チュッと言う音のするキスを落として、室長は離れていく。

あっ、もっとしていたいのに。

見上げる私の顔を見ながら「もっとしたいんだろう。」ニヤッと笑う。

「うん。」と室長の体を抱きしめてあげようとした時。

助手席の扉が閉められた。

えっ!?

運転席に乗り込んできた室長は「行くぞ。」言う声を残し、運転に集中していった。

運転する室長の横顔をズーッと見ていると。

「見過ぎだ。」優しく注意する。

「だって、室長と一緒に入れるのが不思議で。」

「不思議?」

「明日じゃないと会えないと思っていたのに、あの場所に現れるなんて。」

「5日も離れる事が出来なかった。だから言っただろう?一分・一秒でも早くお前に会いたいって。」

真っ赤になりながら「同じです。」か細い声は室長に届いたかどうか。

急に車のスピードが上がっていく,

「室長危ないですよ。」と室長の腕をトントンする。

「お前の事早く抱きたい。」スピードは上がり、何台も車を追い越していく。

早く抱きたいって。

男女の間柄にキスだけじゃないってことは、もう知っている。

でも私は、キスだけでも嬉しいんだけどな。

抱きたいって、やっぱ服脱がせられるんだよね?フッとある事に気がつく。

自分の下着の部分を服の上からペタペタと触り、顔が青ざめる。

イヤーーーーーッ!!

今日に限って、確かキティちゃんのペンティーーー!!

室長と会えるのは、明日と思っていたから、普段つけているキティシリーズ。

こんなのじゃ、無理。

幾ら、室長とはいえ愛があっても。

さすがに、キティちゃんが見えたら、引くだろう。

それに、せっかくガンヒョンがプレゼントしてくれた勝負下着履いて、挑もうとしていたのに。

青ざめる私は、勇気を振り絞り「室長。」

「何んだ?」冷静な声。

「あの、一旦家に戻りたいなーとか言ってもOkですか?」おどけて聞いてみる

「無理。」全く動じない。

「結構本気で戻りたいんですけど。」今度は真剣に言う。

「む・り・だ!」冷たい声。

車はドンドン、街の中心部に入っていく。

「室長ーー。」焦る私は室長の腕を揺する。

車はスピードを下げ路肩に止まる。

「オイ。理由は?もしや、イヤだって言うなよ、」目が真剣だ。

ちょっと怒り気味な室長の剣幕に、ビクッとなってしまう。

ビクッとなってしまった私を見つめ「悪い。ちょっと焦ってた。」ハンドルに額をくっつけた。

ちょっとした沈黙がこの車に流れる。

「室長。」ツンツンと腕を突っつく。

「・・・・。」

返事をしない室長の頬に、体を伸ばしてキスをする。

チュッ・チュッ・チュッすると、頭を固定されて室長は顔の位置を変え、自分の唇を私の唇と合わせた。

唇を合わせながら「戻りたい理由は、やはり嫌なのか?」切なく聞いてくる。

「ちがいます。」言葉を発する度に、唇に隙間が出来る。

その合間を滑り込むように室長の舌が入ってくる。

その舌は、私の口の中を自由に行き交い、そして何度も絡まる。

「じゃあ、なんで?」

「だって、ペンティーが、キティちゃんなんです!!」切羽詰ってようやく言った。

室長の体が離れていく。

やっぱ、キティちゃんって言ったのが、まずかったのか!?何か泣きそう。

じわっと涙が溜まる。

「キティちゃん、あのネコキャラか?」

頭はぶんと頷く。

室長は、私の顔に近づき「なんだ、てっきりオレの事嫌いになったかと。」私を抱きしめた。

「嫌いになるなんて、ありえません。ただペンティーを。」もっとギュッとされる。

「ペンティーは気にするな。キティちゃんだろうが、ブタウサギが付いていようと気にしないぞ。」髪の毛にキスをされる。

「ちゃんとしたのがあるんです!!ガンヒョンが卒業記念に買ってくれたんです。私は、ガンヒョンの気持ちを踏みにじりたくないです。」室長の耳元ではっきりと言う。

「又お前の好きなとこ、発見。お前の全てがオレの好みで、全く凄いな。」と笑う。

真っ赤に照れる私の唇にキスをして、室長は右にウィンカーを出して、右折して行った。





ガンヒョンは、アパートでゆっくりと過していると、急にドアを開け閉めする音が。

「誰!?」こんな時間にもしかして泥棒?

急にドキドキし始めた時、その人物が顔を現した。

「チェギョン?」慌てて、タンスを掻き回す彼女に近づき「どうして?」声を掛ける。

「だって、ガンヒョンが私の為に買ってくれた勝負下着を付けないと。」

「で、戻ってきたの?」

「うん。」

「本部長が良く戻ってきたわね。」

「最初イヤだって言われたけど、戻ってくれた。」見つけた勝負下着をギュッと大事そうに持つ。

「全く、何処まで惚れ抜いているのやら。あのフェロモン男を骨抜きにさせるアンタって。」

「骨抜きってそんなたいそうな。」モジモジ。

「まっ、そんなとこが良いんだね。」

ドアをノックする音が聞こえた。

「オイ、早くしろ。」本部長が立っていた。

「室長ーー。」慌てて駆け出すチェギョン。

「これか?」キレイにラッピングされた勝負下着をグイっと室長が持つ。

「自分で持てます。」自分で持とうとすると

「オレが持ちたいんだ。」チェギョンの手を握る。

「室長。」二人の目線が合う。

「はーい。そこまで。本部長早くしないと、この子の気が変わってしまうかも」ニヤッとする。

ハッと気が付く本部長。

「助言、助かった。どうもコイツといると直ぐにキスしたくなる。」ブーツを履く彼女の手を支えながら言う。

「ガンヒョン、行って来る。」バイバイと手を振る。

シン・チェギョン。

高校の時から付き合いの彼女。

ズーッと初恋の人を待ち続けて、男と付き合ったことのない彼女。

なのに。

我が会社一番のイケメンに、惚れられてしまって、そしてメロメロにさせてしまった彼女。

アンタって凄いわ。

本部長に勝負下着の袋を持たせながら、手を振る彼女。

私も手を振り返しながら、ちょっとしんみりしてしまった。

チェギョンもとうとうご卒業か。

「チェギョン、笑っているのも今の内だけだからね。ご卒業、頑張って。」

本部長はチッと言う舌打ちの後、「キム・ガンヒョン。」都合悪そうに呟く。

本部長とガンヒョンを見比べながら、?マークを出すチェギョン。

「行くぞ。」チェギョンの肩を抱き寄せ、階段に向かう二人。

チェギョンにメロメロな本部長が大事そうに、チェギョンを扱う。

いいなー。私もあんな恋がしてみたい。

本当にすきだって気持ちが判れば、何時でも飛び込めるのにな。

振り向かない2人に、ガンヒョンは手を振り続けていた。






14階のホテルのロビーに着き、ソファに座っていろと言って、室長はフロントに向かった。

私は、そわそわと落ち着きがない。だって、ここ私達が勤めているホテルなんだもの。

誰かに見つかったら。

「オイ、何キョロキョロしている?」

「だって、誰かに見られたら。」

「こんな時間、誰もいない。」

「シン。」

室長が振り向いた先には、男の人が立っていた。

初めて見るフロント係の男性、優しそうな顔。

2人を見比べると、室長のほうが凄い年上に見える。

室長にカードキーを渡し、私を見る。

「これで2回目だね。」ニッコリ笑う男の人。

「えっ?」

「この間は、酔ってたから。僕の事は知らないだろう?我が社の今年お嫁さんにしたい№1のシン・チェギョンさん、。とうとうシンの毒刃に掛かってしまうんだ、考え直した方がいいよ。」マジな声。

「オイ、ファン。チェギョンに何言うんだ。」ジロッと睨む。

でも、彼は気にする事でもなく、笑う。

「チェギョン、コイツ、オレの腐れ縁の親友、リュ・ファンって言う此処のフロント担当だ。お前に会わせたかった。」

「そうなんですか?室長って、このホテルにお友達いっぱいいますね。」素直な反応。

室長と、リュ・ファンさんは顔を見合わせ、苦笑いをする。

「シン・チェギョンさん。もし、シンじゃない男と利用する時には、僕が内緒にしてあげるから、いつでもご利用下さい。」笑う。

「そんなこと、ありえません。」「ファン。」2人は否定しあう。

「おやおや、さすがシン・チェギョンさんにベタ惚れなんだね。」

「うるさい、じゃなっ。」私の手を引っ張っていく。

29階の階数が光って、到着を知らせる。

室長は私の手を取り、直ぐ近くの部屋にカードキーを差し込んだ。

「わーーー!!」と私はキョロキョロしながら中に入っていく。

「この間の部屋より、随分広いですね。」大きな窓に寄り、夜景を見下ろす。

カバンを下ろし、コートを脱ぎながらクローゼットに掛け、スーツの上着も掛けた。

その光景をボーっと見ている私。

バスルームに移動しながら、ワイシャツの腕をまくる室長。

戻って来た室長を見て「慣れてる。」キッと睨んだ。

「オイオイ、この年で初めてだったら気持ち悪いだろう。仕事で利用するからな。」窓ガラスにへばりついていた私の傍に寄ってきた。

「だって、仕事意外な時もあったんでしょっ。私の知らない室長の事を知っている人達がいるんですよね。」

「・・・。」言葉を言わない室長は無言で私を抱きしめる。

「ずるい。」ポツリと呟いた言葉。

「可愛い。」頬にキスをする。

後ろから抱きしめられながら、コートのボタンを外す。

脱がされたコートを傍のテーブルに置き、軽いキスをする。

「先にシャワー浴びてくる」その言葉を残して、室長はスリガラスのとこに消えて行った。

一人この部屋で何をしたらいいのか判らず。ただボーっと夜景を見ていた。

すると何時の間にか、室長がバスローブ姿で出て来た。

さっきまでのセットされた髪型ではなく、時々見かけるサラサラヘアーを無造作にバスタオルで拭いていた。

「チェギョン。入ってきなさい。」室長の言葉と共に、私は慌ててバスルームに逃げた。

バスルームに入り、心臓に手を当てて、深呼吸を繰り返す。

バスローブの隙間から見えた胸元。

長い足。

そして、メガネを掛けていない室長に濡れた髪の毛。

心臓が壊れそう。






「随分と長かったな。」ベットの上でノートパソコンを打ち込んでいた室長。

湯上りで、体がボーっとする。

「余りお風呂に入ったことなかったもんで、何時もサウナかシャワーだから。

それに、バスルームからも夜景が見えたんです。キレイでしたー。」火照った体を、窓ガラスの方に寄り、熱を出そうとする。

「この部屋のバスルームだけ、夜景が見えるんだ。後で一緒に見よう。」ノートパソコンをテーブルに置いて、私の手を引く。

私をベットに座らせて、室長は跪く。

私の手を自分の手の平に乗せて「今まで一度も恋をした事のないオレなのに、入社式の時から、チェギョンに恋している。

絶対に叶わないと思っていた恋に、奇跡が起きた。」

室長は、自分の首に下げていたネックレスのチェーンを外し、大きな指輪と小さな指輪が下がったネックレスが私の首元に移る。

「このネックレスの指輪は、オレのおばあさまから頂いた物だ。結婚するまでお前が付けていてくれ。」

「結婚って。」意外な言葉。

「オレも、来年は30になる。何時結婚してもおかしくない年だ。お前と直ぐに結婚したいが、チェギョンはまだ考えた事ないだろう?」切ない顔になる。

ビックリした。室長がそこまで考えてくれていたなんて。

でも、結婚はまだ。

「チェギョンの事は、結婚を前提とした付き合いだ。遊びじゃないからな。」私のバスローブの隙間に光る指輪達にキスををする室長。

「遊びだったら、帰ります。」指輪にキスをする室長を見下ろしながら、負けずに言う。

「帰るなよ。」私をギュッとする。

私のバスローブを外して、下着姿をまじまじと見る。

「この下着最高に可愛い。」下着にキスをする。

室長もベットに腰掛け、そして横になり私を上に乗せる。

「マジかよ。ズーッとこの日を待っていたから。オレとした事が緊張して震えるなんて。」私の胸がキュンとなる。

ゆっくりと室長の口元に、自分の唇を寄せる。

「シン君、私の初めて貰ってください。」この言葉と共に、背中のホックが外れた。

ゆっくりと外される下着を横に置き、2人の唇は重なった。

 

 

 

 

最近、又ネットが上手く繋がりません。

 

繋がらないと、諦めてテレビ見てしまうので、お話が進みません。

 

皆様、どうか優しいキモチでお待ちください。

 

あっ、後、26話以降健全じゃないお話になっていきます。

 

このブログは、健全なブログという事なので、アップできない部分があります。

 

お話が通じないなーと思われたら、健全じゃない部分だなーと思ってください、では( `・∀・´)ノヨロシクです。