今日も叉、拉致られてしまった。
暖かい車から降りて、寒すぎる駐車場を足早にエレベーターを目指して、二人で小走りした。
2人で部屋に入り、私は使い慣れたキッチンに立った。
冷蔵庫に何が入っているか、大分把握してきたので、普通に取り出して料理を始めた。
調味料の場所も知ってるから、体が勝手に動く。
お風呂の準備をして来たシン君が。
「何時奥さんになってもいいな。」小さい声
「えっ?」ちょっと聞こえずらくて、もう1度聞いた。
それなのに「イヤ。」とネクタイを外しながら着替えに行こうとしたら、カレのスマホが鳴った。
ボーっとシン君の事を見ていたら、スマホに出ながら指をバスルームに向けた。
私は、お風呂の準備をしていた事を思い出し、バスルームに足を向けたら。カレはソファに座り、カバンからノートパソコンを出しながら、話し続けていた。
邪魔しないようにしよっと。
私は、この部屋に置かせてもらっている自分の下着をタンスから出し、何時もの場所に置き。
湯船のお湯を止めた。
そして、慌てて料理を叉始めた。
私はテーブルに座り、出来たばかりの料理を見つめた。
私の向かいの席には、シン君はいない。
まだ、イン君と思われる人と、話し続けていた。
ちょっとばかりカレの方を見る。
右手で、ノートパソコンを操り、左手にはスマホを持つ。
ボーーーッ
「はっ!!」やばい見惚れていた。何でこんなにカッコいいんだろう。
一人で真っ赤になり、バタバタと顔を扇ぐ。
自分のカレに、見惚れてしまう。好きだと判った日から、急速にカレへの想いが溢れ出す。そして、カレを見る度に心臓の鼓動が止まらない。
ドゥクンッ、ドゥクンッドゥクンッ。
この鼓動は段々早くなっていく。
やばい、やばい。何とか落ち着かせないと。
私は急に思い出し、自分のカバンからCDを出した。
仕事の邪魔をしないように、小さい声で「シン君、コンポ借りますよ。」DISKボタンを押した。
今日、隣の先輩から借りたCD.
「夜眠れない時に聞けば、最高に良いわよー」ニヤニヤと渡された。
スピーカーからは、男の人の声が聞こえてきた。
「ただいま。ちゃんと主婦してたのか?」声の低い良い声が響く。
なんじゃあこれ?
CDのジャケットを見ると。
亭主関白な旦那様とデカデカと文字が。
夜一人寂しい貴方に、亭主関白な旦那様が貴方に話しかけますと言う副題が。
男の人は、誰かに話し掛ける様に言葉を繋ぐ。
この声、シン君に何となく似てる。
ちょっとオレ様風な感じが。と一人でニヤニヤしていると。
「何聞いてる?」耳元で、私好みの声は腰に響く。意地悪なカレはわざと低く言う。
ビクッとした体は、カレに押さえ込まれた。
私が手に持っているCDのジャケットを見て、冷たい目線が痛いです。
「そんなニセモノ聞くより。」私からカレの体は離れて行く。
メガネに指を当て「本物の声聞きたくないか?」
スピーカーの横にメガネを置いた時に、身の危険を感じた私は逃げようと決めた時には、遅かった。
「いっぱい聞かせてやるから。」ギュッと抱きしめられて、担がれた。
「シン君!!ゴハン!!食べましょうーー!!」バタバタと騒ぐ。
「食べる前に、風呂入らないとな。」ニヤッと笑ったシン君。
般若。
「おなか減りましたーー。」
「オレも減ったが、早くチェギョンが食べたくて、しょうがない。」カレの声がこの部屋に響いた。