ホテルから家に戻った私達は、何度も繋がる。お互いを求め、絡み合い、何度も痙攣する体と体。
5日間の空白は、私までシン君のが移ってしまった。4日までしか、我慢できない。
何度もイッテしまった私は、カレの膝に乗せて貰っていた。
シン君に、触りたくて、キスしたくて、四日間我慢していた私は、何度もカレにキスをする。
「珍しいな。」ちょっとばかりの隙間から、カレが呟く。
「だって、ずーっとキス我慢してました。」チュッ、チュッ。
軽い音から濃厚な唇の重なる音と、舌と舌が絡まる音。
「ずっと欲しかったんです、シン君の全て。」私に任せていたシン君が、私の体を離す。
「あっ。」もっとキスしたかったのに。
「それって、もうオレの傍にずっといるって事で良いんだよな。」カレの真剣な目が、私の心の奥まで探ろうと射る。
「はい。現実は物凄く大変でも、シン君がいないこれからの人生なんて、つまらないです。」私の奥まで見つめる視線に、怯まない私は強くシン君を見つめた。
すると、急にシン君に抱きつかれた。
ギューーッときつくなっていく、思わず「シン君!!痛いです。」カレの腕の中で叫んだ。
「あっ、悪い。」腕の力が緩む。
そして、もう一度優しく抱きしめられた。あっ、この抱きしめられる感じ、好きだなー。
カレの程よい筋肉は、しなやかなバネのように、私の体包み込む。
ホワーンっと抱きしめられていると、涙が溜まった。カレと抱きしめ合える事が、こんなに嬉しいなんて。
韓国一の男に似合わないと言い、逃げ出そうとしていた私。本当に逃げ出そうとしていたの?と自分に問いただす。
まさか!?ありえない。
カレの胸元で、ブルブルと頭を振る。そして、自分からギューーーッとカレの事を抱きしめる。
「・・チェギョン?」かすれたカレの声。
ギュッと心臓を掴まれた。「もっと、もっと名前言って下さい。4日分。」
カレは抱きついている私の顔を覗き込み「お望みなら、何度でも。」カレの唇が私の耳元の位置に定まった。
「・・チェギョン。・・・チェギョン・・・・・・。」何度も囁かれる私の名前・・。
その度に、私の体はビックとなり、そして、体の奥底が熱くなるのを感じた。
「もっとシン君、シン君。」また、2人の全てが絡み始める、奥深く奥深く。
次の朝、起き上がれない私を着替えさせ、シン君は車でアパートまで送って行ってくれた。
助手席のドアを開けて貰い、カレは私の体を支えながら、立たせた。
カレから貰ったマフラーをもう一度巻き直しながら「今日、大丈夫か?」心配そうな顔。
「う~~ん。下半身がだるくて、フワフワしている感じです。」私の腰に手を回し支えて歩き出そうとした時、シン君のスマホが鳴った。
スマホの画面を見て、カレは嫌そうに出た。ギャーギャーと言う声がこっちまで聞こえてくる。
「判った。」スマホの電源を切り、私を見る。
「今日は、オレもギョンもお前達を送れないから、気を付けて会社に行くんだぞ。」頬を触りながら「寒そうだ。」最後にギュッと抓る。
「痛いです。」唇をとんがらせた。
「アハハッ。」じゃあーっ、もう行かないといけないから。」頬にキスを軽くして、車に乗って行ってしまった。
「こんなとこで、キスして行かないで下さい。」カレの行った方向を見つめ、熱くなった頬を挟んだ。
ガンヒョンと出勤して、みんなに挨拶をしていると、私の隣の席のムン・ジェウォンが傍に来た。
「シン・チェギョン!!おはようー。お前昨日、サボったなー」私の頭をグリグリとする。
「もうーー、セットが崩れるー。」彼を見て、睨む。
「おーーこわ。お前が何で、男共に人気があるのか判らないなー。」ニヤつく。
「何言ってるの。私が人気?冗談は止めてよね。」
「おっ!?お前に男がいる訳ないよなー。」背中をバンと叩かれた。
「ちょっとーー、痛いじゃない。骨が折れたらどうするの!?」言ってやったら。
「じゃあっ、俺が貰ってやる。」
私は自分の席に付きながら「貰ってやるって?」
「結婚してやっても良いぞ。」ニッコリと笑った。
ムン・ジェウォン
シン君がこの経理部から移動した後に、来た、課長さんの信頼の置ける部下だそうで、釜山から付いてきた彼。
運悪く私の隣に座って、慣れない彼の為に、色んな事を手伝っていた。
彼は他の皆には優しいのに、私にはイジワルを言ったり、かわかってばかりいた。
彼の最後の言葉は、何時ものようにからかっているもんだと思い。
「何冗談言ってるの。もう、仕事の時間だよ。」パソコンの電源を入れ、資料を出した。
ムン・ジェウォンが何かを言いたそうにしていたが。
隣の先輩が「ちょっと。チェギョン!!新しく来た課長。今日の朝入院したみたいだよ。」
「えーーーー、どうするんですか!?で、容態は?」
「詳しくはまだみたい。全くどうするのかしらねー。」
「ムン・ジェウォンさん、聞いた?課長倒れたって?」
「知ってる。お前情報遅過ぎ、きっと胃じゃないかなー?太っていたのに、最近じゃ痩せてしまって別人に見えてたからなー。」
2人で話し込んでいると、後ろを通る靴の音がした。
うん?
すると「えーーーー!!」「きゃーーー!!」色んな女子の声が響く。
経理部に、凄い声が響き渡った。
私は、声の方向を向くと、背の高い人が立っていた。
それも冷たい目で、ジロッと見下ろされた。
「えっ?」私の顔が唖然とする。
「イ・シン本部長!!どうしたんですか?」女子の皆様が、シン君を取り囲んだ。
「今日から、課長の変わりに、代理のオレが来た。突然なのでどうなるのかは判らないが、叉宜しく。」冷たい目は、私を射る。
ひーーーー!!事情は判ったけど、何で、冷たい目で私の事見るのーーー!!
1時間前までの、優しいシン君はどこーーーーーー。