見てみると、転んでいた。
直ぐに起きると思っていたが、中々起きない。
オレは慌ててアイツの傍に駆け寄った。
雪がいっぱい降り続ける中、私は転んだ
まったく、今日は2回もやっちゃた。
ちょっと遅い時間なので、あまり人が通らない。
もう開き直って、大の字になって、雪が降りてくるのを見ていた。
良かった、シン君と普通に話せた。
良かったーー!
久し振りに会えたシン君は、カッコよかった。
涙が溢れてきた。
涙が出るほど嬉しかった。
カレが見れただけで、こんなに嬉しいなんて。
「オイ。」
・・・・・
「オイ!シン チェギョン!こんな所で寝てるな。」
「シン君?帰ったんじゃ?」
「お前が倒れたから・・・」カレから手を引いてもらい、私は起きた。
手を離そうとしたら、しっかりと繋がれて「又転んだら、今日は2回も転んでいるのに。」
「シン君。」私はカレを見上げた。
「とにかく、送っていく。」カレの少ない言葉でも、嬉しい。
同級生
私が提案した言葉
立場上、もう少ししたら「宮」に戻るだろう。
戻った私はどんな処罰を受けるか判らないが、黙って受け止めよう。
だって、逃げ出したのは私なんだもの。
「宮」での夫婦ではなく同級生として過ごす私達。
結局前と同じだと思うけど。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210510/01/akashia93/f8/70/p/o0400040014939599075.png?caw=800)
[泊まってく?」
彼女の口からこの言葉が出た時には、オレは少し間抜けな顔をしていた。
彼女を送っていたのはいいけど。
外は吹雪になってしまい、前が見えない状態になってしまった。
「皇太子様が遭難したら、大変だよ。」
「するわけないだろ。」チェギョンの住んでいるアパートの前で立ち尽くしていたオレ達
一向に止まない吹雪はますます威力を増すばかりだ。
「シン君、早く中に入ろっ」と彼女は階段を昇っていた。
扉を開けると小さい部屋だった。
ここに一人で暮らしていたのか?
窓辺にはアイツの家族の写真、それにオレの家族の写真もあった。
それにあと1つオレの写真。
国民向けの黒い正装姿のオレ
そっかー、二人だけで撮ったのはなかったよな。
それに東宮での写真は1枚も撮らなかった。
お前と過ごした4ヶ月は写真に残していないけど。
オレはちゃんと覚えているから
写真たてを持ち、ボーっとしているオレを見て、慌てて走ってきたお前
「アーーッ、見ないで!」写真たてを奪った。
真っ赤になったお前は「遅くなったけど、チゲ食べる?」
そっちに話もって言ったか。
「食べる。腹減った。」吹雪で窓や扉が軋む中、この部屋にはオレとお前しかいなかった。
アサリと豆腐のチゲとウィンナーの食事
チゲからは暖かい湯気が出ていた。
小さいテーブルに向かい合って座って、湯気の向こうにお前がいる。
温かいなーー。
お前が宮を出て行ってから色んな事があった。
お前ともう1度向き合う為に、オレは今までのオレでは考えられないくらいの、頑張りをみせた
何度雪だるまになったのか、わからないな。
「シン君?何してるの?熱いうちに食べないと美味しくないよ。」凄い勢いで食べているチェギョンがオレの御飯にウィンナーをのせながら、言った。
「ああ。」自然に頬が緩む。
まったく、そんな顔で笑わないでよ。調子狂う。
無視か、嫌味な顔しか見た事がなかったから、反則だわ。
うん?そんな顔しか見てなくて、よく好きでいられたわね。
「お前こそ、何してるんだ?なくなるぞ。」カレの御飯が少なくなっていた。
「フーーーッ、美味しかった!ご馳走様でした。」
「思ったより、美味しかった。」
「シン君!」
お腹がいっぱいになったオレは少し横になった。
「食べて直ぐに横になると、太るわよ、あっシン君はもう少し太った方が。」
カレの顔を覗き込むと眠っていた
そっかー、疲れたんだね。
カレに毛布を掛けてやり、私は後片付けを始めた。
声を掛けても一向に起きないカレ
そう言えば。
泊まってく?と聞きながら、どこに寝させる気だったのよ!シン・チェギョン!
急に顔が熱くなり、自分から誘った事に驚く。
でも、吹雪で目の前見えなかったし、ねーー。
仕方ない・仕方ないと一人頷く。
自分の布団にカレを少しずつ移動させて、ようやく寝かせた。
「まったく!体は細いのに・、重いよ。それにしても起きない。」掛け布団を掛けてやり、私は自分の用事をやり始めた。
この部屋にはテレビがない。あるのはI POD TOUCHで曲を聴けるくらいだ。
曲をかけながら、指は器用に動いていく。
何時も想像で計っていたが、今は本人が目の前にいる。
起こさないように、カレの肩幅をあわせて見る。
あっ、もう少し大きくしてもよかったね。
だって、カレの体触ったこともないし、いつも後姿しか見せてくれなかった。
初めて見るカレの寝顔
なんて鼻が高いの。キツイ目も隠れて、自然にカレの頬に手を伸ばした。
「何してるの、シン・チェギョン!触っちゃダメでしょ!」慌てて離れた。
真っ赤になりながら「今日はもう寝よう。起きてると、私が何を仕出かすか判らないから。」自分の持っている服を掻き集め、クッションを頭の所に行くように置き、横になった私は自分の体に服を掛けまくった
1番上にはチェオネ-さんが渡してくれた、コートを掛けた。
ちょっと寒いけど、何とかいける。
「お休み、シン君」
目が覚めた。見慣れない天井にボーーッとしながら、考える。
あっ、チェギョンのアパート
オレは今布団の中にいるんだ。足が出ている為、少し体を丸めた。
チェギョンはどこで寝てるんだ?
横を見ると服の山があった。
もしかして。
いた
覗き込むと、チェギョンが小さく丸まって寝ていた。
こんな吹雪の寒い日に、お前はなんでそれで寝ている?
深い溜息を吐きながらオレは体を起こし、服を払いのけチェギョンを抱き起こした。
温まっている布団の中に寝かせて、オレも隣に寝る。
そして彼女を抱き寄せて、体温を感じた。
温かい、お前の体温かいなー。
ようやく彼女を抱き寄せ、改めて彼女がオレの傍にいる事を感じた。
皆様、お久しぶりです。
お元気でしたか?
孫が帰ってきて、毎日忙しくしてました。
お話の更新も途絶えてしまい、すみませんでした。
できるだけお話をアップできるように努力します。(笑)
では、おやすみなさい。