会社の終りのベルが鳴る。


今日は、残業のない日。

何時もの4人で、ガヤガヤしながら更衣室に向かって歩いていると、メールが着た。


オイ。忘れて帰るなよ。何処で食べるかは、お前に任せる。



あっ!!忘れて帰るとこだった。

「チョギョン?どうしたの?」と皆が振り返る。

「ううん。なんでもないーー!!」慌てて追いかけた。

着替え終わって、会社の玄関まで、ガンヒョンに言えないでいた。

3人は先を歩き、私はどう切り出したら良いのか、ブツブツ唸っていた。

「チェギョンったら!!早く帰るよーー!!今日は何処で食べる?」

どうしようかと悩んでいる時に、メールが着た。


室長からのメール。慌てて開くと、対処法が書いてあった。

よし!!

「ゴメン!!今日は本屋に行って探し物あるんだ!!」

「付き合うよ。」3人。

「帰り際に室長に頼まれたんだ。今から急な会議が入ってしまったから、代わりに本屋に頼んでいた本取ってきて欲しいんだって。此処から離れてるし、全く仕事終わっても使われるーー!!皆は楽しんできて。」空笑い。

「えーーー!!私達が代わりたい!!」2人。

「私が持って行かないと、又怒られるかもしれないから。それは大丈夫だよ。」苦笑。

「チェギョン、夜飯は?」一人が聞く。

「ウーーン、コンビニで買って食べるから良い。」手を振る。

「じゃっ、又明日ねー。」3人から離れる度に、私の心臓がバクバク鳴る。

初めて、あの3人にウソいちゃった。

ゴメン!!もう言わないから、ゆるして。

だって,今日だけだもの。室長と会うのは。

私には、ユル君をズーッと待っている日々が合ってる。

世界で一番苦手な人と食事するのは、これで最後だから。

 

 

 

 

 


明洞の駅から乗り継ぎ、新村の駅に付く。

そして、私が言った場所に向かう。

まるで敵地に向かう歩兵の気分だ。

当たって砕けろーー!!

意気揚々と歩いて、待ち合わせの場所に行ったら、室長が外で待ってた。

それも、周りのオネーサン達にチラチラ見られながら。

俯いて立っている室長。

180cm以上ある身長。体の細さを生かしたスッキリとしたスーツ。

顔が小さくて、手足が長い。

そんな人が本屋の前で待ってるなんて。

オネーサン達がほっとかないでしょっ。


・・・・。

・・・・・・・。

そのオネーサン達の視線を遮断している室長の顔が上がる。

ゆっくりと上がる顔は、私の顔を見てホッとした顔になる。

ギュッと心臓が跳ね上がった。