社員食堂で一瞬、向き合うオレ達。

 
この人の多いとこでは、お互い素知らぬ振りをしないといけない。だから彼女が、顔を真っ赤にして走って行ってしまっても、追いかけない。
 
慌てて追いかける事はない。
 
オレは、インに小声で話しそして頷き、オレとは違う方向に歩き出した。
 
オレは、ゆっくりと歩き出し近くのエレベータに乗り込み、経理部の階数を押した。
 
エレベーターを降りると、経理部が見えてきた。
 
オレはそこの前を通り過ぎ給湯室を覗くと、経理部の女子が3人いた。
 
「あっ、キムさん。シン・チェギョンに資料集めさせに行ったから、時間になっても席に戻りません。」入り口に立ち止まり、言う。
 
「室長ーーー,判りました。」キムさん達の頬が赤くなる。
 
「室長、その役、私がやりたかったです。」一人の女子が言う。
 
「シン・チェギョンは、私に怒られて良くあそこの整理整頓させられていましたから、管理はバッチリな筈です。」ニッと笑う。
 
「そう言えば、チェギョンって室長に怒られて、良くあそこを片付けていたもんね。」皆はクスッと笑う。
 
「じゃっ、伝えましたから。」オレは手を挙げ、その場所を離れた。
 
 
 
オレの靴は、ゆっくりと資料室へ向う。
 
突き当たりのとこにある資料室。
 
此処は、チェギョンが良くオレに怒られて隠れて泣いていた場所。
 
彼女は隠れて泣いていたかも知れないが、オレは知ってた。
 
資料室の扉を静かに開ける。
 
そして、ゆっくりと音を立てないように、扉を閉めた。
 
コツ・・・コツ・・・部屋の奥に行くと、やっぱり。
 
泣き続けているチェギョンがいた。
 
それも声を出さないように、ハンカチを口元にあて嗚咽を漏らしていた。
 
叉、泣かしてしまった。
 
オレの目は悲しく彼女を見下ろす。
 
オレに見つかった彼女は、立ち上がり逃げ出そうとしたが。
 
オレの体は一瞬の動きで、彼女の両手を左手で纏め、体を壁に押し付けた。
 
「イタっ」逃げられないように、オレの体でも止める。
 
オレは上着のポケットから、スマホを取り出しインに電話をかけた。
 
「見つけた。で、頼んだ事やってくれたか?そうか、有難うなっ。」スマホの電源をおとした。
 
「痛かったか?加減できなかった。」ちょっとだけ緩める。
 
「泣かせたくないのに。」体がヒックヒックと止まらない彼女。
 
「泣くなよ。」彼女の体に、しっかりと覆い被さり、耳元に囁く。
 
「泣いてません。」ようやく出た声は擦れて辛そう。
 
「これじゃ、付き合う前のオレ達みたいじゃないか。あの頃お前は良くここで泣いてた。」
 
「知ってたんですか?」驚く彼女。
 
「知ってた。お前に資料整理を任せたのを見に行く度に、声を出さずにお前は泣きながら資料整理していた。オレは、何時もそれを見てしまい後悔していた。」
 
「だって、室長の期待に答えないと思う度に、空回りしていた私が未熟だったんです。」
 
「チェギョン、こういう泣き方するな。」オレの口は、何時も通りに彼女の耳たぶを含んだ。
 
「室長、ダメです。」体を仰け反りながらも、言葉はオレを止めさせようと。
 
「室長って言うな。」耳たぶを口に含み、何度も吸い付く。
 
泣いていた彼女の声が変わり始める。
 
壁に顔、体を押し付けられた彼女の体が声と同じように変わり始めていく。
 
「チェギョン、何で泣いてた?」オレの口は耳たぶを離れ、彼女の首元に吸い付く。
 
「泣いてません。」頑張るお前の首元を吸い付きながら、優しく降りていく。
 
堪らなくなったお前の体は、仰け反る。
 
仰け反るって事は。お前のお尻はオレの身体にグイッと押し付けてくる。
 
ずっと彼女の手を左手で押さえていたが、解放すると。オレの両手はグイッと彼女のお尻にめり込んだ。
 
彼女の手は壁に張り付き、熱い溜息を吐き続ける。
 
「オレが、あの女と話してたからか?」
 
「違います。」オレの右手は、彼女の右太腿に手を掛け、タイトスカートの限界まで持ち上げた。
 
「ダメです。」焦る声は夜の声の時のように上ずる
 
「じゃ、早く教えろ。じゃないとここでやるぞ」オレの身体はは彼女の開けられた場所にゆっくりと収まる。
 
「だってシン君の。」
 
「あれから何時間経ったと思ってる。ホラッ。」体を下から上へ動かした。
 
「シン君。」飛び跳ねる彼女の体
 
「今日の夜の為に休めていたのに、起き上がらせるな。」後ろからキスをしてあげる。
 
「今日、シン君の武勇伝聞かされたんです。凄かったって。」
 
「チェギョン。」
 
「おバカな私は、、戻らない過去のシン君まで自分のモノにしたくなって、凄い数や凄いテク。モデル級な人達に勝手に嫉妬しちゃって。
 
何で同じ年に生まれなかったんだろう?何で学校同じじゃなかったんだろう?何で一緒に入社しなかったんだろう?
 
シン君の全てを欲しくなり、全て同じでいたくなってしまって。そんなの無理なのに。
 
バカな考えをしてしまった自分が許せなくてここで隠れてたら。」言葉は途中で止まる。
 
オレはそれ以上彼女に言わせなくて、キスを何度も何度も重ねる。
 
壁を向かせていた体の向きを変えさせ、きつくきつく抱きしめた。
 
「オレの過去なんて酷くて、素直で純情なチェギョンにはあげれない。でも、お前の入社式からのオレだったら、おまえに全部あげる事が出来る。」
 
「過去やっぱり・凄かったんですね。」
 
「酷かった。」
 
「じゃあ、叉シン君の過去の武勇伝聞いてしまったら、お腹に一発パンチさせて下さい。それでスッキリしますから。」泣いた後の赤い顔で、ニッコリと笑う。
 
「チェギョン。」
 
「過去が酷くても、韓国一のオトコでも、私の事好きなんですよね。」眉毛が下がり自信の無さそうな顔。
 
ズッキューーーン。
 
何だコイツ、叉、萌死してしまうとこだった。
 
オレは口に手を当て、溜息を吐き「全く30近いオトコに萌死ばかりさせやがって、好きと言う言葉じゃ足りない。」彼女の頬に手を当て、オレの目とずーっと合わせて、ゆっくりとキスをする。
 
お互いの唇は離れていき、彼女はポーッとオレを見る。
 
「今のキス甘くて蕩けそうです。」
 
「そりゃーそうだ、オレの気持ち入れておいた。」もう一度キスをする。
 
「シン君、私バカだから気持ち判らなかったです。すみませんが、もう1度お願いします。」オレの背中に回した腕は、きつくオレの背中にくいつく。
 
彼女からのサインを受け取ったオレは「何度でも。」
 
 
 
 
「お前の事、ちゃんと説明しといたから、もう戻れ。」頬の赤みも落ちつぃた頃、呟いた。
 
彼女は頷き、資料室の扉に手を掛け「シン君、我侭言ってごめんなさい。」
 
「そうだな。我侭はオレの家でいっぱい言え、今日秘書室に寄ってから帰るから先に家に帰ってろ。経理部に戻ったから、不定期な帰りはなくなり拉致は終りだ。チェギョン、オレの部屋で待ってろ。番号は判ってるだろう。」優しく彼女に笑った。
 
叉、頬が真っ赤になった彼女。
 
「おっ、叉赤くなった。そんな可愛い顔じゃ、まだ経理部に返せないな。オトコ共がチェギョンを狙ってるからオチオチ返せない。」優しい顔から一気に、ニヤついた顔に戻った。
 
「まさか私の事を。」言葉が止まったチェギョン。
 
う・ん?気になるな、彼女の顔が変わって、キョロキョロし始めた。
 
もういい加減、席に戻らせないと行けないので、問い詰めは家に帰ってからだ。
 
「もう行きなさい」その言葉を彼女に告げた。
 
 





仕事が終わり、ガンヒョンと別れ、シン君の住まいを目指す。
 
途中、今日の料理の材料を買い、シン君のアパートの前に立ち、上を見上げる。
 
彼から貰ったマフラーの位置を直し「何時見ても凄いアパートだね。」つぶやいた時に、スマホが鳴った。
 
表示を見ると、あれ?シン君のオネーサンだ。
 
「おねーさん、どうしましたか?」オネーサンと話しながらアパートの中に入っていった。
 
 
 




ピンポーン。
 
「きッと、シン君です。」慌てて玄関に向かい扉を開けてあげると。
 
シン君が、かっちょいーシン君が、コリラックマのぬいぐるみを持って立っていた。
 
イケメンのカレが、これを買っている姿動画で残しておきたい。(ジュルッ)
 
「シン君、お疲れ様でした。コリラックマ、それ?シン君、自分用ですか?」目が輝いてしまった
 
「オレの?まさかー、お前にだよ。泣かせたお詫びだ。」カレのカバンを持って、コートを受け取ろうとしたら、カレの手はわたしの体を引っ張る。
 
「お前なーお帰りのキスは?」カレの唇は軽く私に触れる。
 
「シン君、ダメです。見られます。」私の手は、シン君の口元を押さえる。
 
でも、カレは私の手を退けてキスをする。
 
「この為に、一日頑張って仕事してるんだぞ、キスさせろ。それに、この家にオレとお前しかいないだ」ジッと見られる
 
「シン君ーーー。」でも私は、カレから離れようと暴れていると。
 
 
「まあ、私の可愛いチェギョンちゃんが、野獣に襲われてるわ。もうほんと手当たり次第に襲っちゃうなんて、何時ものクールな弟は何処に行ったの?」ニヤニヤと笑う般若の顔のシン君のオネーサンがリビングから出て来た。
 
突然の登場に「なんで、ねーさんが?」力のないシン君の声が、小さく呟いた。
 
「ふふふっ、秘密。」ニヤーッと笑う
 
「チェギョン?」ジロッと冷たい目が私を射る。
 
「だって、シン君の小さい時のアルバム持って来たから、一緒に見ようって。」
 
シン君の目がキラッと光った。
 
「ねーさん、チェギョンをアルバムで釣ったなー?」冷たい目は、オネーサンまで突き刺す。
 
でも、オネーサンは「テヘッ。」舌を出して、笑う。
 
「此処は、オレとチェギョン以外はダメなんだぞ。アルバムで釣られるなよ。」シン君は、諭すように私に言う。
 
「シン君の過去は酷くてあげれないと言ってましたが、小さい時のアルバムは見てみたいです。シン君なら、赤ちゃんの時からカッコいいんですよね?」私の希望でカレを見上げる。
 
「そんな訳ないだろう?只の赤ん坊だ。」ギロッと睨まれた。
 
「まーまーッ、シン!!着替えてきなさい。ゴハン食べてアルバム見よ。お楽しみは後にとって置いたから。」オンナ版般若の顔とオトコ版般若の顔が睨みあう。
 
「フン。」ご飯の準備をしようと、キッチンに向おうとしたら、シン君の手にガシッと捕まれた私は、寝室に連れられてしまった。
 
「まったく、ねーさんに騙されて。」シン君は私を見下ろしながら、呆れ顔だ。
 
「だって、魅力的なアルバムには、勝てませんでした。でも、ちゃんとシン君と見たくて、帰ってくるの待ってたんですよ。」ニヤニヤと止まらない。
 
「アルバム位何時だって。」ネクタイを外しながら言う。
 
「オネーサンも喜んでました。初めてここに入れたって。何時も入れて貰えなかったって。」外されたネクタイを受け取り、皺を伸ばす。
 
上着を脱ぎ、ワイシャツのボタンを外し、手首の所のボタンも外す。
 
オトコの人のこのボタンを外す動作って、ドキドキする。
 
肩の張り、腕の筋肉がギュッと見えるようでさらにオトコって事を意識してしまう。
 
上着も受け取り。私はシン君の着替えを間近で見続けてしまっている。
 
ボタンが全部外れ、ワイシャツを脱ぎ私の腕に乗せる。
 
そこには艶やかに輝くシン君の上半身が。
 
ゴックン。
 
無意識に唾を飲み込んで、カレの着替えを見続ける。
 
昨日、シン君の精根を搾り取ってしまった私は、この体を存分に舐め吸い付き触り存分に味わった。
 
オンナが●●●して体が満たされていると、お肌もツルツル、顔も活き活きとなっていくように、オトコにも同じのがあるんだーと感じてしまう。
 
だって、シン君のお肌、私より滑らかで毎日イイ男になっていく。
 
キッと今の私は、アホみたくボヘーとした顔でシン君に見惚れているんだろうなと言う自覚症状。
 
バックルに手を掛け、ベルトを外してワイシャツの上に重ねる。
 
ドキンドキン。心臓が段々早くなっていく。
 
スラックスのチャックは、ワザとゆっくりと下ろしていく。
 
スラックスを脱ぎ、叉重ねた。
 
黒のボクサーパンツ姿のシン君。
 
程よい筋肉がつき、お腹周りの贅肉もなく下へ向けて骨が向かっているのが見える。
 
その下には、顔が真っ赤になり目を反らしてしまったが、やはり気になってチラッと見始めた。
 
肩から腰に降りていく線は芸術品じゃないかって思うくらいの、綺麗な緩やかなカーブその下にはお尻が。
 
けして小さい訳ではないが、ギュッと引き締まった形が判る。
 
もうーっ、もうーーー、真っ赤になり心臓がーーーー。
 
クローゼットに向かい、パーカーとスウェットパンツを出し、着替え始めた。
 
もうーー、ダメだ。
 
私はガクンと膝まつき、シン君の服が散らばった。
 
「チェギョン、どうした?」般若の微笑みは、私を見下ろす。
 
「だって、萌鼻血出そうです。」真っ赤になり、心臓を整えようと。
 
着替え終わったシン君は、しゃがみ込み私を見る。
 
「勝手にねーさんを入れた罰だ。資料室の時から、チェギョン欠病だったから、もっと抱きしめて、もっとキスしたかったのに。」
 
あーーッ、般若が睨むーーー。(泣)
 
「やられたら、やりかえすのがオレの主義。」アハハッと笑いながら、シン君は一人で出て行ってしまった。
 
「そんな、こんなの倍返し以上だよーーー。」シン君の魅力にノックダウンしてしまった私は、寝室の床に蹲って叫んだ。